しなびてんだかくさってんだかわかんないキャベツだかレタスを見て母さんは言う
芽が生えているよ
たしかにしなびてはいた
けどちゃんと生きてた、まだ。
だからそこから生まれたんだ
生きてるから ....
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水底に力つき
沈んでいるそれは
たった一人で
この大きな川を遡って来た
独り流れに逆らい
早瀬をむりやり腹で押し渡り
波のうねりを越えて
....
ねぇ、命ってどこにあると思う?
ねぇ、心ってどこにあると思う?
ほとんどの人は胸の辺りを指す
中には頭を指す人もいる
ランナーが指すのは足
料理人が指す ....
あのとき、偶然
だれにも声をかけられていなかったなら
ぼくは今ごろ
ここにはいなかったのだ
偶然、生きているぼくは
今日も、また改札口をぬけ
ケータイを開き
牛丼 ....
窓を拭いていました
ドーナツを食べるあなたが映っていたので
わたしは飛び込みました
泳ぎました
しばらくそのままでしたが
砂浜があったので座りましたが
どうやら無人島でした
何故無人 ....
またほお杖でほら
また一日がほら
遠くの駅前ビルを見るだけで終わった
「なんかあったの?」
聞かれる自分にちょっと惚れてる。
ほお杖でほら
また自意識がほら
「誰か気付けよ」って言って ....
ソフトビニールのキューピー人形は
なだらかな尻を突き出して水中を探索し
ゼンマイ仕掛けの赤い鯨は
白い腹を見せて背泳ぎをする
目玉のシールが剥がれた盲いた緑の象は
水を飲み過ぎて横倒れ
....
傷口が見えてる 後ろめたさも隠せず
裏切り煽られ つまずき蹴られ
信じて縋って 胸を撫で下ろす
捕われくじけ さまよう暮らしに
先の知れない 隠し切れる訳のない
正義と過去と ....
二十一世紀というものがやってきた
何気なく
僕らは息をしてきただけ
身軽に空を飛べるようなものも無いし
見たこともない食べ物があるわけでもないし
すべてに ゆっくりと足跡をた ....
母は息をとめた。
言葉をひとしきり噛み締めると、
眠るように最後の息を吐いて
彗星の隣を駆け抜けた。
父はまなこの裏側で
時折、不精髭を擦りながら
シャンパーニュの一億に混じり ....
悩みがある
他の人には大したことなくても
僕にはおおごとだ
そんなとき彼女が言った
「絆創膏ならあるよ?」
「バンソーコー?」
「傷が隠せるよ」
「治らないの?」
「うん。
だ ....
行ったこともない街ででっかい負の花火が打ち上がった
日曜日の真っ昼間
鬱屈したネガティブの巣窟
俺がときどき寝る場所では
だいたい午後7時ぐらいになると叫び声が聞こえはじめる
おねー ....
一人暮しする時に
父が大切なラジカセをくれた
買った当時
十万円近い価値のあったラジカセは
時代とともに価値をうしない
それでもあの日ラジカセを
父の部屋ではじめて見た時は
銀色に輝く ....
仕事から帰って
明日のことを考えようとしたら
なんでだろう
涙が出てきた
明日が嫌なわけじゃない
明日があるって素晴らしいと思う
なのになんでだろう
涙が止まらない
そ ....
この度は
ご盛会
おめでとうございます
語りは
臨場感が出て
大変良かったと思いますし
話の内容にも感動しました
活舌も流石でした
ただ
若干客席のマナーが気になりました
....
基幹農道の左右は区切られた水面
あの小高いのは 川のへり
足の悪い男が傾斜へとうつむいている
なずなは もう しまい
つめくさは もう せんから さかり
水 ....
嵐が去ったあとの
うっとりとした
天気雨がふる夜に
穏やかな波が渚に
はじけていて
潮のよせる音が
白い灯台の中でも
吐息のように響いている
塔のてっぺんの方へと
約束をした ....
雨が降っていたので
私は傘を取りに戻った
部屋には昨日壊してしまったブラインドが
淋しげにぶら下がっていた
{引用=ごめんね
もう遅い
帰ってきて}
私の心を雨がとん ....
鳥居の中に明かりが燈る
お急ぎ
お急ぎ
昨日は町のあの子が消えた
さあさ、お急ぎ、狐が通る
石燈籠の鬼火が消える
お集め
お集め
明日は小さなお前が消え ....
ホデリはぼんやりと海を眺める。
眺めたであろう。
初夏の風に荒れる海を。
この嵐の季節、
田には水が必要だというのに、
ホデリの水路は乾き ....
ひかちゃんが
幸せになるか、不幸になるかわからないけど
きっと
自分にとっての幸せってなんだろう
って考えて
探求できる子にはなると思う。
って今日着た手紙には書いてあ ....
ハシバミの枝から
膝頭をつたい
たらたらと流れる
経血の艶
頬を刺す紅の
口許を拭う銀の{ルビ絲=いと}で
ゆっくりと迷宮を搦め
鋼鉄の綾で縛りながら
血潮の徒花を捧げ
甘い毒を流し ....
茶色のひかり
鋭利過ぎた沈黙
それらが開くのは
私のあたまの奥
まどろみの海で
死体ごっこ
理由を探すふりで
そうやって遊ぶ夕べ
....
みえないちからって
なんだ
はて
はて
はて
たりなければ
もらえばい
....
救いあれ 救いあれ
放埓にさんざめく声を抱いて
孤児は野に追い出され
弧を描いては石を投げられた
掬いあれ 掬いあれ
韜晦に失笑で返し
道化師はサーカスで独り
ブランコの漕ぎ手を待っ ....
失われたものが
失われる
方向にむかって、ひきのばされていった
絶たれるために
できればなにもきめつけずにいきたい
自惚れては進まぬともの想いにふける日々
できればなにかを変えたい
郷愁に浸ってすすまぬ日々
芯も筋もないぼくらだけどどこか
自作の哲学に溺れて酔う日々
結 ....
一念発起でもしたのか
寝ぼけ眼をこすりながらも
真新しいランニングシューズに足を通す
ちょっと昔だったら
恰幅が良いともてはやされた下腹を揺すりながら
近所の公園に出かけていった
....
地球からながめると
原子核よりも
ちっちゃな
ちっちゃな
自分のからだの
どきどきしている
どっきどっきな
むねの奥で
ときどき ....
観測所には誰が居るんだ?
あの夜に僕らがはじめて気づいた
色とりどりの破綻は
今もまだつづいているんだ
君のあるいは君たちのともした火
砂漠の向こうから送られるシグナル
忘れられた庭園の扉 ....
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