曇った二時過ぎの桁下二・五メートルと、ダックスフントを探してる電柱の辺りで思い切り転んで、夏になる前、厚着をしてるホームレスから目を反らしてふくらはぎを撫でた。傘、忘れてる。高架下を薄く照らした携帯電 ....
かなしみをうすめれば
じんせいまでうすくなる
誰かが笑った顔に
誰かが笑った分だけ涙する
それは素晴しいことだし
それはとても悲しいこと
急な坂道を
老婆がひとり
のぼってゆく
過去からの滑り台を
逆にのぼっていく
小高い丘の先は見えない
赤いものに追いこされても
老婆はいつまでも歩いてゆく
後ろ姿しか見えないので
ど ....
まわりはなぜかカップルばかり
おれはいちばんでかいテーブルでひとり
ちょっとさびしくなるくらい辛くない
発作的にはいったインド料理店
きょういちにち
小骨がささりまくって ....
真夜中の公園
テニスボールで
手遊びしながら
魂の友と話す
吸い込む息だけが
あまりに冷たいので
骨がひやりとする
電灯が月より明るく
ブランコを照らし
静かなので
女の声は ....
少女である
ということが特権であった時代は過ぎ
少年である
ということが特権であった時代はもっと前に過ぎ
いまや
少女でもあり少年でもある
ということが特権であるかどうかも怪し ....
たとえば夜道を歩いているとき
たとえば駅の雑踏のなかで
たとえば花火のコーナーで
たとえば鏡のなかの自分を見て
男が女を愛するとき
When a man loves ....
やせっぽっちの捨て猫だった
ミーミーないていたのでミーと名づけた
小雨が降る桜が散ったあとの公園だった
とても弱っていてミルクも飲まない
指先にミルクをひたして唇に寄せた
かたく閉じ ....
有給休暇って
いてもいなくてもおんなじってことかと
でんぐりがえってみるも
着地したことがない
居留守を決め込んだつもりが
嗅ぎつけられ
つむじの位置を見失う
夜な夜な蛙が鳴いている ....
重そうな黒い カバン
文字だらけの書類
読みかけの本
手垢塗れの手帳
着晒しのスーツに
疲れた革靴
前に立つ凛とした女性の
黒髪の戯れ
ガタンゴ ....
それが春だ
という頃にはもう夏になって
そんなこんなしているうちに
どっかに秋を忘れてきた
まだ名前も知らない君の
笑顔がとても優しくて
真っ赤なりんごのような
とぷんと暮れた空 ....
現代の時間を
顕微鏡で見てみようとしたが、
とてもだめだった。
ミジンコがうつってるだけだった。
おれは白い服を着て
学生に無視されるのが仕事だ
黒板からまいあがる、チョークの粉で ....
地底に解があるのだと思います
というのも、三ヶ月放置いたしましたこの頭髪
その頭部はともかくとして、首のところのえりあしのこれ
思考線と言うのでしょうか
毛髪の途中から伸びております ....
あの虹を掴み
僕が先に走りだそう
疑いながら
わからなくなって
疎外された心は置き去りに。
自分だけが知っている
過去を暴き出し
無くしたものを
忘れないために。
止 ....
キミが元気なら
それでいい
会いたくなかったら
それは
それでいい
人生いろいろあるさ
楽しいこともあれば
辛いこともある
時には
辛いことが重なるかもしれない
そんな時は
....
生きるんだ とにかく生きるんだ
生きるっていいことだよな 違うとは言わせねえぞ
希望も絶望もちっぽけなことでとにかく生きてりゃいいんだ
生きることは俺の可能性だ
生きることは現実じゃない 生き ....
納豆みたいに糸を引く
夫婦になりたい
なんてプロポーズはなかったが
ふと気づいたら
一緒に納豆を食べている
夫婦が糸を引きながら
そんな話をしてる
空色が聞こえる
カーテンの向こうの天体
の数を数える
白いのがひとつ
銃声がふたつ
イエスタデイ
と呼ばれはじまる今
カナビスシード
密の味のする
マイナス三度
....
さるもすべる空のもと
街路にさるすべりの木
つよい色香を
はげしい陽光で
まっかにむれた
花群
あこがれの女優が
かいまみせた
きゃしゃなうで
さわってはこわれるような
すこしめく ....
エスカレーターの上りと下りがすれ違う瞬間キスをする。
それぐらいドキドキしていたいの。
でも、あなたといると
二人きりのエレベーターの中でSEXしてるみたいだわ。
「免許を取るには、年齢位の金がかかる」
誰かさんが言ってた通り
33歳にして33万という金を
母ちゃんは惜しげもなく貸してくれた
二俣川で筆記試験に受かり
初めて免許を手に ....
引越し前夜、きみの部屋の合鍵ゆらした
僕があげたポスターゆがんで
僕のハブラシなくって
僕のねていた枕が
ころがっているね
きみの笑顔もゆがんで
次の約束もないまま ....
きみと同じ名前も愛す
きみに似たよな誰かを愛す
きみを好きなあの子も愛す
きみのよれたシャツすら愛す
きみが見た景色を愛す
きみが遠くに行ったとしたって
そっけない ....
愛し愛され
選び選ばれ
妬み妬まれ
振り振られ
純粋すぎて
こわれそう
反応が早すぎて
見透かされる
ポーカーフェイスが
できない。
嘘がつけない
でもこれもアリかも!
....
夏の終わりにふりしぼる
みいみい蝉の合唱が
街路樹の緑に沁みてゆくのを
鼓膜に吸いこむ散歩道
空き家の庭に独り立ち
{ルビ叢=くさむら}に{ルビ項垂=うなだ}れる枯れた向日葵の ....
都会の隅
ライオンが吠える
地響き
鳴り止まない豪雨にかき消されて
泣き出すテルテル坊主
薄い口紅で線を引く
とりとめもなく流れるメロディー
この光で走り出す ....
サボテン
針に触れる
ちくり
流れる赤い液体
すくい取ってなめた口先で僕にキスをする
忘れられないのなら
薬を求めて彷徨う野良犬
自分の写った鏡を割り
....
硝子に押しつけた
こめかみをたどって
冷たい雨がしたたる
降車ボタンは
どれもかなしく灯りそうで
斜めに落下する、指先
目的地なんて
最初から
あるようでなかった
オクターブ ....
空がショートする
その音を聞く
男
湿った空気に曝され
紫煙を吐きながら
亡霊のように
立ち尽くす
ベランダで
舗道を歩く影を
見る
傘は歪み
稲妻が空を裂き
一瞬その ....
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