いつのことだったか
夜になると冷え込んでくるような
少しさびしい季節の
もっとさびしい時間
黒いドレスを着こんで
雛鳥のように歩いていた
白い脚のふくよかな
可愛らしいお人形さんに
軽 ....
ほどいた髪に
手櫛をとおして
慰める日々の疼き。
つややかな黒を
たわいない指先に
ひとりあそび絡ませ
誰のためでもない夜を
静かに白んでゆく。 ....
主よ
私は光るペンを手に
暗闇の広がる野分を独り
これから往かねばなりません
そこには果てしない「無」が
広がり・・・もしかしたら
何も、何も、無いのかもしれません。
....
いつの間に僕の心は
こんなに弱くなったんだろう
歳をとればとるほど
現実を知り
知りたくないことまでも知ってしまう
どうして
どうしてこんなに敏感に ....
さよならは
しずかに
すぎてゆくから
せなかを
そっとおしてほしい
そんな
さしすせそが言えなくて
ふたりは
せなかを
むけたたまま
あいしてる
いまも
うたうよ ....
空が青い
空が青いと心が晴れる
でも
心が青いと
空は濁るし心も晴れない
なぜ
同じ青なのにこんなにも輝きが違うのだろう
こう
彼は言った
[分からない
でも俺は・・・
みんなの ....
花しょうぶ
さびしく並ぶ
ホームの柵で
白いパンをちぎる
包むもののない肩は
冷たく硬く
黒い雨の滴は
長く久しく
朝はこんなにも
騒がしい
ビルを巡る溝渠の水が
空をつかん ....
君は気づいてくれるだろうか
僕からの手紙に
あの時
僕はただの物質でしかなかった
溢れ出てくるこの地球の
力場に漂う熱量のようなもの
雨粒や、命
何もかもが
無意識のなかで ....
本当に欲しかったものはいつも
いらなくなってから手に入る
そんなときはいつも
落とし穴に落ちたみたいにドキドキする
もう欲しくもないのに
一度は手にしてみたいような
みたくないような
....
私は切り裂きたいのだ。
あなたの心を。
ずたずたに切り裂いてしまいたいのだ。
真っ白な紙を
折るのでなく、
墨で塗りつぶすのでなく、
ぬるま湯の中でふやかすのでなく、
真新しい、 ....
今日も一日が終わる
「 気がする 」
そんな虚ろな気持ちで
24:00は過ぎてゆき
リセットされた気の時が
ゼロに戻され
また 肥えてゆく
嗚呼
今日もいく ....
布に包まれた人の細波
めくってみると 波音は静まり
わたしは つまさきで
浜辺に足跡がつかないように
つまさきで
黄金のようだ
輝く空が
太陽は熔けた白金
月は静かな銀
星星の黄金
天空は黄金の光
都市で乱反射する
ビルディングが輝き
メタリックな車は1トンで疾走しながら
光を振り撒 ....
(ローゼズポーゼズモーゼズトーゼズ)
(スノーフレイクスオンアイラッシズ)
…
鉄工所で溶接
夢で描く美女は妖絶
ダムダム
プレートからは
ダムダム
まっさかさ、ま
機械のド ....
ねぇ
ねぇ
お母さん、誰を呼んでるの?
ねぇ
ねぇ
お母さん、そこには誰もいないよ?僕ならここにいるよ
ねぇ
ねぇ
お母さん、泣くのはやめよう
....
高校の同級に呼び出されて
電車を乗り継いで行った
駅の階段の踊り場に屋台が出てて
チャーハンとお好み焼きと何かを買う
帰りの電車賃が無いことに気づき
どれか一つやめたいと売り子に言うと
一 ....
ちょろちょろ動く舌の先
煩わしいその動き
果物ナイフでスライス!
傷つけるつもりで放ったナイフ
すり抜けて消滅
私がいてもいなくても
あなたに幸せ訪れる
それでもいいの
偽善の道化 ....
それは多分一人じゃないからそう思うんだろうと。
フと思った。
女って強いものだよ
わたしが知っている
わたしと血の繋がった女はね
だから
『愛が欲しい愛が欲しい』と
言葉尻に聞こえる話をする女は
嫌い
『愛してもっと愛して』と
肩を落とし ....
全天の半分が
この太陽の光で圧倒されて
青空の透明感が増す
枯れ枝に太陽光は懸かり
直視できぬ もどかしさ
潮のごとく逆巻く直射光
日差しは小さな部屋を満たし始めて
また静かな一 ....
煙たいのお思うたら
たばこの煙がまだもくもくと出よったんよ
のろりのろりと
天井にあがっていく様を
見ようたら
蛍光灯が切れかけよることが
よおわかる
どこへ行くんかいの
煙は ....
たまにシあわせミたいなシろくろのしゃシんはあるけレど
聞こえるかいド
愛せないよとてもレ
その儘に生きてもド
ソ愛は聞こえないソ
シ・シシ・シ
ド辿り着くのかいド
レ水着はあ ....
君の方が知識があります
だって君は受験生だからです
年賀状の束が誘拐されたのには理由があります
すなわち抽選日を十日まちがえたのです
この部屋は明るいのに
天井が下がってきます
....
たまたま日本人だった
たまたま男だった
たまたま右利で
たまたま魚座だった
たまたまA型で
たまたま佐賀の生まれ
たまたま親が離婚して
たまたま結婚が遅れた
たまたまイスラエル人で ....
あたしのこと
大丈夫だって思ってるんでしょ。
思ってないよ。
でも
おれがついてれば大丈夫だと思う。
....
イヤホンから流れるミスターチルドレン
歩いていた
僕にはアイポッド
僕はなんにもないカバン
目黒川は流れていく
僕を拒んだ事務所
街 五反田に
娼婦の出入りする隣
縛ることに
....
どこにいるのだろう でも魚に
飛んでいくそれだけは見えた
ロッドを振るうと
夜をルアーはあの闇の中へ
出光石油の
光の拡散
僕は木でルアーを作ったことがある
僕には何もないようだった ....
暫らく連絡を取っていない誰かに挨拶をするとき、
その導入をどうしようかしばしば悩むことがある。
届けようと思った言葉はパイポのように湾曲して、
伝えたいフォルムとは全く違うマチェールで描かれ
....
夜ふらふら歩くあなた
いっぱい傷が見えるよ
それでも必死な笑顔
それはいらない
涙を貸すよ
思いっきり泣いてごらん
あなたの涙で種から芽が出るよ
朝よたよた歩くあなた
そんなに涙を ....
冬の野原の湾曲、の真ん中の真冬、あー。
残された記憶はもっと複雑、身体はまっすぐ、あー。
笑う声は、あー、行き止まり。
白樺の、あるいは、切断の、ずっと続く、あああー。
....
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