あなたがなげた 紙飛行機。
十一月の 校庭で、
ふわりと浮いた 魔法みたいに。
飛べ! そうあなたが命じると、
あっというまに クスノキの、
いちばん上の 枝より高く、
もっと高く 舞い ....
雷雨に押し流され
夏が終わる
爪先に染み込む雨水が
一層惨めな気持ちにさせる
選べない選択肢は
捨ててしまいたい衝動に駆られ
捨てきれなくて
また抱き ....
黄昏色の空の果て
ひとりっきりの帰り道
誰を待っていたのだろう
誰を探していたのだろう
電信柱の長い影
淋しいようと風の吹く
黄昏色の空の果て
家路をいそぐ鳥の群れ
どこへ行くとい ....
その夕方は
台所のテーブルに
向かい合って座り
母は
きんぴらにするために、ごぼうを
笹がきに削いでいた
わたしは、その灰汁で黒くなった指の先、手を
目の中に映し撮りながら
小窓か ....
「その道の天才になる! ソネット組曲」
こどもたちの可能性を開くには
どうしたらいいだろうか
あのピチピチした若鮎みたいなこどもたちの
個性を開くにはどうしたらいいだろうか ....
僕には
あの風の向こうに置き去りにしてきたものが
いくつもあって
ちゃんと置き去りにしないようにって
思ってても
気が付いたらいつも置き去りで
ある日
ふと振り返ったときに
思 ....
{引用=
【パンばかり食べていると外国人になる】
}
昔
こぐま印のしょくパン
という名称の食パンが
近所のスーパーで売られていた
近所の小さい食品工場で
おばさんたちが手作りして ....
すみまセーん
神が通りマす
どいてくだサい
ポロポロピーンと縛られて
道しるべに立つ変態を
北へ北へと行き過ぎて
月の音も通り過ぎ
神はそこにいたのでス?!
星をあがめテ
....
今夜は涼やかになめらかな夜
でも私は燃えさかるものを見たくて
強い酒を二瓶あおってあとは行き場のない妄想力を
総動員すれば少しの間火が吐き放題になるんじゃないかと思い立ち
すぐさま ....
水面に
拡がるカァテン
一つ
二つ
三つ
割れる
俺は今
間にあって
どうしたものか
思案する
俺の脚は
久し振りの故郷の質感に
くつろいでいる
俺の ....
想いたいから想うのは個人の自由の範囲内。
だから貴方を愛した。私だけのご都合で。
だけど見返り求めるのは私の自由の範囲外。
それは貴方の権利。だから拒まれた。
恋、なんて厄介なもんは禁止になっ ....
不条理
やさぐれた雨
やわらかな蔑視
指摘する罠
飛び火
悲しみの連鎖
無限階段に落ちてゆく
最後の審判は途切れ
後悔だけが
のこる
海進、海退、
海峡は境界だけど
ブラキストン線なんか越えていこう
ヒグマおいで
ツキノワグマお行き
キタシカもキタタヌキも
ニホンキツネもニホンタヌキも
オオルリシジミもオオルリオサムシ ....
七人 に 天空 と 無名 で 起ち
あらがいがたき 正午 を 周囲 を 迸り 位置
とびのくやうに 最初から 生存スルハズ の ....
柔らかさ で 時点 は 成長 を 聞き分ける
近い 斜視 で 髪 は 抱きながら 喜劇
垂直に 重すぎた 眼球振盪 が ....
あなた も 光の中 を 網膜剥離 が 抱きながら
針のやうに 肌 には 意志 の 這う 活動
シカナイノダ とてもきれい 「寝かせてください ....
きょう
ウルトラマンに会ってきたので
ぼくは なにも考えられない
たあくんと 暗がりで手をつないで
ウルトラの星を 映画のスクリーンを
ふたり 見上げてきた
あきらめなければ夢 ....
三年間
そうしているように
病院に行った。
コップ一杯の
とろみ茶を
二時間かけて
きみは飲み、
歯磨きをし、いつものように、ぼくが磨き。
病室にもどって
ベッドに寝かされ
....
「本日のニュースです。
人間は遺伝子レベルで利己的であることが判明しました」
百万人の顔をモンタージュして出来たような 笑顔 のニュースキャスターに、
「ぼくら全員利己的で、
それで ....
「明日また暑くなるんだって」
そう聞いて
軽くため息
あれ
名残惜しかったはずなのに
夏の夜風を懐かしみ
秋の彩を待っている
身勝手で欲張りな私に
渡してく ....
選ばれた僕に使命など無い、と
君はまた飯事を始めている
権利なら失う前に捨ててしまったよ、と
笑う君は、僕の目に映らない
いつも通りの無言が
君の体温を下げていく
たった数年前の秋 ....
最近ずっと来れなくてごめんね。
オードムーゲも、結局洋ちゃんに買わせてしまいました。
すいません。使えん娘で・・・・。
久しぶりに顔が見れて嬉しかったし、
また頑張るぞパワーをもらったよ。 ....
9月
誘われるままに海辺で酒を飲んだ
日ごろそんなに興味の無かった同僚の女の子だ
何やら海で酒が飲みたい、だから付き合えというので
暇だったから付き合うことにした
海は夏が終わって泥 ....
掴もうとしたらただの空気だったみたいな徒労感でフリーズ
ドライな心は針でつっつかれて爆発して粉々で愛を頂戴と叫びながら空中で光を乱反射して
きらきら
本当はポ ....
*
黄昏のおわりの瞬きに、大いなる怒りにみちた光の星雲
が交差しあう天蓋にむかい、傷ついた男たちが大声で叫
びあう。その声に応じて晴れてゆく天空には、たえず
うつくしくしみわたる遠い霧のような ....
気のめいる商談まで
まだ時間があったから
崖の上のポニョにはいった
宮崎駿は
テレビで見た風の谷のナウシカいらいだ
このふたつしか観ていないのに
なんだかこんなこと ....
交差点を通り過ぎる。西新宿、この水を。
気づいた人は耳を塞ぐ。
突き上げられた、虚勢。無視する、声を。
波紋の役にも立たない、この水を、
流す川が見当たらない。集める川が。
コンクリートの下 ....
夏休みぼくは
叔父の自転車のうしろに乗って
少年将棋大会に通った
叔父といっても
いま思うとまだ20代の若者だった
叔父は近所の中高生を呼んで
自宅で家庭教師みたい ....
いったい
緑いろの孤独とは
なんであろう
アメリカ人の抱える
孤独感
ホッパーは絵画のなかでこれを
普遍化させた
死をベースとして、
すべてを同質化 ....
それは何処か
消化不良の感情に
少し似ていた
不恰好に千切られた{ルビ蒟蒻=こんにゃく}達は
それぞれの皿に逆立ちして
晩の食卓に並んでいた
4090 4091 4092 4093 4094 4095 4096 4097 4098 4099 4100 4101 4102 4103 4104 4105 4106 4107 4108 4109 4110 4111 4112 4113 4114 4115 4116 4117 4118 4119 4120 4121 4122 4123 4124 4125 4126 4127 4128 4129 4130
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