だれかに渡した
忘れたいことば
ところで迷子の
君はだれなの
たどたどしいこと言うときに
間近で近づいて
チ カ ヅ イ テ
力になりたくてと
うそをついている
....
ぽろんぽろん
慣れない手つきで 今朝部屋にやってきたばかりの
ギターをかき鳴らしてみる
ぽつぽつ
窓の外をつたう滴に いつの間にか降りはじめていた
雨の和音に耳を澄ます
ぽくぽ ....
marry meは言えないさ
僕らがいくら小さいからって
何でもできるわけじゃない
marry meは言えないさ
言えるのはきっと
大人の世界でちやほやされた
イチブのコド ....
夢をのせて
どこへ行くの
飛行船で
宇宙に行くの
手をはなした
風船のように
一直線に上る
苦しみを乗り越えて
耐え忍ぶ
極楽に行けるように
善を行なう
毎日努力をする
....
雨よ降れ
ざんざん降れ
と、こいねがう村がある
たった
ひとつぶの雨だれにも
没してしまいそうな
舟がある
めぐみや恐れや
あれこれは
ありえぬ ....
満たされると壊したくなる
壊されると守りたくなる
苦しんで苦しんで苦しんで
誰か助けてって
いるはずもない"誰か"をいつも探していたのに
やっと手に入れた幸せを
....
金木犀は雨を連れてくる。
別れは突然に訪れる。
幸福は髪の長い球体であると、
そんな話を聞いたことがある。
見つけてすぐに捕まえなくては転がって見えなくなると。
そんな話を信じていた私が愚か ....
立ち上る煙を見ると
その先に魂を探してしまう
人ひとり死んだのに
山は頬を染め始め
わたしは焼き芋を食らう
パチパチ、と鳴る
時を刻むより不規則で
ずっと我慢していた拍手を
本当は ....
とりあえずをやり過ごして
それとなく聞いてみる
そっぽを向いたままのあの花の行方を
君の声を待つあいだ
少しだけ眺めてたのは電線のない空
限りある時間の中で
限りなく近付いて行 ....
此処はこぼれた部屋
此処では逸脱の可否を問わない
傀儡師の指先に委ねられたのは
あの誰もが誉めそやす
純粋さで出来たガラス玉の行方
忘れられた時間も眠らずに
今も冴え冴えと運動を止めないで ....
頭から血を流して
倒れていた
浮浪者が
男に頭を蹴り上げられていた
もう前から何度も
繰り返されていた
男の後ろ足は
後ろに大きく反り返った ....
目の前に舞い落ちてくる花びらにさえ
おびえていた
自分に与えられる喜びに
見当違いの手紙が来たときのような
戸惑いを抱えつづけていたのは
おそらく
光に目をつむることで
....
もし君を失ったとしたら
わたしは風になりたい
ねむの木のその花は
夕方になると
煙るように咲いて
その葉は
風が吹くと羽毛のように
さやさやと揺れる
もしわたしが君のまえから ....
陽が差していた
陰をわたる
すき間を縫ってやって来るなら
すき間をこえて会いに行く
そこに触れた瞬間から
なるべく離れないように
恋の火種は
線香花火のように
きらめきをおびて
静かに輝いていたのに
あっけなくポトリと落としてしまった
もう戻れない儚い想い
ひと夏の恋にさようなら
小さな指のさきで
木の実をひろいながら
ドングリ
という言葉を
娘は覚えた
昼間のつづき
眠りの窓をしめて
散乱する
ドングリと戯れていた
ことばと戯れていた
ひとつふたつ ....
小さな背伸びをしたことがあるか。憧れへ向かって、届かない手をもう
一息伸ばしたことがあるか。
よせてはかえし、かえしてはよせる、くりかえす吐
息が音列になる。前傾姿 ....
羊飼いは言ったはずだ
狼を前に
嘘でもいいから幸せが欲しいと
願うのは性からではない
それだけ
幸せが嘘みたいだからだ
あれ?
好き って
どんな感情だったか分からなくなっちゃった
そこの君、教えてくれる?
君のこと 好き だったんだって
思い出させてくれない?
・
仕事帰りの街灯の下
夜がひたひたと打ち寄せている
その波打ち際に立ってふと
えッと吐き気を催した
げぼッと咳き込んだ口から足元へ落ちたのは
幼いころのお友達だ
あの頃いつも遊んでいた ....
もしもあなたが
まだかわいていないなら
もしもあなたが
あなたのなかにながれる
みゃくみゃくとしたものをかんじて
そのかんじるままのものにみずからをゆだね
とてもすなおにしたがえるほど ....
{引用=
制作方法について:
2008年10月13日に秩父・ポエトリーカフェ武甲書店にて行った秩父お散歩ツアー&ポエトリーワークショップにて制作。
参加者がそれぞれ持参した写真2枚と今村知晃さん ....
サービスエースを決めようとしたら
今日からあたし入院します
と言って
ネットのむこうのあたしが
眠ってしまった
ときどき点滴したりして
管がネットにひっかかると
....
おそらく
鱒たちが
お月さんの脇をくすぐる
ボクの足を
くすぐってはくれない
鱒たちは
ボクの投げる毛鉤の
届かない
はるか
はるか
彼方の水面直下で
輪を描いて踊り
....
サンショウウオは
両生類です
カエルと違うのは
大人になっても尻尾があること
でもやっぱり中には
「大人になりたくなーい」
なんて個体もいるわけで
いつまでも変態せずエラ呼吸のまま子ども ....
変態は楽しい
変態は素晴らしい
無変態なんてつまらない
不完全変態もけっこういける
トンボやセミなんかはあれで不完全変態らしい
人間はやはり毛のないイモムシであろう
本気で変態するなら ....
三年半思い詰めた彼女は
涙も出ない顔で幻覚をさまよう
暗がりの中映し出されたライトは
彼女が走るレールを照らす
レールは幾多にも枝分かれし
影が
「デュス デュ ....
無性に悲しくなった夜は、あの日の海を思い出すようにしている。じゃぶじゃぶと潮水を掻く五本の指は江戸川に浮かぶ最後の島の油脂工場のにおいがした。空っぽの内臓を埋めるのはささやかに享受するディ ....
今月なのは間違い無いのだけど
確か二十日頃だったよね
金木犀の甘い香りは
あのひとの痩せた背中を映し出してくれるようで
ひとたび心離れてしまうと
あれほどに固く結ばれていた思いまで
....
とおい、楽園、探すはアホか。
あーあー、
たすけてくれよは少年の
少年だけの特権です。
どんなに嫌悪を覚えても、
少年だけの特権です。
うんざりするような永 ....
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