水鏡に
私をうつしましょう
私は醜い
何を基準にしよう
過去の話
自分以外の誰かに
固執した時の話
醜いものがうつる
水鏡には
忘れてたっていうか
....
河童
つい50年前にあの子と出会った川縁は
無骨なコンクリートで蓋をされたけれど
僕はまだ生臭い闇が忘れられなくて
水掻きをポケットに突っ込んでそぞろ歩く
都会の夜は頭の皿よ ....
ライオン ライオン
たてがみなびかせて
背筋を伸ばして街を歩く
右も左もわからない街で
値札のついた肉に手を伸ばす
檻から出て初めて見たものは
凍える冬枯れの街の景色
霜の降るたてが ....
深夜にて、
「意識の並列化は済んだ」
神経ライン直接つないで
迷路を作れ、城を作れ、まるでパイナップル
デスクに冷たい息を吐く
君にまだ残る擦過傷
未遂で済んでよかった
脳は安い ....
今年も夏は灼熱の雲を憶えている
いまだ解けない前世紀からの呪いだ
ずる賢い鴉たちのくだらない儀礼や
強欲な雨乞いのせいで暑く寝苦しい夜が続く
世界規模で流行る冷却フレーズでもってしても
暑気 ....
あなたが変えた世界に立っている
それは今にも滲みそうな私
誰の世界
そこには手が届かない
一人ぼっちの世界
割れそうな頭
鳴り止まない音
駆け巡る言葉
あなたの、影、残骸
何 ....
悲しいけど涙が出ない
そうだ涙を作ろう
目の奥の真っ黒
ぎゅぅっと搾って
布でこして
まさに雀の涙です
そっと飲んでみて
私の 痛み 少し 分 か る?
でもね作っ ....
白く白く舞う舞うよ雪姫の歌よきみをおもう深き水面に溶けて消えた雪よ月はゆれ火はきえ静かな社に歌は消え指先の真実に赤い血は巡る辿る流れやがてきみの足元に花火はおちた燃える唱に詩はにごり霧の向こうの橋に女 ....
種乳母の、
鱈日根野、
斜交いの、
青髭の、
いとし稚児の、
泣きしの、
見えるの、
頸もとの、
掴み手の、
荒くれた、がさがさとした、その感触の、
痛みに叉声荒げたのが伊丹まで聞 ....
半目で月をみると
遠い遠い
空に在る
金色の池のよう
淡い光を濁らせ
散らす
うすい金色の池で
手を洗い
兎に招かれ
あの月で酒を酌み交わしたい
お前さんどこからきた
私は青くて ....
愛子は着物を脱ぎ捨てて、潔く乳を出しました
円い
まあるい
柔らかさよりも芯のある
硬さを主張した
愛子の精神がそこには在ったのでした
愛子の眉は太く
角があり
男眉は仕合わせ ....
メイプルソープの例の髑髏の写真を見て脳みそが後ろに転がってから前転倒立をいとも綺麗に極めてくれた頃の感覚を、僕は忘れない。携帯の音声認識に眉と静脈を顰めながらも必死にマイクに向かって叫んだことも、興味 ....
――波の間にはねた魚のその行方
――あくる日に落ちた椿のその最後
どなたかご存知ありませんかと
大きな声で喚きながら老女が通る。
つららの下がった軒下で
猫が寝ている。
大層 ....
それであなたが納得するとはとうてい思えないのだが
今夜は寒すぎるし
わたしは少し老いた。
米に入り交じる雑穀のような
赤黒いぶつぶつが肌に吹き出る。
これがアレルギーであるとして
いっ ....
何かをはじめるためには
何かを終わらせなければならないと
手紙に書いた
何かの本で読んだ言葉だ
と書いたけど
嘘だった
けれど
そんな気がしてるだけで
本当は言葉なんて
き ....
大寒の深夜
暗い庭で蝉が鳴く
薄い羽根は夜空を映して
灯りがあればきらめくことだろう
放置されたバケツの
冷たい水のうえで
蝉は羽根を広げる
蟻酸より不味い舌は蟹に喰わせろ!
イヌノミはネコノミより弱いのだ!
サーベルタイガーは牙が長すぎたのだ!
だからなんだ!
えいえい黙れ黙りやがれ黙らねーと
太陽のフレアにつっこむぞ!
暗黒 ....
丹念に温めた躰を
その一粒は意図も簡単に
冷やしてゆきました
とんとん、
からん
流れても流れても
肌は通わず
なぞってもなぞっても
白に触れることは
許されません
....
美しいその森は
青く
半透明の管が這っている
踏み入れると
足の下で
古い管が壊れる音がする
管の中には
森の血液、シチューの色をしたものが流れている
それは遠い山の中 ....
そうであつても (1) 眼をそらして
ええものか自問する
裏道ぬけて
へろりと死ぬ草ども
を踏み{ルビ乍=なが}ら逃げたら
・
神さんの焚き火をしかと見んといかんぞ やはり
....
がんぎまりの母親の太ももにフォークをおもいきり突き立てて
大麻の栽培されている蒸し暑い部屋をでていく
父親がローカでなにかをカクテルしすぎてオーバードーズ
ケーレンしてて笑える
重要なのはきず ....
どんな家庭を作りたいかと考えたら
それ以外に知らないから 我が家みたいな と
僕は答えるだろう
なんだかその妙な消去法が 最初は嫌だった
選択肢がひとつしかないのはすばらしい ....
恋人たちが
裸になる夜は
計算が合わない
数が音に
なってゆくから
建築物の息づかいも
聞こえてきたよ
スポンジみたいな
緻密なリズム
さびしさの背中に
スプーンを落として ....
真夜中に部屋の中で一人
耳を澄ますと聞こえる心の音
沈黙の中で奏でられるピアノ
同じテンポ・同じ音階で
人の心に迫り来る音がある
写真立ての中に映る懐かしき人々が
時を ....
大きなおっさんが
バナナ、貝、バナナ、貝
ゆーとりますけど
もっと繊細なおっさんが
ジャズジャズ、双子双子、セクシーセクシー
ゆうとりますけど
おっさんおっさんが
飯カネ 飯 ....
たらふくおいしいものを食べない正月なんて
知らないワ と着飾った女たちは
着飾った分だけ華やいで背を伸ばしそびえる
手管の行き届いた冒険の跡形を
光のように行き過ぎて 光 ....
チョロチョロねずみ
うろうろ犬
パチパチ初雪
ジュウジュウ焼鳥
ジャカジャカ音楽
ヒーターぼんぼん
ぐつぐつお鍋もの
ピーターぱんぱん
うとうとコックン
寒いの寒いの飛んでけ ....
この世の全てが{ルビ塵=ちり}である故
今・背負う重荷さえ
いつかは{ルビ宇宙=そら}に
消え去るでしょう
この世の全てが塵である故
自分を責める者さえも
{ルビ永遠=とわ} ....
「優等生」という響きに
たまに懐かしさを覚える
突っ走って
横に誰かいないかいつでも確認して
98点だった時は残りの2点を
異常にも責め立てる
そんな私を
どこかみんな遠い目 ....
忘れないことは無い
口先で約束を繕う様に
僕らなんて居ないと
こぼしてく
子供の先 甘いシロップ
君が見てる匂い
誰かでいいことは僕が
女性の様に閉ざされていたい
小さく息を切 ....
3964 3965 3966 3967 3968 3969 3970 3971 3972 3973 3974 3975 3976 3977 3978 3979 3980 3981 3982 3983 3984 3985 3986 3987 3988 3989 3990 3991 3992 3993 3994 3995 3996 3997 3998 3999 4000 4001 4002 4003 4004
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