うむまあの木といふ
器量の悪い詩人みたいな木がある
穴の開いた幹は
{ルビ欠伸=あくび}をしている顔のようで
暗闇の深遠に
なにかを隠し持っている
うむまあといふ
....
アーモンドチョコレートを一粒
光沢のある爪先ほどの球体
歯が食い込んでいく表層、とろけて
わずかに硬いアーモンドは
乾いているのでカリッと割れる
砕けた粒が乾燥地帯の匂いを呼んで
アーモン ....
手にした「水版画」という本を開き
(うた)という詩の行間で
夕暮れのすすき野原に立つ彼
今は亡き女の風の面影に
いつまでも手をふり
すすき等もまた
金色の海の波間に
....
耳を塞いで
鳴らすように駆け登り
落ちていく
落ちて行く途中さ、
すくわれて
ゆっくりと地上へ立つ
飛び出して
飛び込むように、
そこには
何もなかった
拾った
歪な四角 ....
今日は何だか気分が悪い
起きたくても起きられない
パジャマを脱ぐ気力もない
朝ご飯も食べたくない
だから学校には行きたくない
下駄箱を覗くのが怖い
ロッカーを開けるのが怖い
体育 ....
タイルの目地を
綱渡りする
少年は
ポケットに
手を突っ込んで
一人はにかむ
うつむいたまま
蛍光灯と自販機と
ベンチの後ろの広告と
背広にコートのサラリーマンと
....
空気は薄い膜を張る
破れそうなほどに薄く
でもしっかりと光を受け止める
太陽も月も星も
全部
昼は柔らかくなり
夜は澄み切る
指先が痛む
耳の奥も痛む
心は熱 ....
幽霊が豆腐を食べる
冷や奴より冷えた幽霊の
行儀の良いイタダキマスの
青白さを競う口元の
豆腐の角ばった立方体への怖れと、味わいの
幽霊声は、静かに しょう油派?
ポン酢派? をうらめ ....
生命がみんな輝けるように
奪われる生命への憤り
美しくも残酷な世界
天国でもあり地獄でもあるこの世界
死ゆえに生命輝く世界
生が満ち死が満ちて
生命のいとおしさ
生命の気高さ醜さ
優し ....
星空には星が広げてある。ちりばめられてはいるものの象嵌されているわけではないので星だけを残してテーブルクロスよろしく空を引き抜く練習をしたりしてはいけない。がっちゃーんざばざばざばといろいろ落ちてきて ....
プリムラ (永続する愛)
朝が生まれるように君の名を呼び
風が踊るように君と手をつなぎ
雨が語るように君を想い続け
星が黙るように君を抱き寄せた
....
寂しさなんて
私にはありませんよ
削ぎ落として
削ぎ落として
すべてを研ぎ澄ませて
耳はピンと立てて
背骨はいつも白
人間なんて
みんなひとりで死んでゆくのだから
涙 ....
「急に泣きたくなる」
という設問を読んで
泣きそうになる
つきつめると
あふれてしまうので
空みみのふりをして
「いいえ」に丸をつける
+
淡い花のきもちになって
窓の外 ....
もう充分楽しんだか?
もっとしたい事は何か?
何が障害になっているか?
夢を見たいか?
もっと話したい事はないか?
助言アドバイスをしないで
引き出して自己解決させているか?
否定批 ....
僕は太陽を盗んだ
暗闇のほうが好きだから
君も僕の太陽を盗んだ
僕を暗闇に落とした
あがいたって仕方ない
それなら暗闇で生きていく
僕は僕の太陽を盗んだ
....
I attempted suicide out of despair
その先には何も無いの
だから向かうの
lose faith in life
何もない場所へ誘う宴は儚い幻
....
針で刺した穴みたい
小さくて小さくて気付かない
忘れた頃に思い出す
痛い、痛い、あぁ痛い…
糸切りバサミが欲しい
糸切りバサミが欲しい
糸切りバサミが欲しい
糸切りバサミが欲しい
....
{引用=
末摘花
}
何が、愛されたのだろう
美しいという言葉も
華やかなものも
この手にはないのに
{引用=
末摘花
}
夜に耐える
想う人の背中が ....
時に矢筈山に登りて
熊笹の尾根を歩く
南北に展望開け
雲上を行くが如し
山頂近く岩場ありて
穿ち谷筋あり
矢筈の形に似るは
山名の由来これなり
下り来て眺むれば
十九 ....
金色の銀杏の葉が
車道の上で
巻き上げられて
流れて
はしる
オートバイの
吹きすぎる
排気に
何か書き込むなら
こんにちはと
さようなら
なんて
テキトーに
誰も聞いちゃな ....
その角を右に曲がっても
左に曲がってつまづいても
同じ様にまたどこかで出くわすんだろう
途中で寄り道しても
真っ直ぐ向かったとしても
二度と会う事はないんだろう
奔放に彷徨っている ....
ふぞろいな前髪は
純白が染められることを拒んでいるようでした
もう二度と届かない
それでもあなたは
いまだに昨日をうたっているのですね
ここから一番近い質屋はどこですか
二十八歳ぐらいの女性に尋ねてみたら
あそこのスーパーは野菜と普通の飲み物が安いです
酒やつまみ系は大丸屋と言う店が良いです
すると三十六歳ぐらいの男性が
む ....
ああ、もう、こんな時間だ、と。
ああ、もう、待たずに眠ろう、と。
ああ、もう、寝ちまったのかな、と。
ああ、もう、話がしたかったな、と。
ああ、もう、我儘だぜ自分。
....
入り組んだ路地を幾つも
曲がって歩いていると
街を知るように街を見失い
緑色に光る道に出た
夜のうち街灯は光るようで
電球をみれば灯りは点いていない
靴音が聞こえないので足元を見れば
履 ....
スランプに陥った自分に
生産性を与えようと
雨の中を歩いた
マイナスを堪能しても良いかもしれない
零の集積よりは
ファミレスのドリンクバーは数を重ねなかった
「 ....
殺しに到る感情のライン、俺はいつだって不都合を拭い切れず全てが終わった後の閉ざされた部屋の中で汚れた刃を研いでいる、それを誰の喉笛に届かせようというのか、劇的な夜明け前まで考え ....
わたしの顔に触れる
鏡の中
一つ一つを
手になじませていくように
夢に出てくるそれらは
もっと気高く美しい
わたしはナイフで慎重に切り取り
バッグにいれて持ち帰る
耳 鼻 目 ....
道端にひっそりと咲いていた
花の名前を知ることはなかった
知らない間に消えてしまった
空っぽの風がそこに吹いていた
期待されて生まれた命と
期待されずに生まれた命
蒔かれた ....
星
星
月
三日
今宵は空と誰かが微笑んだ ....
3962 3963 3964 3965 3966 3967 3968 3969 3970 3971 3972 3973 3974 3975 3976 3977 3978 3979 3980 3981 3982 3983 3984 3985 3986 3987 3988 3989 3990 3991 3992 3993 3994 3995 3996 3997 3998 3999 4000 4001 4002
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
5.79sec.