ゆっくりと赤ん坊に返る
その人をわたしは知っている
夫の祖父だ
わたしを、「大きな女だ」と言った、祖父だ
いつも戦争の話をする、祖父だ
布団の上でお絵かきをしていた、祖父だ
初めて ....
ずっと一緒にいたい
離れたくない
私は何が寂しいんだろう
何が不安なんだろう
つながっている感覚ってあるのかな
泣きそう
泣きそうだよ
どうして空しいって思うんだろう
どうして満た ....
真昼に死んだ雀の葬式が埼京線内で行われた
ガタンゴトンと無機質なレクイエムに合わせて
小さく焼かれた雀がタレに漬けられて
綺麗な漆黒の皿に乗せられていた
電気の走った頬 ....
永遠何てないと思ってた。
傷付き傷つけられて
もぅ…ウンザリ
心がそう叫んでた。
時計はあの時間(とき)のまま
ずっと止まったままで。
だけど…ひとりは寂しくて…
前に進まなきゃい ....
太陽
焼き畑の煙りに燻された銀の空
風の音が広がる胸
不意に繋がる記憶
雨雲
キラキラと眩しい朝露と指先の冷たさ
静かに閉じる瞼
雨音に溶け出した糸
夏の残り
線 ....
あぁ、そこから自生するのか
君が手に汗握ったその瞬間
生命線の根っこから
泰然とした風貌で
嘘八百の芽が生えている
緑陰に目をこらしても
あるのはハンドメイドみたいな葉と
縫いかけの葉脈だった
ぼさぼさポニーテールの女子高生が
自転車で脇を通りすぎた
うなじからラム酒のような香りが
ひとつの束となり ....
時間がたち
クリームの底がオレンジ色に発火している
そのオレンジ色を知っていて
西 って…
はじまらないけどそこにある
夕焼け なんてとめどない が
その うち おえてしまう
....
ここが好き
机と本棚の少しの隙間
すっぽりはまって
ほっくりゆったり
ここが好き
縁側に干した布団の上
ぽかぽか陽気に
閉じたまぶたで
視界はオレンジ
ここが ....
揺るがない自分であると信じること
それが「自信」
相手の言葉を見聞(けんぶん)すること
それが「謙虚」
心のうちに秘めるべきもの
それは「信念」
黙して行うべきもの
そ ....
何か掴んで
握りしめた手
開くことさえ
できない僕は
プライドだけに
腕を通して
いつものように
服を着替えた
行き先書いた
破れた地図も
部屋のどこかに
忘れたままで
....
悲しい夜はふけていく
明けない夜はありえないと
やさしい現実とは無縁の今夜
輝く太陽は昇らない
錆付いた鍵すらなくしてしまって
出口をなくしてひざを抱える
浮ついた心がすべてを恐怖 ....
080917
知恵の輪を潜る
2回転すると
どこからか
ほうという微かな溜息にも似た
歓声が沸いた
低鉄棒がずらりと並ぶ校庭の脇には
教育用の池が作ら ....
そんな曖昧な炭酸水なんかいらない
と あの時は一蹴しましたが
今ならその曖昧さも受け入れられます
大人になった
といえば聞こえはいいですが
ただ こころの中に
白黒つけられない
....
父さんと
楽天の試合を見にいった
けれども本当は
野球よりも球場を一周する
小さな汽車に乗りたかったから
父さんは入場券をポケットにしまって
試合が終わるまで
何度も何度も汽車に乗 ....
君が抱える悲しみと
僕が抱える喜びを
ほんの少しだけ交換しよう
君が笑っていると僕は嬉しい
君が泣いていると僕は寂しい
理由はたったそれだけだよ
涙を流す時は一人じゃいけないよ
....
港町にて箱に入り
眠ろうとしていた
メトロの船が
あなたを連れて行った夜
ずっと見ていた
小さな光
あれから
光合成を求めて
もがいた日々
傷だらけの背中
涙を流す ....
錆び付いた風に
冷たさを感じながら
モノクロームの世界に
まだ溺れていたい
光を閉ざした瞳の中で
描いた欠片が
重なる想いを越えて
静かに動き出した
浮かぶ月へ
舞う花び ....
孤独さえ
きみとなら
欠ける気持ち
だけで
信号は
はずせない
歯と舌と
手とペニスで
きみの肉
喰らった
たくさんの
叫び
月 ....
自分に向けた
自分を壊す 自分を穿つ
攻撃的な感情
首からさげた
危ない正義 追い込まれてく
後ろ向きな感情
勇気が足りなかった
....
午前五時
体内時計が鳴り渡る
目覚めの渚に並ぶもの
幾本ものやせた丸太
あちらこちらと転がして
いやな朝を反芻する
窓の外には
晴れない空
窓辺に歩み寄る
秒針
夜 ....
切断された柔らかい金属の切り口が
うずうずとじくじくと波立っている
それはあかい 赤い 泣いているように赤い
分解された電球の不在に泣いているように
うずうずと そうただの切断面なのに
それ ....
ふりんしてるみたいだね
と、
はじけるようにわらい
おれに
だきついてきた
あなたは
とても
かわいらしく
いきいきして。
しゃしんとろうヨ
シャッターをオートに
おれのみぎ ....
ただ星が瞬くだけ
それだけなのに
ほろろん ほろろん
君が泣いているかのよう
僕も瞬くよ
ほろろん ほろろん
野菜を包丁でちょん切れば、
ひめいも立てずに おとなしく二つに割れる
のっぺらした断面は、手作りのCTスキャン
まな板の上で見えない血がおどる
さびしい時、たまねぎの上でにんじんを切る
....
よくあるはなしに
宇宙をかんじる
たとえば夏夜のおとことおんなに
たとえば秋朝のおとことおんなに
闇のなかにも
光のなかにも
花火をたくさんあつめても
昼 ....
目玉のおやじ(「ゲゲゲの鬼太郎」) の 柔らかさ は おまへ は
円熟 を
引き裂く 決して 猿 が 乗った ....
あなた を 遠視 の たちまち 機能がうまく発達せず弱視となる 外側は角膜 に 勇敢な
少しも 香液 の 自ら は 魚 の あがるな
おそらく ....
ゆるい
ぬるい
そんなものに取り残されると
なつかしい気持ち、した
午前の雨のあと
ひかりよりも重いひかりが
春の砂浜のように広がって
なつかしい
なん ....
― 昼 ―
少年は
せせらぐ川でキラリと光る殺意を拾う
パパ、パパ、僕は力を持ったよ
だから僕を殺さないで!
― 夜 ―
少年は
せせらぐ川でヌラリと光る殺意を洗う
マ ....
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