ひとり遊びしてると
きゅうに孤独を感じることがある
ひとり遊び
という言葉を知らなくても
たしかに僕は孤独だった
夜遅くに
父さんが帰ってくる
忙しくて食べられなかった
と言 ....
固く握りしめた
拳をぶつけあうような
ギラギラした発芽だった
街をなぎ倒すような
雨が降り続く深夜
裏口からもぐりこんだ
潰れた小さなブティックのフィッティング・ルームで
言 ....
今日 キミの夢を見た
もう居ないくせに
「いつも見てるよ」と言うのだ
薄曇の外光が窓から入り込んで来て
中途半端な空間を作るので
夢の端っこを掴んだまま手放そうとせず
意識が行った ....
触るとすべてを溶かしてしまうだからみんな
溶かしてしまった
触ると溶かしてしまうから
三日前に投函された手書きの手紙も封を開ける前に
アメーバのように指の間からぽたぽたと
がくりとポストに手 ....
味わう前に
切れてしまった賞味期限
消費して、
何のチカラがつくだろう
それでも、
食べたかったのよ
身体を駄目にしても、
食べてみたかっ ....
*
ずっと泣いていたの?
溜まった水の中
新しい命 光るよ
ここで待ってたの?
不足気味の酸素
だけどさ 少し温かい
やがて ここは海
海になるよ
....
わたしがどんなに折れた線を描いても
きみと交わることはないようだ
なら、わたしはきみの存在を忘れ
線を描くのではなく
点を打とう
わたしは
線を描きたいのではなく
点で描きたかったんだ
....
7月の朝
ピアノのある部屋の
ソファーの上にある
馬鈴薯に
花がついているのを
見た
夜露で濡れていた
そいつを
僕はタオルで
ゆっくりと拭った
馬鈴薯
受刑者のような
放浪者 ....
ピンボールマシンの
メッキボールが
欲しかった
ラムネのビー玉より
重たく思え
それが
なんとなく魅力的で
惑わす鉄のボールは
ゆっくり放たれると
知らない道を駆け登り
ポコンと落ちる ....
『プラットホーム』
月を見てた
満月でも新月でも
三日月でも半月でもない
月
見てたら
そのうち
ぼやけていた
....
冬の立つ前の最後の雨です。
サルビアの花が燃えるように赤くなる。
(巷に雨の降るように)
さびしいさびしい晩秋です。
山ははらはら葉を落とす。
(巷に雨の降るよう ....
好きになってもいいですか
貴方を好きになってもいい?
貴方を信じていいですか
口づけをしてもいい?
貴方の事をもっと知りたい
過去も現在も未来も
好きな事を、
そして私を知って欲しい ....
本当に
本当に
好きだったんだ
愛してたんだ
・・・本当に
世界が反転した夜に
オリオン座流星群が
真横を通り過ぎて
その残像がある ....
トリスタン・ツァラの
傷ついたガラスの翼が
電線にとまっている
厚い黒雲の下
かすかな光を受けて
誰でもない誰かの夢の投影機
初期宇宙のスープの中を漂っていた
清潔な怒りは
未来で ....
{引用=
一 まざり、あう
かぜをすする、と
むねは
しずかさを
とりもどす
むかしむかし
おそらくぼくは
みずうみだったのだろう
かわではなく
うみで ....
真夜中に
「はい、これあなたの分」と
天井から降りてきた手にレの音を渡された
なんで?どうして?あんたはだれだ?
戸惑っているうちに
レがほっぺにくっついてとれなくなった
慌てて救急外来に ....
遠い空とつながったきみが
小さな点になる
それは消失してしまいそうな
さびしい孤独であるのに
ふしぎな水色に輝いている
逆さまから立ち上がるときのきみは
やさしい速度でやってくる
淡 ....
待ち受ける困難や痛み
なんて
わかんないけど
意味も見出だせないまま
正しさと虚しさ
重さ以上に
理解をこえてる。
今はただ憂いを抱いて
枯れた花のように
揺れる時を眺めるだけ
風の色は悲しく
モノクロームの冷たさと
隣り合わせの絶望が
静かに溶けてゆくのがわかる
土が湿り 空をも動かす
....
何でお前はいつもそうなんだって。
そりゃあ、オレはアンタじゃねーからだよ。
人は明日に
明日に何を思うだろうか
今日の続きか
それとも
新しい始まりか
答は風だけが知っている
砂のついたビーチサンダルは所在をなくし
流れ着いたガラス瓶の手紙が
いつまでも私の後を追ってくる
清い螺旋形を描いて落ちていく秋に
いつも尋ねることは
指先の業火を消す方法
白樺の ....
やっぱ、君と僕とでは生きているセカイが違うのに気づいたんだ。
ズレがどんどん大きくなっていくのに気づいたんだ。二人のセカイはぼやけていく。
君はちょっと疲れただけの普通の女の娘。僕は生まれながらの ....
いきて、しぬ。
いきることだけをかんがえても
しぬことだけをかんがえても
必ず
二人同時に好きになる
胸がときめく
最大人数は二人で
最小人数も二人で
どちらがより好みか
考えているうちに醒めてしまう
おいおい
どっちでもいいじゃないか
脈がありそうな方に ....
彼の母親になって
宙吊りの栄光を愛撫していると
日曜日が死んでいた
月曜日は可燃ごみだから
きみの生活を袋に詰める
捨てられていた
卵でわたしは調理をしたけれど
殻に溜まった水が腐っ ....
街が僕を喰らい尽くすから
夜明けまでに気丈な心を買わなくては
働いても働いても胃の袋は満たされないけど
学んでも学んでも空の頭に塵が溜まる
僕は搾取される側の人間だ
恐らく大半がそうなの ....
私は今日も、顔を洗う。
両手で覆った顔を上げて
目に映る何でもない日常が
常に真新しい(今)であるように
*
もう会うこともない
ある人が
いつか何 ....
名前はポチです。拾ってください。
自分で自分にそう張り紙して
座り込んでいたい日がある。
やさしい人
ただ、大丈夫?とだけ声をかけて。
親切な人
封を切っていないコーヒーやおに ....
呼吸を始めてから、にじゅうねんとすこし
手を繋ぐことを夢見ました
実際は並んで歩くこともできない私だったから
もう、きっと、
忘れられているでしょう
呼吸を始めてから、にじゅうね ....
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