六畳一間のアパートに
むりやりつめこんだそのベッドは
ほかの家具の置き場をうばって
ずいぶん偉そうに横たわっている
そんな君が風邪をひいたというので
お見舞いにいったのだけど
座る場所 ....
あなたの幻を見た
思い出の改札口
慌しく流れていく人々
無表情のまま吸い込まれていく
階段を上れば
滑り込み 発車する電車で
あの日に帰れたら
あの日の二人に戻れたら
....
夜は朝を育む揺りかご
夜のなかで
寝ているのは朝
朝は朝寝坊
夜の寝心地はとてもいい
いつまでも朝が起きないと
いつまでも夜なので
夜は思いきって朝を起こす
朝、起きて
朝、 ....
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私は自分が泣くとは思わなかった
同僚と酒を飲み
語り合い
別れた時
涙が出た
酒を飲んで居ても友に言えなかった
卑しい自分 ....
僕は駄目な男です
僕は今日も眠ります
夢は想像を消さないと
影すら見せないので
舵は枕任せです
枕は北風を浴びて
雪で遊ぶことに
決めたようです
一面に雪が積もります
冷気が沸き ....
「あえいうえおあお」
明日はきっと雨が降るから
どこかに出かけようと思うんだ
そう遠くじゃなくて
どこか電車ですぐいけるような街へ
いつもは持たない傘を持って行くよ
君はいつも持ってる ....
とても正しくて
とても間違ってる
君はいつも正しくて
間違っていた
何かだけを目指し
何かだけに支配され
何かだけの君は
何かだけを支配して
何かだけを成し遂げた
セミ ....
返して返して返して返して
僕の未来を過去を返して
心に何を仕込んだの、
どうして何も無いの、
誰でもいいから
誰か誰か助けてよ
僕をCageから出して
鍵さえ在れば
僕はこ ....
いつもよりかなしい
なにもかわらないのに
いつもよりかなしい
なみだすらでないのに
いつもよりかなしい
だからどうってことないけど
いつもよりかなしい
きょうがきょう ....
飲み込んではいけないから
ぼくは赤子からおしゃぶりを取り上げ
玩具もどこかに隠してあげた
怪我をしてはいけないから
ぼくは公園の遊具を取り外し
遊戯を可能なかぎり限定した
不快を示 ....
出張帰りのいつもの近道
車を走らせると道は
その先で
星空に切り取られる
そこが星越峠
たどるたびに
僕は宇宙から帰還する
会えない夜は輪郭を想う
あなたのかたちが ....
想いや
意思
ありふれている
行き場のない感覚
もてあます
日々
東京
の近郊で
九州
出身の親に育てられた僕は
自分でも意識しないうちに
親の故郷の訛り
を
口にしているらしい
九州出身の妻から
指摘されて気が付いた
だとすれば ....
ソフトビニールの人形を
頭から咥える子、と
そんなもの食べちゃだめでしょ
とかいう母、
女性、
が、咥えてきたものたちのこと
口に含まれて
唾液まみれになり
大きくなるもの
なー ....
神の轍をコピーする
それを魂に貼ってゆく
十字架を背負い
ゴルゴダの丘をゆく
神に同化する
もしくは同苦する
神はなにを喜ばれるのか
いっさいを
神 ....
女が信号待ちをしていた
幼い息子と立っていた
いっしゅんのことだった
粗雑なかなしみを
気恥ずかしく思い出す
この親子ふたりに
俺はなにをしたのだろう
リセット
寝坊しないように目覚ましを三つ用意して
約束の時間に間に合うように
彼女の家まで車を走らせた
「あれ?もしかしてピアス代えた?」
「そうだよ!よく気付いたね!」 ....
日差しの強い 不快指数の針が振り切れそうな昼間
一日使い捨ての部屋を掃除し始めた
「オレってきれい好きなのかも?」
なんて自分を彩る言葉を口にしてみる
小学校のころのアルバム 初恋 ....
深い 森の青 遠い山々
押し寄せる 驟雨の匂い
夏が海を抱いて
また再び
貴方と恋に落ちるのか
自己憐憫
自己嫌悪
隣り合わせの理想国・・・燃えて・・・
語りつくせぬ思いを
....
かたりとなる昨年の暮れから
おそらくかなしばりにあいながらみる
まつげのさきの閉じかけのまぶたが愛らしかったとか
ぬるくひかっている足の爪のはがれぐあいだとか
いつも指をうごかしている完成をみ ....
080709
新装開店のお店の前
チラシを配る男の子
チラシを受け取る男たち
木登りが上手だねと
褒められたことがありますか
危ないから木に登 ....
人気のない
アパートの群れ
立っているのは
草木のみ
洗濯物が干して
ある
雨が降りそう
ヒゲをそる
友人に電話する
寂しい
BGMを流す
スイングしましょう。
あなたのことを悪く言ったから
熱に魘され、変な夢を見てしまった
それでも私は、しゃべるのを
やめたりはしないよ
38.7℃ ある夏の夜
夢に出たのは 隣の席の君
笑い飛ばし ....
{ルビ掬=すく}い取れぬもの
沸きたち噴きだす火口に押しこめようと
小さな突起ごとわしづかみに{ルビ掴=つか}んでは
肥大してゆくこころ
そっくりそのまま、ひとのところへ返そうとする
無 ....
ぱちん、と、弾ける音は車に掻き消され
なんか、弾けたんじゃない?
なにが、弾けたのだろう?
少し、痛い気がするわ
棘でも、刺さったのかしら
でも、もう痛くはないけれど
雨は夕方から降り ....
人は空を見ていない
都会の中のビルの隙間にさえ
ちゃんと空はあるのに
人は空を見ていない
雲の端から溢れる光や
夕焼けの美しさに
気付こうともせず
冷たい日常にうつむいた ....
ひらかない花など、あるだろうか
どんなにか速度をかえようとも
いつかは、ひらき朽ちていくものなのだろう
とどまることのなく
枯れおちていくからこ ....
焼きはらわれた、夕暮れ
に
わたしたち
それぞれは
ただひとりの者として、
心を
あつめている、
ひときわ明るい光に
焼き
はらわれて、誰でも
いいような
ただひとりの
者 ....
伸ばした舌の先に
ビルがある
冷たい窓枠、の震える
階段のない腕で
わたしたちは穴を掘り
整地を繰り返す
積乱雲の遥か下
茂る葉がホーム
ざわめく
誰をも騙すことない
黙秘の ....
青のインク
絵の具のチューブ
クレパス
全部ひっくるめて
投げやりな空を、描いた
何枚も何枚も
繰り返し
気がつくと
床が、海になってた
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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