遠い、
遠い稲光。
何度も、
何度も光。
とりあえずは、
世界の点滅。
点滅、点滅、
点滅。
電池切れ。
でも待っていたい ....
中に隠った空気が窓に当たって泣いている
じっと見つめたボクは聞いた
『何故、其れほど哀しむの』
『私には泣く場所がここしかない』
ひとつの場所しか知らな ....
妹が泣いていた
だいじなオルゴールの中に
嫌いな虫が隠れているという
ふたを開けると
ときどき
キロロンと虫が鳴く
きれいな音のでる
オルゴールの不思議なピンを
折ってしまった ....
ゆっくりと立ち昇っていく煙草の煙を
いち、に、さん、し、と雨が打ち消して
季節外れの、風鈴の音が聞こえる
りん、りん、猫が顔を洗っている
頭の中で
ろいやるみるくてぃーが
湯気をたてて ....
今迄に
幸せのボールを取り損ね
ベンチ裏で独り、涙を手で拭い
辛酸を{ルビ嘗=な}め尽くしてきた
君よ
思い切り
空振り三振すればいい
被ったヘルメットが
吹っ飛ぶ ....
新鮮すぎて盛られた皿の上でなお、ぴちぴちしている鯛の煮物
洗剤で洗われた後、絵の具で鮮やかなピンクに炊き込まれたご飯
を食べた途端、生きている意味がわからなくなって
ちょっと重たかったけれどテー ....
くだらない事で神経をすり減らし
まだ死ぬ気にはなれない
そう
楽しくないのは死ぬ理由にはなり得ない
辛いのも決定的な理由にはならない
自分を心の底から諦めた時
その時初めて死ぬ理由が得られ ....
いつも果物をならべている
腐ったものはないか確認しながら
ひとつひとつのウマさが
きわだちゃしないかと
あわよくば
そう考え
数秒後に忘れる
これは仕事だ
....
冬の継ぎ目を
誰にも気づかれないように
走りさったあの日
あの日は毎年やってくる
それは 玄関の扉を開くと同時に
背中に 過去を想い出す懐かしい匂いと
肩に もどか ....
雑音が聞こえる
鞄の中から
聞こえる声を聞きながら
母は呆けた
雑音が聞こえなければ
昔のような
声で母は話した
鞄の中から
雑音が聞こえると
途端に母は
声を濁らせ ....
追い越せない 届きそうにない
あの影の群れ 冷たい影 あたたかい影
会心の想いを声にした後
やるせない気持ち 優しげな笑顔
明日がくる
追い越せない 届きそうにない
そう
人々の影の群 ....
簡単なことだよ
人のこころを溶かすのは
熱い息でフゥ
ごめんね って
温かいお湯をさ
ありがとう って
そんな眼をして
かたく口を結んで
なにを怖がっているのかな?
きみが言わないの ....
「キャンドルナイト」
肩から力を抜くのが良いんだね。
見よう見ようとすると、
見えなくなるものがある。
深呼吸を五、六回して、
目を閉じて、
静かに瞼の奥を眺めてい ....
恵ちゃんが今日リハビリに来てたけど
髪型変えてて超可愛くなってた
思わずカワイイねって言いそうになったがやめた
横にいた短大生や
巨乳っ娘(ちょいブサ)が気になったからだ
....
好きなところをクリック
いらない詩はたくさんある
マジダセェ 何サマ気取りだよ なぞるな
違う名前の奥には大抵、違う人がいて
大切な、大切な、出来事、思い、感傷、苛立ち、シックハウス症候群、
....
二重奏が聴こえる
ベースとピアノが語らい合っている
たった今、老年のピアノ教師は華やいだカードを引いてしまったらしい
指先からときめいていく旋律が、ベースのコード転回に絡んでいく
熟年のベーシ ....
弱い君でいいんだよ
なぜなら私がそばにいてあげられるから
強くない君でいいんだよ
なぜなら私を必要としてくれるから
弱いってことは強いんだ
なぜなら人の痛みが分かるから
「死にたい」と言う想いは
必死で生きてる私の胸を
嘲笑うように深く抉るの
治しようがないほど深く、深く。
「ちゃんと」生きることは
「普通に」生きることより難しくて
「普通に」 ....
A
趣旨がよくわからない格好をしたあなたは
私の家の前を通り過ぎてしまって
罰が悪そうなのと恨めしいのがまざったような顔で
ちょっと笑いながらこっちを見てたのを覚えてる
慣れてないのがバ ....
ビーカインドリワインド
テレビデオが真っ青な画面を晒している
擦り切れる素振りも見せないテープは
今日で丁度3回目の再生を終えたところで
ずっと止まったままになっている
今この ....
別に今、この瞬間に死んでも構わない
どうせ代わりなんていくらでいる
くだらない人間だ
どうせ私が死んで居なくなっても
一年も経たずに皆さん私の事など忘れてしまうでしょう
そん ....
季節を歌うまい
言葉でふちどらなくても
それは綺麗だから
心を歌うまい
それはひとりでにあふれて
ひとりでに歩むから
問いかけや ....
とっておきのチョコレートをつまんでも
アロマキャンドルの埃を払って火をつけてみても
アイスクリームみたいなコーヒーを飲みに行っても
花なんか買ってきたりしても 却って
気が晴れないときって ....
すなはまにたたずむ
なもなきとり
どこにゆけずとも
りんとしていたい
でもときおりくずれ
すなになる
よるはひとこえ
ろろろ、となく
しずかなうみに
くるふねはない
....
この手の林檎が可愛いので
少し齧ってみる
この手の林檎が可愛いので
もう少し齧ってみる
この酸味はもう秋なのね
喉元に風が吹き過ぎて
秋はどこからやって来るの
秋は私の心から
....
南宮大社まで
S先生に連れて行ってもらった
曇天だった 無風でもあり
細かい水の糸線が
無数にサーッと
間断なく 無音でもあり
微雨が降る
(先生、雨降ってますね)
(淳一君、 ....
何にもない夜に
何にもない男が
何にもせず佇み
空を見上げても
世界は変わらず
そのままで
何にもない友は
それを見て
何も思わず
ただ変わり行く
流れに身を任す
何もない男の心 ....
隣のヘッドフォンから
日常ではない何かがこぼれている
ブラウン管ごしのどこかのニュースが
心に足止めをして ぼくは
ひとつ後の電車に乗った
線路は淡々と続いて
よほどの偶然が起 ....
{引用=するとすべて
こうして、秋が呑む飴色の庭に流れ入る日々
立ち尽くすことはできないから倚りかかると
ステンレスの台がたわむ
窓の
外
暗く黄昏れる湖
刷毛の肩に金のほつれ毛 ....
・
一か月が
余りに速く過ぎ去るような気がして
どうしようもない
服を着替える間もなく
あっという間に秋である
外ではまるで軍隊のように
流行なのか
同じ型の服を身につけた女子が
勇 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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