わたし、さかな
あなたの前では息もできない
それは言いすぎかもしれない
だけど夜になると
淋しさを呼吸するわたしは
誰でもない一匹のさかなになって
どこまでも
きっと、どこま ....
全てを手放した僕は自由だった
そうして彼女を両腕でつかんだ
抱きしめる
あても無く
永遠にさまよう為に
幾度と無く
愛する為に。
寄せて返す
大きくも緩やかな
原初小さきモノを抱きつつ
命を生み出す揺り籠
寄せて返す
ゆ〜
ら
ゆ
ら
青く豊穣にして ....
ひこうき雲が落ちた先の地平線の向こうではきっと
沈みかけの太陽に墜落した機体が静かに焼かれていて
壁の端のほうに逆さまに貼付けにされたヒグラシは
僕らを横目にそんな空を見下げながら一日を嘆いてい ....
かなしみを
おもいだすために
すぼめられる
唇から
洩れる
外国の うた、
....
食べものが
食べものでなくなるとき
食べる
行為をあきらめた
音がする
音色と音色が音もなく
鳴るとき
卵が割れたり
割るしかない朝が
人の意識に
訪れる
手旗を振った!
宵闇は暗く危険が多いのです
石蟹が横断するのをただ待つ
彼らに色を認識する神経はない
待ッタ!
ほら止まれ!
そこの泥酔者
累積レッドを三枚課すぞ
....
もう会わない人たちが
改札を通過する
昨夜知らない人たちと
あんなに
飲んだはずなのに
今朝はやけに顔のない
彼らの名前を
だれも知らない
覚えてるかい
自転車二人乗りで帰っていたあの日
夏休みの部活帰りだった
突然の雨を避けてバス停の小さな屋根の下へ
でも荒れる風に屋根は意味を成さず
どうせ濡れるならと
土砂降りの中へ
制 ....
「はじめまして。」君の口からその言葉が紡がれるのが
怖かった
君を見つめていた時間がすべて
君を包んでいた空間がすべて
君を中心にしてまわっていた
僕の幻想が
壊れてしまう ....
夕焼け色のワンピースを縫って 黄昏のサッシュをしめている
菩提樹のこずえに 白と黒の猫が座っていて 夕焼け色の目をしてこちらを見てる
あの日いえなかった言葉
心の中に渦巻いて
今はもう
後悔しか
甘いアルコォルを摂取しすぎて
おなかを壊しました。
毒とは甘いものかしら、と思います。
夕べお隣で飲んでいた
おにいさんの顔が思い出せません。
モザイクかかったような人
私のような
....
拾った小石を
大事にしまう
忘れないように
名前をつけてみる
たった
それだけで
魂が宿る
いろんな空が
ひとつの空で
暮らしてる
言葉もなく
言葉ばかり集めて
あの頃
僕は
何を見てたんだろう
こんな空がある
あんな空もあった
そこで
暮らした日々よりも ....
で・ん・き・の・こんぺいとー
にゅう・どう・ぐも・から・ざーらざら
だ・れ・か・が・おーせーんーべ
ばーり・ばーり・たーべてる
ざーば・ざーば・アスファルト
なーつの・ほこりが・あらわれ ....
九歳のときに父に犯され
十一のときに母親を撃ち
十三のときに車を盗んで
十五のときに国境を越えた
シンディ
油とゴムの匂いがする
後部座席がいつもの居場所
二十の年までに
....
どんな味がするんだろ
塩焼きにしたら美味しいのかな
唐揚げにしたら胸がやけそう
なんだかそんな気がするよ
どんな形をしてるんだろ
ストラップにしたらカッコイイのかな
リングにしたら ....
潮騒が耳の奥でいつまでも鳴りやまない八月も
半ばを過ぎて
レース糸を通したように陽光が柔らかくなる
ヒグラシもそろそろ日の目を見たくなるだろう
「おまえを必ず守る」なんて言葉を
いと ....
必要 必要じゃない
大切 大切じゃない
好き 好きじゃない
君と僕の接続エラー
日常茶飯事接続エラー
「原因は不明です」
だって説明書には載ってない
それ ....
奇跡みたいな陽射しの中を
僕ら目を細めて歩いていたね
陽炎が揺れていた
君は隣で微笑んでいた
思い出せなくなった匂い
あの夏は今何処に
喪失というサイレンが僕を惑わす
夕間暮れ、呼び声は遙か彼方
きみのこえ
きみのこえ
きみのこえがする
ぼやけた部屋の片隅で泣いているのは誰なの
きみのこえ
きみのこえ
....
「太陽のように明るく光る子になりますように」
三姉妹の名前は
名付けられる
三姉妹は
保育園だけ私立に通う
それは学費が安くなったかららしい
白い肌で明るい髪のイエスの像に ....
ふとしたときに霞める奴の殺気は冷えたそれではなく、それはとても蒸し暑く、私のちょうど下唇から喉仏までの皮膚を後ろへとなじるようにして過ぎ去った
雨の上がった暗い路面にまるで絵の具のにじんだように乗せ ....
El Dorado
黄金郷なんて
エルドラドなんて
私は要らなかったのに
エルドラド
エル・オンブレ・ドラド―エルドラド
黄金郷の伝説を、兄と父は完全に ....
一人歩き出す。
不安も期待も
背負って歩く
足をずって歩く
この思いを
胸に夢中に
生きる。
苦しい思い
ゆっくり落ち着いて
話す。
感情的にならず
冷静に。
なんで
空って青いの
しくみじゃなくて
理由が知りたいんだよ
でもそれは
なくっていいんだよ
答えは
なくていい
ぼくは考えていたい
悩みにも似ている
だからすぐ悩む
だけど ....
あなたの笑顔が
そうだな、あの異様なほどに青い空で
かき消されてしまうんじゃないかって
思うよ
記憶が
すりかえられていく
過去が
今に も
闇 は闇だ
もがいてももだえても闇だ
いかなる場合
でも
闇だ
今までは そうだった
光の類義語である闇に対して深海と太陽が協議した結果光と闇を同義語とするこ ....
早朝
鍋のお湯 ふうふう沸騰
畑 ひんやり
触るとちかっ 白い粉吹いたきゅうり
キュピキュピの茄子なす 路地トマト完熟
鬚が焦げ茶のとうもろこし とうもろこしは足ばや
きゅうり ....
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