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砂浜の風が
朝夕に向きを変えるように
君は気分で風を変える
冷めている空気が
暁の光に変色する時
君は急に大人びた表情を見せ
自足の笑 ....
水色ストライプのひさしの向こうに
ぼんやりとした青空が広がっている
目の前に広がる防波堤
空の青が海の青を映したものなら
空気は随分とくすんでいる
陽射しに透けているこの小屋根の方が
....
ねむる、ねむるということが
ぼくにとっては困難なので
さびしいっていう、それだけで
誰かを好きになってしまいそう
・
この世には
かなわないものばかりがあふれている
....
きみに好きって言ってもらえないのなら
ぼくは一晩寝るとしよう
そうして起き上がったときには
外も、内も
きみの家も、ぼくの家も
あたたかくなっているといい
それは
満たされなくて ....
好きかもしれない人は
好きな人になり
好きな人は
好きだった人になり
好きだった人は
苦手な人になり
苦手な人は
嫌いな人になり
嫌いな人は
知らない人にかわって
わたしの体に ....
ただ煙るだけだった。その日もまた、その日までは。
波に揺られていた。眠るように眠り、発生と消滅を繰り返す。
海の胎盤の端、一粒の泡が表層に漂って、夢の内側で空を見た。泡は夢の中で考えていた。
....
僕は弱いんだ。
そう言って助けを求める強さがあれば
きっともっと楽になれるのに
私は弱いの。
そういって泣き崩れられる君のほうが
きっとどんなに強いことか
....
ことばを交わしたあのときから
あなたの姿を探すようになった
さとられないように
勇気をだして見つめた瞳の中
楽園がひろがっていく
みるみるうちに
目を伏せた ....
目を閉じて
って
言われても
いつも
薄目を開けていた
プレゼントをもらう時
キス する時
人はなぜ
暗闇で迎えるのだろう
大切なことを
わたしは
見届けていたいのだ ....
意味もなく
少女のように
泣いている
水面は青い
沈んでゆく
魚のように
さざなむ
泡沫の泉
望む
その先に
暮れる
煌めき
きみとぼくはいまここにいない。
いない、いないから
なんとなく、すきだなって
おもうんだと、おもう。
ほんとうは、ほんとうは
たださびしいって、だけ
なんだと、おもう。
枯れてしまった花を詰め込んだ
荷物を背負って
帰るんだ
うちへ 帰るんだ
野生の花が咲くまちへ
いつか大切だった本が
ホコリの中に埋もれてる
無為に費やした
たくさんの
愛しさと
....
悲しいことを悟られないよう
笑顔をつくっていても
心の中では
雨がふるふる
雨がふる
心に傘をさしましょう
雨がふるふる
雨がふる
すべてを洗い流しましょう
雨よふれふれ
雨よふれ ....
たくさんのくだが
生き物としてひとつひとつ
呼吸してる
反面そこにはいつも
ニヒルな顔して詰襟を着た
兄がいた
たぶん
高校生だった
彼のことを今は誰に聞いても
知らないと ....
信じられるだろうか
バラのえだにバラがさくことを
そこからはじまる
明日の物語を
不信の想いは命の種を闇にうめる
眠れぬ闇に吠えるようにもだえるのだ
大地をうしない長いときがすぎた ....
やるいる貰う捨てるあげるくれるいらないわいるはずないわ
粗末な臓物ぶら下げてシナプスシナプスシナプシス
全国小人便り選手権では己の矮小さが身に沁みたエピソードを
募集中です鍵カッコくんな知るか死 ....
景色を
琥珀色に染めながら
涙のように零れてしまう
煙が風に揺れてる
力いっぱい泣く
汽笛はいつも
理由も知らずに
旅立ってしまった僕らのように
涙をこらえてる
繋がり ....
「ただいま」と「おかえりなさい」が
いつの間にか聞こえなくなった室内で
形式的な仲良しごっこは辛うじて続けられている
夫は職場で妻はエアロビの教室で
ここぞとばかりに不満を吐き出す
食事 ....
水曜日の底に沈む
おだやかな憂鬱を
静かに食む
紅色の金魚
希う{ルビ=こいねがう}
希う
明るい日差し
光はたおやかで
あまり
あまりた ....
ペンの折れた
詩人は
ただの
貧乏人だった。
弦の切れた
ギターリストは
ただの
大食いだった。
鎖の取れた
バカ犬は
ただの
野犬だった。
苦しみっていうよりも
悲しみっていうのかな
そんな石ころが
河辺にごろごろ転がって
そこの隣に猫の親子
みゃーみゃー鳴くから
にぼしをやった
食べかす石ころに置いてった
どっか ....
こんな遠くから云うのもなんだけど、
happy birthday。
出来ることなら、君の耳元で言いたかったよ。
何年先になるかわかんないけど、
いつの日か、きちんと言うよ。
....
月の石を見つけたいならウサギに付いていけばいい。
もしも猫が見ているならそれは僕を観察している。
無いよりあれば良いもの。きっと沢山あるけれど、
あっても使ってないならば埃をかぶって虫が喰う。
....
ルーペ、ちっちゃな虫眼鏡
神さまはサイコロをふらない
でももし双六なら
宇宙は振り出しに戻りますか
それとも、あがったら一丁あがりですか
遠くを見るどんな宇宙望遠鏡よりも
今ある小さな ....
聴力を失ったDJフランキー・ワイルドは
視覚できる振幅を音楽に換えた
超音波は直進性に優れており
音響の異なった物質間の境界面で反射がおこる
受信までの時間を元に物質の位置を計算できる
反射 ....
就学ビザで渡航して行方不明になるひと多い 来たくても来れないひとも多い 足の裏にほくろあるひと外国来れる アンタニハナイヨ 学級で英語の発音一番良くていつも先生にあてられたよ 共産主義は夢教えた ....
片方の眼が見えないと知ったのは母が泣くからだった 《わたしのせい、わたしのせい、》母のよなよなすすり泣きとあれはおまえのせいじゃないよ、父のなだめだけが手がかり 生温い右眼が見えない理由はミス ....
瞬間は永遠。なんて
詐欺師のような言葉を
知ってしまったばかりに
僕は、日々の過ぎ去る風景の
夥しい原色を水で薄める
さみしい習慣病に
罹ってしまったのかもしれない
輝くばかりのもの ....
いなくなった
椅子が、あった
主は不在なのか、と尋ねられれば
沈黙して笑う、程度のことしか出来なかった
混ざり合った
分からなくなった
人は混ざってしまうもの、らしい
心の、底辺の垣 ....
向かいのベッドのじじいよ
貴様は
うるさい
独り言がうるさい
哀れなじじいよ
いちいち「え?」って聞き直すじじいよ
それはおまえに言ってないから
そして看護婦 ....
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