虚ろな気だるさが
重い腰をあげて支配し始めている
大気が大きな欠伸をしながら
そっとこの地に潜り込み
寝息を立て始めると
羽毛に柔らかく包まれた小鳥が止まり木でさえずる
大地に ....
きょう手紙が届いた
とおい山のホテルの便せんと封筒
差出人はぼく
自分から発ち自分へ帰ってゆく旅人の
孤独な手紙だ
恵那山トンネルという
中央自動車道の長いトンネルを抜けた
恵那山の ....
幸せになるために
不幸が少し
足りませんでした
不幸になるために
少しの幸せも
いりませんでした
それなのに
幸せになりたいとは
誰ひとり
言いませんでした
幸せになる ....
いくらでもある
吐き出しきれないぐらいある
それにとらわれて夜も眠れないこともある
水滴、集中豪雨と雷光
ガラス越しに映るだけだから 怖くない
どころか
向こう岸の出来事に ....
虫醋が喉を刺す
透け入る妙なる{ルビ馨態=せいたい}
背後に黒き旋律
絞らるゝ雑巾の如く{ルビ縒=よ}られ
渦巻く無数の惡夢白{ルビ晝=ちゅう}夢
幾度までも呪殺せる輩の{ルビ屍體=した ....
君は眠るのだろう
鳥の泣きながら帰ってゆく夕暮れに。
山に抱かれて人に抱かれて
遠く、重く、長く、射す陽に染められて。
閉じられた目はしかし覚めていて
幼かった日々の空の高さ、貴さ
....
すべり台の一番高いところで断続的に爆発しながら
ガチャピンが存在しない耳たぶを震えさせる
そのときの高音域の伸びは
誰にも真似できないほど抜群だから
ガチャピンは何度も何度も爆発を繰り返す
....
終電に揺られながら
車窓へとため息
様々なものが纏わりつき
雁字搦めにしていく
ただ、生きていくわけにもいかず
とかく社会というやつは無関心に 其処に
主張も理念も ....
今は何でも許される時代だから、ここは誰でも受け入れる場所だから、だから、生きることは困難だと感じてしまうんだね、言葉について、僕は語りたい、言葉と、言葉が象る事のできるあらゆる事象について、とりわけ、 ....
僕の右手が、
僕の右ポッケ、
まさぐって、
10円玉ひとつ。
目には映らない。
皮膚にはふれている。
そんな裏表も、
あるもんだねぇ。 ....
彼とは反対方向の電車に乗って別れた。
最寄り駅で降りると残酷なほど朝だった。
光がいつもより白く見える。
わたしは歩道橋の階段を上りながら、彼のひとことひとことを思い出した。
夜の言葉 ....
{画像=080717222808.jpg}
ぼくは所在なく佇む
夜が好きだ
そんなとき
梅雨の終わりの
雨が降っているのもいい
屋根を打つ雨の音
軒を伝う流れの音
樋を落ちる水の音 ....
鼻で涙を消してしまった
もうここからニ、三年進んでください
見知らぬ動揺にミンミンと向く
耳辺の体重が体流が穴を埋めて溢れてゆる
きだんだ 吃る蝋灯
希世な曇り音
流汗した身体を身体のうえに乗せて
うえに乗せてなだれるイメのうえを
見知 ....
いつものことだが
ノートの一ページ目は
かなり緊張してしまう
まだなにも記されていない白紙に
私のような人が
はじめに記していいのか
朝の雪景色のときと
どこか似ている
あるい ....
くらいくらいくらいくらいで
浮遊できるんだ
さびしさばかりが先行する
夜はまったくの白紙で
波打つ鼓動だけを聴いている
・
口を開くと
言葉がこぼれ落ちて
かた ....
排他的な女の子は空を所持している。
その底のほうには、白くてきれいな宇宙船や、手垢できたない算数の教科書、軍隊の格好をしたキューピー人形や、プラスチックのマニキュアの瓶が、ざくざくとはめ ....
「ここはどこなんだろう」
と苔むした薮を歩いてると、湿ってすべる。
裸足ではないが靴底にはもう穴があいていて、リストカッターたちのように深く浅くあらゆる皮膚に傷がついている。
透明の液体が世界の ....
吹き抜ける風のなか
あなたの声がする
もう、どうしてもつかまらない過去のなか
あなたの笑いさざめく声
いつしか、あの高みにまで飛べるまで
待っていてくれた、あのなつかしい声
時がながれ ....
駅構内の
床に剥がれた
薄い矢印の上を
僕は{ルビ往=ゆ}く
( what's going on
階段を下りた出口の広がりに
裸足のまんま傘を差し
どしゃぶ ....
透明水晶の信号柱から
七つ先の林道をかけあがると
ずいぶんと見晴らしの良い高台に
ブナの木が一本立っている
木の実を転がしながら
その細い林道をしばらく行くと
もう帰ってはこれない ....
ましろい机の上に便箋をひろげて
君に「はじめまして」の手紙を書いた
カーテンのふくらむ隙間から
{ルビ朧=おぼろ}な日が射し
視界のぼやける
一瞬
....
美しく咲き誇る瞬間を切り取り生け花にして
その命を縮めてしまう人がいる
蝶を眺めるだけで満足できない人が
採集して永遠に自分だけの宝物にしてしまう
今夜も安らかに眠れる生き物は ....
遠く離れた二人だけど
今ある障害は
僕が経験したことのある
障害に比べれば
全然対したことはない
だから
今
ほら
夜空を眺めよう
僕が月をまん丸にしておいたから
決し ....
とある文献、Saussure & Linnaeus 1913、によりますと言の葉森に住む同じ穴のムジナことアナグマ・アナグラムはコスモポリタン。ある程度の群れで生活し言葉の常として夜行性。互いに互いの ....
羊とシーソー遊びをすると
いつも重い方が沈みました
両方が沈まないでいるのは
とても難しいことでした
わたしはまだ
言葉をよく知らなかったのです
+
眠れないとき ....
こんなとこ咲いたって
咲いたって
無駄だってわかってるのにやめれない
光合成なんか後ですればいい
今は暗闇を裂いて裂いて咲いていたい
時々照らすライトが眩し ....
人生をブッ飛ばしていきたい
でも車のように突っ走りたいなどとは言わない
車より人間の方がいいんだ
車は渋滞するからな ガソリン代も上がってるし
エコの時代って要は人間の時代なんじゃないか?
....
僕はいつも笑っていよう
君がそれを知ることはなくても
僕はいつも傷を受けよう
君がそれに気付かなくても
君が少しでも楽になれるなら
僕は君の為に生きる
いつか気付か ....
師匠に誉められた
一門は大切にされる
言葉の大切さを
再確認する
師匠に誉められた
信用してくれている
愛されている
守られている。
師匠に誉められた
仕事の事を話す。
凄 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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