訳もなく
わきあがりうきたつ
午前のこの時間、この一時
わたしはひたすら
しずかなよろこびに貫かれ
無言でひろがる青空をみる
いつか、
この空の青みに
雷鳴が轟き
亀裂が走る ....
人間は脳の10%しか使っていない
なんて
言われてきたが
最近の研究で
脳は常にその100%を使っている
という事が明らかになった
とはいえ
記憶の存在する場所が
脳の中
....
五十鈴
湊
豊受
かわたれ時に片割れを
朝月になぞらえて
あれが上弦なのか
下弦なのかもわからないけど
片目を閉じる疼きと
左手のしびれたような感覚に
ため息をつく
....
土手の
草木が揺れている
熱い風が吹き
彼岸花はまだ咲かない
夏の後ろ背を追いやったはずの
秋が
今日一日、夏の再来に追いやられ
せめぎあい渦を巻く
木霊が
生来の不安と恐怖と孤 ....
猫に従って公園で雪を焼いた
こうばしく焼けてて繁昌だ
冴ない流しを伴った年若いパ・ドゥ・シャ
やがて霧を映したバロネ
あわい谺に教わり月を結びつけた糸を裁つ
しぼまないで、泣かないで、真 ....
「そんなものが、この地に満ちているのですか?」ヨランが愕然とした。
目に見えぬ生命があるなどと、ヨランは理解できなかった。
しかし、科学が崩壊する以前の文明であれば、それは当然の話だった。
「こ ....
「あなたはなぜ、『言語崩壊』を引き起こしたのですか?
エランドル様。それによって、人間社会が滅びることなど、
分かっていたでしょうに?」──この時のヨランは、探求心を満たすというよりは、
世 ....
「そうだ。わたしは世界だ」──オーマルに憑依したエランドルの声が言った。
「エランドル様。あなたはいったい何をお求めですか……?」
ヨランは、その一言一言が、何を招くのか、といった恐れに苛まされな ....
埃臭い上着を着込んでは
空の力におちていく
少しずつ
少しずつここへ
どうしてもぼくは
火が両拳をつつみこむ
確かなものだけが
確かに応えようとする
くるくるま ....
完全な笑いと共に生きた
突然身悶えするほどに
心は立派な大人だと思えるのだ
いつかお前もまたおねしょマン
誰かの無知なひとことが
懐かしいほど嬉しい
旭将軍、哀しいね
信じちゃえる心 ....
二〇二一年十二月一日 「夜の大海の中で」
ヤフオクで落札した、グレゴリイ・ベンフォードの『夜の大海の中で』が到着した。画像で見た表紙の傷は仕方ないけれど、本文はきれいだった。本体190円+ ....
少し芯のあるパエリアを
何も言わずに食べる
失敗は復唱しない、
一度失敗したら、
もうそれで良いのだ
失敗は、
天国への階段だから
半年がすぎて
さあ、
もう一度パエリアを作る
....
何故惹かれるのかわからないので、私は引き金に指を掛けています
何故私のものにしたいのかわからないので、さっきから扉を開けています
わかってしまうことからずっと逃げているのです
私は泥棒です
貴 ....
三日も止まない雨
時々全部夢だと思う
戻りたい頃があることに驚く
どうせ血の塊
形があって何か考えてられる方がおかしい
生きとしいけるもの皆
間違えた道の一例に過ぎなくて
何故心臓は ....
永遠のとなりに住む
たわいない話を
気が向いたときにだけ
永遠は永遠だから
こちらのことなど気にもとめない
回覧板を届けに行っても
ゴミ捨て場で挨拶しても
忘れたような顔をしている
あ ....
さてそろそろ
この場も卒業かな
なにせ
投稿した詩のほとんどが
いつも
TOP10を飾っているのだから
TOP10を見るたびに
自然とわらいが
こみあげてくる
気 ....
豚一殿の今晩の
夕餉は何の花が咲く
桜は生姜と甘口醤油
....
そう、私にはもう、あまり時間がないから、
伝えて欲しい
私は、乱れ、渇き、騒がしく
どこへ行きつくのかしれない、嵐だった
だから 私の生は、私の次の生は、
穏やかな静寂に満ち ....
六十を越えたので
会社の再雇用制度を
利用している
もうボーナスは出ない
仕事も閑職しか与えられない
六十五まで
そう、年金が貰えるまで
邪魔者扱いされても
しがみついていくしかない
....
躍動するこの魂は
年若くして老いた魂を後にし
悦楽に浸った青い春を
遥か飛び越え
美しさと残酷のセカイの深みへと
闇に包まれ入っていく
とおい、とおい
遠いよ
澄んで湧き出る泉の底 ....
痛み
香り
茂み
転倒しそうで、転倒しない、てんとう虫。
背が裂けてわれ、血がふきだすかと思いきや、
背中はふたつの羽となり、身はかるがると天に舞う。
そのようにして文字虫も 裂けて詩へとなればよい。
重か ....
「お待ちください、アイソニアの騎士様。そして……、
エランドル・エゴリス様」盗賊ヨランは、その時うやうやしく首を垂れた。
そのヨランの振る舞いに、アイソニアの騎士たちも疑念を抱く。
「おい、こ ....
「ふん。世界だとか何だとか、そんなことが世迷言であるのは、
俺の経験が教えている。お前は、女だ。男の声を発している女だ。
俺は、その影に隠れた事実があるなどと、信じはしない。
化けの皮をは ....
「わたしには、かつて愛している者があった」──その声の主は言った。
今、オーマルは単なる傀儡に過ぎなかったのだ。
その声は、世界の秘密を明かそうとしている。
「今、汝らの時と、我の時とは合一する ....
私はもしかしたら人ではないのかもしれない
人と人の間に存在を許されるのが人間というものならば
私は人間ではないのかもしれない
私は人と人との関係性の中で生きてはいないのだから
それならば私はい ....
でたらめで、バラバラで、どこからでも飛んできて、どこへでも飛んでいく、そんな君だったけれど、君を構成する粒子は少しずつ君自身の色を帯びるようになってきた。
めちゃくちゃで、ぐにゃぐに ....
晴れの日なんてキライなくせに
雨が続くと気分が滅入る
陽の光を浴びるなんて
似合わないと分かっていても
たまには光合成が必要だなんて
ヒトのくせにおかしなことをいう
清々しい青空には
苦 ....
青が開ける
まっさらな朝の空
光は弾け
わたしの心は静まり
魂の均衡と調和のうちに
世界のすべてを受容する
歩き過ぎる若者、ひらいた本
咲き誇る花、杖つく老人
みんなみんな ....
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