郵便局に車椅子に乗ったおばあちゃんがいて、
ガムテープで段ボールに蓋をするのをぼくは手伝った。
得意気な気持ちで車を走らせていると、警察に捕まった。
ぼくはシートベルトも切ってたみたい。はい、そ ....
悲しいから
泣きましたら
そっと
母は抱いて
くれました
あぁ
温かいなあ
と思った
時には
もう遅く
私は冷たく
なっていくのです
母の手で
ゆっくり
ゆっく ....
ニックネームしか
なかったら
人の名前はなんだろう
ニックネームしか
なかったら
名前以外が人になる
ニックネームしか
なかったら
あなたの
名前を呼ぶ人と
同じ ....
疲れ果てた大地に雨が降った
染み込んでいく一粒ひとつぶが
次第に流れを作りはじめて
大地の顔をぐしゃむじゃにしてしまう
泣いているのか死んでいるのか
わからないような崩れ具合で
少し不安に ....
人と
人ではないものが
遠く
電車の音に
秋を知る
かわいた肌を
懐かしみ
風を舐める
ふみきりの
音が止む
くしゃみしてる
静けさの向こうで
人恋しく
こおろ ....
きちんとした襟の
背の低い男が
背を丸くして立っている
教会の門の前
指先の
薄茶けたしみと
視界のかしいだ
米が落ちている
祝福の
後先に
三本目のつえが
....
B列車で行こう
一つ前のA列車は
もうとっくに発ったから
B列車で行こう
ひとつ後ろのまたその後ろの
A列車に何回追い抜かれても
バナナトレインで
バナナシガーくゆらせながら
....
削りカスが飛散すると共に
針に光沢が戻る
ぎざぎざの淵がついた葉に差し込むと
一瞬抵抗した後屈服する
雪に墓標を立てる
片栗粉のような景色のなかに虚ろに佇む
立てられた ....
砂漠に
雨傘が開く
長い人のように
午後だけが
遠くまで見える
行方のない自転車は
ふいにとまり
やがて
ぼんやりと朽ちた
それから一年たった
橋から見える
盲腸のような川は
廃虚の「風景」に
なり切れず
何も語らない
どこかで
一人はしゃいでいる
語り過ぎる風景
が過ぎて行く
昼下がり
....
永遠に交わらぬはずの者同士が
交わろうとする
水と油
そんな感じで
高温にまで熱せられた油は
邪険にも寄せる思いを弾き飛ばして
ふつふつと
行き場の無い怒りに震え ....
緑の芝生が
どこまで行っても
まあるい天体を覆う
銀河に浮かぶ天体は
どれも薄ぼけていて
白くてまあるいおばけみたい
星々の間をすり抜ける光
ゆらゆらと揺れて
すう ....
人工衛星ボイジャー
忘れられた記憶の中で
知られていない宇宙の中で
僕らは生きている
僕らは動いている
任務を乗せて
言葉を乗せて
いつか会う「ダレカ」の為に
....
あたしの夜が
無重力になった夜が
球になって
落ち着くことも
弾けることもできず
あたしのすべてを包もうとしている
のに
あんたにゴクりとされれば
いいのにと
ちょっとだけ
....
雨で濡れた靴は、履き心地が悪くて。
靴を脱いだ。
誰も来ないこの場所で、靴が乾くまでここに居よう。
あぁ、僕はひとりで何をしよう。
もし、君がここに居たら、どうしようか。
....
傷つく時
人は陰口を言う
傷つく時
人は反論する
弱い犬は吠える
代替案も持たずに
自分は正しい
自分は標準人と思う
標準が正しいものではない
特殊でも正しい事もある
記憶 ....
真っ赤な真っ赤な
たいようの
帽子をかぶって
おんなのこ
白くま探しに
やってきた
すずしさのシズクもらいに
おじょうちゃん
あぶないよ
食べられてしまうよ
赤い帽子の
....
いつも僕は鮮やかでありたいのに
何色かの惰性を塗り替えていくだけで
夢は楽しいものでしょうか?
机40個ぶんの出鱈目と強がり
夢は素敵なものでしょうか? ....
「お早う御座います、お兄様」
内側で弟が目を覚ましました
外に出たいと心臓に針を刺します
「もう少し待って。あの木陰に行かせて」
傍から見れば奇怪な姿でしょう
何時から弟が
私の中に棲むよ ....
僕の名前は皆月零胤 でも名前はまだない
多分それは小学五年の夏休みが折り返した
そんな時期だったと思う
空き地の隅には僕たちの秘密基地があった
それはホームレスのビニールシート ....
鈴虫に嫌われた
鈴虫に嫌われた
深夜起きられん露
西高東低
蛍光灯羽織り二代目
またたびのネグリジェ
大根抜く
大根抜く
返さんでいいから舐めさして
イチョウが凍み ....
灯台は
海をさがしている
それゆえずっと
船にすくいの
手をのべる
灯台は
自らの眼を
ながらく持たない
おのれを見つめるものたちの
ことばの向こうを
....
蟹を食べたまま溺死して居る男に話しかけると急に走り出したので驚くままに追いかけて行ったらそのまま男はフルマラソンで優勝して表彰台に上がった
授与された瞬間男は空中にぶら下がり念仏を唱え始めた
念仏 ....
どうして人は
独りになりたいと思った時
海へといくのだろう
あの人を忘れたい
早くあの人のことを
できるなら
出逢う前の私に戻って
....
どうぞ殺して下さい
貴方の手で
いいのです
もう無駄な生命(いのち)を
どうか終わらせて下さい
その貴方の手で
貴方にだったら
構 ....
君は父を求めている
僕は姉を求めている
君は僕から父性を取り
僕は君から姉を存分に受け取る
僕は君より年下だし
もちろん父ではない
君は僕より年上だが
本当の意味で姉にはなれない
当た ....
海を見ることもない日常と夏日がとぎれなく続き
あまりの終わりない暑さに
もうすぐ夏が終わってしまう
という感覚も続いた
季節は一日で変わることもある
どこかで聞いた言葉だが
ほんとうに ....
いつまでそこにいるつもりだい?
写真を破りながら
思い出を殴るような
身体の中から消す作業は
苦痛の先を感じさせる。
理由を捨てて
やってみちゃえばいいよ。
自分から逃げずに
でも
嫌になったら休めば ....
まあ 夢の話だ
乗り過ごした成人式を
だいぶ前にすませたやつが
不意に眠り込んでしまって
夢を見て
目が覚めても
こわさからは覚めきれなくて
夕方だったはずが
真っ暗なんだ
消し忘れ ....
4084 4085 4086 4087 4088 4089 4090 4091 4092 4093 4094 4095 4096 4097 4098 4099 4100 4101 4102 4103 4104 4105 4106 4107 4108 4109 4110 4111 4112 4113 4114 4115 4116 4117 4118 4119 4120 4121 4122 4123 4124
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
7.53sec.