あなたがあなたであるために
あなたがあなたであることを
あなたの限り、
生きぬいてください
私はまだ闇の中
光のまったく無い
暗黒の穴の中
いくら手を伸ばそうとも
天の陽(ひ)は見えず
希望も夢も
生きる糧さえも見い出せない
....
生命(いのち)をつなぐ
赤い水
ぽたりと
真新しいノートに
染み作る
泣きたいのに
涙は出ない
代わりに赤い水が
川となる ....
深く 深く
この想いはどこまでも暗い
光(ひかり)も無い
希望の兆しさえ無い
淀んだ空気の中に
いつまでも溶け込めずに
蠢いてい ....
思い返すと僕は
思春期の日々を過ごした街の中にいるのだ
公園のグラウンドの中央に立ち、辺りの景色を見渡す
まるで水の中のように
空が柔らかく揺らめいて
太陽の細い光の線が散乱する
....
リューヌ 思い出して私との約束
おまえはどこに行ってしまったの
ある日突然いなくなった私の猫
リューヌ 何度もおまえの名を呼ぶけれど
私に答える声はもうないの
ただおまえに似た夜がそこに ....
ふたりは、
まだまだ遠い
互いの肌をすべるとき
温度がちがう、と
わかるから
のぼりつめて、
のぼりつめて、
この
からだをつつむ
きみにもたれる
....
{画像=081028104443.jpg}
種の起源を遡る
鯨にあるという地上の記憶のよう
身体の記憶に繋がる原初の記憶
納屋の藁束の上に横たわり
こころを拡げて探り当てる
目を瞑り腰 ....
街で見かけた似た人は、
君だったように思う
黙ってすれ違うただの他人
心地良い夢だった
「覚めないで」と願っていた
夢であると気付いていたから
忘れたくて、
忘れたくて、
....
こんな夜は決まって雨だ。
それとも記憶がそんなイメージを植え付けているだけなんだろうか。
でもきっかけ一つでそんな雨の日も、少しはマシになる。
どしゃ降りを歓迎しよう。
そんな日があって ....
家の明かり
夜空の光り
夢か愛かの
朝の冷たさ
ため息と
確信の
タペストリ
家の明かり
夜空の光り
夢か愛かの
朝の冷たさ
僕と妻にとてもよく似ていて
そのどちらにも
似てはいない
それが彼なのだ
君はいったい
誰なの
と息子の目を見てそう問うと
不思議な顔をしてる
ふと思い出す
僕と妻は
....
ぼくはたぶんもう、きみにはもどれない。
さよならなんていわないよ、あいしているなんて
こころのなかでおもっているだけで、じゅうぶんなのさ。
ありがとう。それさっき、いったばかりのことばだけれ ....
真実をさらせば壊れてしまう極限の中心であろう囲いの中心付近で
僕は線となり点を回避していた
やがて来る終末と出発を猶予し考えるほどの長さはあれども
食道から胃にかけての腑に落ちた感覚 ....
「普通」が麻痺した
時間は減っていくものじゃない と知った
私は 素直に横になった
疲れていたと 知った
「普通」が麻痺した
「普通」が暴れなくなった
....
海の底のような
薄墨色の空を従えて
ヒンヤリと佇む
片側3車線のバイパスを
時速80キロで流す
クシャッと自分の心を
にぎり潰した今の僕には
生理的に合う速度で
ハンドルも ....
ニッポニテスが海を行く
ニッポニテスは頭足類
足の向くまま気の向くままに
頭と足は同じ向き
アンモナイトはあー、うん、もう、皆
絶滅しちゃっていないとは
聞いているけど化石なら
ヒマ ....
泣くことが 一つもありません
でも、全部 泣ける気がします
嘆くことも 一つもありません
でも、全部 嘆ける気がします
笑うことも 一つもありません
でも、今すぐ 笑える気がします
....
暗いトンネルを何度も何度も
駅に着けど
誰も下車せず乗車せず
また暗いトンネルを何度も何度も
帰郷した
暗いトンネルもなくなり空には月があかるい
トンネルに響く轟音の代わりに虫がう ....
ひかりが
少しだけ怖くて
それでも そそいでほしくて
手のひらで
さえぎったことの
後悔が
指先からこぼれて
すこしずつ
私の影が濃くなってゆく
まぶしさが
嫌いで
生 ....
{引用=副題:狙われた街/狙われない街}
こんな日はめったにないけど
たとえば
なにもかもが真っ赤に染まる絵のような夕焼けの日
空は思いのほかよごれてしまって
あるいは記憶のな ....
ねぇ
教えて?
物語に出てくるような
キス
どうやればいいの?
ガキだからね
それだけで
結構
精一杯なんよ
そう
....
景色は状況を語る
言葉はいきさつ
音楽は気分
世界は外見で隔てられ
見えないものがつながったと
感じるのは一瞬で
次の朝は清々しく
生まれ変わる
夢で冗談みたいな
現実を見る ....
からから
からから
糸巻き
運命巻き
繭は糸に 糸は呪縛へと
きつく きつく 縛られた運命の輪
オーロラ姫の紡ぐ先に
針の先が差すみちしるべ
あかいあかい道 ....
君の泣き声は ちいさくて きこえませんでした
つめたい雨のなか さがしていたのは ほんのちょっとの合図で
こころが 遠くにいってしまったのを悲しみながら またほかの事をおもっていました
本当 ....
わたしの
両眼は野良猫なので、まれに
きみの影で化けている
部屋の隅で、まれに
息の根を止め損ねたあの子が見えるのだが
わたしの
言語は蛭
だったのだ、たくさんの日本語が
彼の血を ....
夜気に退屈をさらけ出すプラタナスが
細い小枝で編んだ投網で上弦の月を引っかけている
葉陰から木漏れ日のように明かりを点滅させて
モールス信号を送る橙色
きっと月の頬には痕が残るほど
....
峡谷を挟んで
街がまた一つ
大きな白い砂漠に
のみ込まれて
消えた報せ
夜空の向こうには
目が醒めるほど
白い砂漠の朝を待ちながら
砂粒は銀色に輝いて
すらりとした紺色の地平線へ ....
1:[identity]
僕が「僕」である場合
僕は必ず「何か」でなくちゃならない
誰かにとっての「僕」
どこかに所属する「僕」
何らかの役割を担う「僕」
僕は一つの個 ....
燃え上がる 自転車!
それが 炎の始まり。
叫びとともに 運ばれた 炎が
対岸に 出現す!
そして、
小舟に 乗り移り、
たいまつ 来たる。
徐に 回り出す 炎。
次第に 加速をつけて ....
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