ピアノの一音が消えた跡を追うように
虫が数匹宙を舞う
夏が終わったね
古い畳の上で
お茶を淹れながら
誰に向かって
話しているのだろう
いつか
秋の色が
この空を満開 ....
たどり着いた
彼女のメルヘン
きみのかわいいルール
そのうえで
しずかな有頂天
波紋)近い未来から
糸のように
フェルメールのように
そんな
....
流産して亡くなった、
弟の御霊(みたま)を
ひこうきぐもの
のこりかすに
重ねて、ないてみる
空は胎内
包み込んで
あの子のスカートの
ひるがえしたなかに
いつかの青春が
生 ....
準工業地域を抜け
畦道を抜けると
大きな門構えに
由緒ある大ケヤキ
視線のかたすみに
逃げる影
それに引かれて
すこし歩いてふり向く
ふり仰ぐ
好々爺の大ケヤキ
椋鳥 ....
誰もいなくなった店
BGM と ペン
を叩く音だけが呼吸する
灰皿からこぼれた灰や
コースターの跡の水滴
そんな光景はどこにでもあり
反芻して迷路に迷い込む
信号 ....
わたしの声帯から延びた
蔦が
ビリジアンの意地悪だった
集合体は頑丈で 瑞々しい
唇をつたって、ずるずると
出ていく
あのひとの唇をつたって
入っていく
取り返しのつかない色
取 ....
川辺にて、そっぽ向く猫背
歌を口ずさんでは知らんふり
肌寒い夜が君を照らして
片思いしたままの猫戯らし
優しく優しく揺れている
浅い川が流れるのをみて
そこに漂いたいと思うけれ ....
ああ死にたい
死んでしまいたい
指の先から煙になって
心臓まで燃えてしまえ(なるべく痛くないように)
ああ死にたい
しかし誤解しないで欲しい
私は死にたいと口にすることが快感なのである ....
優しい目覚めに不意をつかれて
困難なはずの呼吸を意識する
低い体温と冷たい掌と窓のない部屋
窓がないので知ることの出来ない
世界、世界は常に緊急ニュースを発して
頭痛と共に鳴り響くサイレ ....
夜の窓を騒がして
昨日の風が行き来する
慌ただしい肉体
またたく感情
吹き流す煙草の心境に
けむりは青く
はためく
おまえのやせた背中に
描かれた
微細な地図
それから
晩の ....
生まれ出づる場で知らず望んだ言葉を
酸素のように分け与えて
冷えた指先を温める間さえも耳に届く声色。
堅く絡まった糸のほつれをあなたは容易く見付けて
ゆるり
....
割れた月を見ていた
窓には冷えた空気が淀んでいた
振り返る
君の惨めな横顔が見える
その青白い頬
笑えないよ
割れた月を見ていた
窓には冷えた空気が淀んでいた
絶望も希望 ....
駅の端の小さな改札口で君を待っている
電車がくるたびにパラパラと降りてくるひとりひとり
ここではそんなに多くの人間が行き交うわけでは決してなく
鳥かごみたいな短い階段を
家路につく人たちが通り ....
カーテンを開ける
今日
彼女は何を見るだろう
地上17階
いつもの街並
いつもと少しだけ違ってく景色
夕べの事がまだ
部屋のそこここに残っていて
ほのかな風の粒子となって
揺れるカー ....
目覚めたら、
大昔の神殿が目の前にあったんだ。
或る街で眠るお爺さんの夢
目覚めたら、大昔の神殿が目の前にあったんだ。
中からは呻き声や溜め息や嘆きの叫びが聞こえて ....
{画像=081025210836.jpg}
手をかざし
光を遮る
目を彷徨わせる街並み
風が吹いている
その風は北の街から
吹いてくるのだろう
白っぽい風に夏のなごりは
吹き流され ....
僅かな光が教えてくれる
小さな世界があることを
僅かな人影が教えてくれる
小さな足跡もあることを
僕は平伏して僕は平伏して
僕のことを考えたり
知らない国の音楽を聞いた
部屋 ....
毎晩頭がボーッとして
ごちゃごちゃになる
舞い上がる
頭が痛い
首が痛い
肩も凝る
あの{ルビ娘=コ}の「ばれたか」と
言う言葉が私を癒す
あの{ルビ娘=コ}の「頑張ります」と
....
人間関係へたくそなはずなのに
達人のように思われている違和感
逃げ出せないルーレット回っている
頭ばかりくるくるキレて
間違いがあれば素直に謝る術も
身につけている薄っぺ ....
煮詰めたシロップを
さらに煮詰めて
濃厚に
想いは
まさにそのようなもの
願いは
いつしかそのようなところ
跨いでゆく
艶のある微笑みに
触れる
甘美な快感に
時を預 ....
どこかに飛んでいくはずだった帽子が
西日のさすテーブルの上で丸い影を作る
流し込む午後のコーヒーは
ざらりとのどを茶色に染める
丸い影の中を
赤茶色のありが
右に左に 左 ....
色鮮やかな薄衣をまとった山あいは
戯れて欲しいと無言でせがみ
得も知れぬ愛おしさと
恋の味とは甘さばかりでは無いことを知る
その味わいのほろ苦さよ
古い峠道の傍らで人知れず朽ち果てた祠で ....
完璧な糸を喰う 完璧な蛇を喰う
雲が自分の汚い夢をみてだえきでだゃにきだゃき洗う
はううが 人は叫び
む んっかは 真蓋はわらう
あなたの鼓動 あなたの首
みつめられいるわ
あなたの事 あなたの子動
みつめられているわ
あなたのほど あららなごど
はらら ああ いわい
血走る毒が
多分星の横上を蹴る時間が揺れる
銀色の音楽が取れそうだ
沈み込まずに 首に入りそうだ
血走る毒が
僕を好きだ 少し伸ばしたゆびさきに
多分時間が揺れる
ニュータウンに大量発生した
クジラの話を
君はもう聴いたことがあるだろうか?
まだ小学校に入りたての小さな女の子が
クジラに噛まれただとか
男の子がこっそりと
クジラをベットの下に隠してい ....
唇を噛み締める、あなたの口の中をみせて
血が出ていたならキスしてあげよう
傷でもないのに、舐めてみたいな
いたいって言えない あなただけにする話
重い身体を引きずって
けだるい空気を身に纏う
手の届かないものを愛して
非現実的な歌を歌う
僕の太陽
僕の慈しみ
何処を探しても見当たらないから
雨上がりの重苦しい雲が垂れ込めて
....
{ルビ盲目=めくら}のまなこに日は落ちて
夜のとばりが垂れこめる
夜のしじまはゆらぎだし
月の明かりを浴びました
なまめく霧のあやしさに
おぼろな姿態がゆれうごく
目元ばかりが ....
シャワーヘッドから
ほとばしる呪文で
昨日までの身体を
洗い流したら
有効期限切れの
プラシーボを
ペリエで飲み下して
街へはみ出る
手にした青が
全部フェイクだったから ....
3983 3984 3985 3986 3987 3988 3989 3990 3991 3992 3993 3994 3995 3996 3997 3998 3999 4000 4001 4002 4003 4004 4005 4006 4007 4008 4009 4010 4011 4012 4013 4014 4015 4016 4017 4018 4019 4020 4021 4022 4023
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.27sec.