緑陰に目をこらしても
あるのはハンドメイドみたいな葉と
縫いかけの葉脈だった
ぼさぼさポニーテールの女子高生が
自転車で脇を通りすぎた
うなじからラム酒のような香りが
ひとつの束となり ....
時間がたち
クリームの底がオレンジ色に発火している
そのオレンジ色を知っていて
西 って…
はじまらないけどそこにある
夕焼け なんてとめどない が
その うち おえてしまう
....
ここが好き
机と本棚の少しの隙間
すっぽりはまって
ほっくりゆったり
ここが好き
縁側に干した布団の上
ぽかぽか陽気に
閉じたまぶたで
視界はオレンジ
ここが ....
揺るがない自分であると信じること
それが「自信」
相手の言葉を見聞(けんぶん)すること
それが「謙虚」
心のうちに秘めるべきもの
それは「信念」
黙して行うべきもの
そ ....
何か掴んで
握りしめた手
開くことさえ
できない僕は
プライドだけに
腕を通して
いつものように
服を着替えた
行き先書いた
破れた地図も
部屋のどこかに
忘れたままで
....
悲しい夜はふけていく
明けない夜はありえないと
やさしい現実とは無縁の今夜
輝く太陽は昇らない
錆付いた鍵すらなくしてしまって
出口をなくしてひざを抱える
浮ついた心がすべてを恐怖 ....
080917
知恵の輪を潜る
2回転すると
どこからか
ほうという微かな溜息にも似た
歓声が沸いた
低鉄棒がずらりと並ぶ校庭の脇には
教育用の池が作ら ....
そんな曖昧な炭酸水なんかいらない
と あの時は一蹴しましたが
今ならその曖昧さも受け入れられます
大人になった
といえば聞こえはいいですが
ただ こころの中に
白黒つけられない
....
父さんと
楽天の試合を見にいった
けれども本当は
野球よりも球場を一周する
小さな汽車に乗りたかったから
父さんは入場券をポケットにしまって
試合が終わるまで
何度も何度も汽車に乗 ....
君が抱える悲しみと
僕が抱える喜びを
ほんの少しだけ交換しよう
君が笑っていると僕は嬉しい
君が泣いていると僕は寂しい
理由はたったそれだけだよ
涙を流す時は一人じゃいけないよ
....
港町にて箱に入り
眠ろうとしていた
メトロの船が
あなたを連れて行った夜
ずっと見ていた
小さな光
あれから
光合成を求めて
もがいた日々
傷だらけの背中
涙を流す ....
錆び付いた風に
冷たさを感じながら
モノクロームの世界に
まだ溺れていたい
光を閉ざした瞳の中で
描いた欠片が
重なる想いを越えて
静かに動き出した
浮かぶ月へ
舞う花び ....
孤独さえ
きみとなら
欠ける気持ち
だけで
信号は
はずせない
歯と舌と
手とペニスで
きみの肉
喰らった
たくさんの
叫び
月 ....
自分に向けた
自分を壊す 自分を穿つ
攻撃的な感情
首からさげた
危ない正義 追い込まれてく
後ろ向きな感情
勇気が足りなかった
....
午前五時
体内時計が鳴り渡る
目覚めの渚に並ぶもの
幾本ものやせた丸太
あちらこちらと転がして
いやな朝を反芻する
窓の外には
晴れない空
窓辺に歩み寄る
秒針
夜 ....
切断された柔らかい金属の切り口が
うずうずとじくじくと波立っている
それはあかい 赤い 泣いているように赤い
分解された電球の不在に泣いているように
うずうずと そうただの切断面なのに
それ ....
ふりんしてるみたいだね
と、
はじけるようにわらい
おれに
だきついてきた
あなたは
とても
かわいらしく
いきいきして。
しゃしんとろうヨ
シャッターをオートに
おれのみぎ ....
ただ星が瞬くだけ
それだけなのに
ほろろん ほろろん
君が泣いているかのよう
僕も瞬くよ
ほろろん ほろろん
野菜を包丁でちょん切れば、
ひめいも立てずに おとなしく二つに割れる
のっぺらした断面は、手作りのCTスキャン
まな板の上で見えない血がおどる
さびしい時、たまねぎの上でにんじんを切る
....
よくあるはなしに
宇宙をかんじる
たとえば夏夜のおとことおんなに
たとえば秋朝のおとことおんなに
闇のなかにも
光のなかにも
花火をたくさんあつめても
昼 ....
目玉のおやじ(「ゲゲゲの鬼太郎」) の 柔らかさ は おまへ は
円熟 を
引き裂く 決して 猿 が 乗った ....
あなた を 遠視 の たちまち 機能がうまく発達せず弱視となる 外側は角膜 に 勇敢な
少しも 香液 の 自ら は 魚 の あがるな
おそらく ....
ゆるい
ぬるい
そんなものに取り残されると
なつかしい気持ち、した
午前の雨のあと
ひかりよりも重いひかりが
春の砂浜のように広がって
なつかしい
なん ....
― 昼 ―
少年は
せせらぐ川でキラリと光る殺意を拾う
パパ、パパ、僕は力を持ったよ
だから僕を殺さないで!
― 夜 ―
少年は
せせらぐ川でヌラリと光る殺意を洗う
マ ....
セックスしようと思ったのはついさっきで
その相手がいないと気付いたのはもっと前だった
.
昨日スパゲッティを食べた
くるくるとフォークで麺を絡めると
ほどけそうになったので
急いで ....
互いを圧し合う青のはざま
渦が渦を巡る陽の道
空の水たまりを数えている
浜辺の藪にころがる鏡
鏡に空が映ると
鏡は笑った
おまえは
空じゃない
水 ....
泳ぐことはいろいろと不思議だ
泳ぐためには
そこに何かが満ちていなければならない
水でなくてもいいし
冷たくても冷たくなくてもいいけど
なめらかに
位相を変えながら絶えず包み込んでくる ....
父と私は、海の底で蟹を捕まへようとしてゐた。蟹は絶好の釣り餌になるのだと、父は言ふ。釣りを楽しむためには、まづ蟹を獲らねばならない。小さな蟹が何匹も足元を這ってゐるが、触れることすらできない。逃げる時 ....
静寂のかなたの静寂のかなたに
静寂があって静寂となって
政略となって制圧する生活
性格にしたって制約がかかって
契約なされる契約がされる
啓発および計画をなす検索
研鑽または計算がかさ ....
憧れの君の
アドさえも聞けず
ただ顔を真っ赤にしていた
あの子は
きっとどこかに置いてきた
あの頃の私なんだろう。
いつからだ?
こんなに汚れてしまったのは。
いつからだ?
恋心 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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