車に轢かれそうになった
安全な横断歩道を
渡ろうとしただけだった
君を庇えなかったことや
庇わなかったことの
すべてが脳裏を過ぎてゆく
そのとき車は
ぼくらの手前で停止した
から ....
太鼓持ちの男が
夜の盛り場へと飛び出した
理想の相棒・太鼓打ちを探すために
正装の褌姿で
「俺の太鼓を叩いてみな」
道行く人間にのべつ幕なし声をかけたが
そこそこ響かせる者はいても
....
ふと想う
叫び声は空気に
やがて 空は聞き流す
「もう少し後だよ」
彼は囁いた
そんな微かな声を
追い求めていた
それは きっと
手に触れることもない
すべては幻想だ ....
マグロ釣ってるのか
あの街についたら
私は歩くでしょう
確かめるために
間違いなくそこにいた
影というかげを集めて
空がまぶしすぎると
鳥は切り絵になります
川面はしわくちゃにしたホイルみたい
いいか ....
白い花を見ると
花びらが風にそよぎ
色彩を瞳と目に
気持ちを光るときめきがする
恋するという目的と
その答えと
エネルギーを放出してしまった後の
私たちは
少しずつしなびていく
色も褪せて
だんだんすかすか
こころもすかすか
埋めるのは食欲
食べてしまうまでの恋 ....
人となり歩いていると
街は活気に満ちたりて
声に歓声へと思わされ
歩む奥へと流れこむ
僕はあの頃
何かにつけて悩み 僕の
歩みを行ってはまたそこに屈した
知られている えせのノイロー ....
もうてゆーことはなんかもう無理なんじゃないのと目覚ましを止め
夢の中で朝という出発の準備を繰り返し
何度も目覚ましを止め
しかしふたたび急におきあがりまぶたをめくり
くるまれたままの状態で昨日 ....
都会のビルの幻影に
透けて見えるは
幾千の顔々埋まる
墓地の群
電信柱の頂に
舞い降りた一羽の烏
びゐ玉の
澄んだ瞳に映るは
過ぎし日の
東京に燃え盛る
....
トイレデ
migigawaに
傾いていたんだ
かじかんだ右手に
toipeヲにぎり
やっとちぎりとった
トイペをにぎり
ひかりが
あの日から
スワルコトノで・き・ない
ひか ....
気配を感じて
うなじの毛が立ち上がる
背後を探る 自分が持っているはずもない感覚を指し伸ばして
気配は やってくるのを待つしかない
訪れは 待っていないと やってこない ....
ご飯を食べられないから
せんべいと
ミネラルウォーターだけで
生きてみようと思う
というとあなたは苦笑して
もっとやせるよ
と言うんだった
冗談ではなくて
吐いてしまうのだと話すと ....
サイドブレーキを引いた後も
まだ帰りたくないって君が言うから
カーステレオの音を最小限にして
くだらない事を夜通し話したね
一昨日食べたドーナツが美味しかったとか
ゼミの友達が ....
タイル張りの部屋の中
あたしはひとり うずくまっている
泣き疲れて呼吸は浅くなり
あたしはひとり うずくまっている
そばでは水槽とテープレコーダーが
変化のないあたしに {ルビ倦=う ....
大学の授業を抜け出して
立ち入り禁止の看板を飛び越えて
僕は屋上に登る。
豪雨の中
見つめる先は
カミナリグモ
黒雲の中を
光の筋がいくつも走り回る。
キレイだ
額に張り ....
ある程度の明りが必要なように
ある程度の闇も必要だ
時に人は一度に両方求めてしまうから
しばしばやっかいな存在になる
誰かをキズつけてしまったように自分を切り刻んでみても
明りは明り ....
秋なのに、さくらが
花びらの匂い
かえでからは蜜が出るよ 口を開けて待っていて
ねえここで この街から
いつまでも卒業できないね
してもいいのなら君は飛んでどこかへ行くの
(綿毛 ....
卵黄色の大きな手が
鬼の手か
母の手か
心を掴み
上下左右に細かく動かすと
それがスイッチだったのか
ちっぽけな溜息が零れる
足下を見ると
植物の亡骸が一枚
それ ....
逃避することなく
忍ぶ雑草の
落とした欠片が堆積し
抜け目なく堆積し
雑草はその上に生え
束の間の自由の後
青い風が再び吹き荒れる
そのたび
堆積され
いつか
至上の高 ....
固ゆでの
黄身が底にころがっていたので
指でつついたら「u、あい」とはっきりしない返事をした
たぶん俯いているかつっぷしているかして
声がくぐもっている
白身はどこへいったかと訊ねると
ま ....
ビールのんでぇ
黒霧のんでぇ
熱燗のんでぇ
きもちわるい
何で急にこんな
夜の恵比寿
えべっさん像が
クリスマスツリーを
真横におっ建てられて
街灯の灯りのせいかもしんないけど
....
冬の太陽に向かって叫ぶ
生きたい
あれだけ死にたい
死にたいって
言っていた私だけど
今は
生きたい
私の中の一番強烈な欲望
生きたい
どうせ生きるなら
楽しんで生きたい
充実の ....
きみはわるいおんなだ
いまごろ連絡してくるなんて
ぼくもだめなおとこだ
いまだに思う日があるなんて
繰り返してたかも知れない
どれだけ楽しくても
どれだけ切なく ....
何度この道をあなたと通っただろう
初めて一緒に歩いたときは
まだ寒くて上着を着ていた
わたしの体力がなくて
ゆっくり歩いてもらったことを覚えている
トラックの巻き起こす粉塵 ....
パテル・パトルム――
即ち、パパだ。
今日もパパは二日酔いで、
おまえたちはバレエを観に行ったけど
そんな日曜日の真昼間から
男が家にたった一人、瞑想に耽る
深潭たる無意識の下層へ ....
わかってたよ
そうだね、
君は優しいから
いつでも君のが
うわてだった
そうだね、
心を許しすぎた
安心しきっていたんだ
わかってたよ
君 ....
生ぬるい図書室での坊主めくりだった
なぜ蝉丸がいちばん人気だったのか
わからない
輪に違和感なく溶け込み
無遠慮にかがんで微笑むあなたの胸もと
気になって
腹が立って
仕方がなかった
雨粒が地面にゆっくりと落下していて
そのシズクに写る果てない未来は
僕をどうしようもなく打ちのめした
一?でも踏み込む事によって現実が駆動していく
刹那程の距離でも僕等は踏み込めないんだ
本 ....
さかなによく似た
君に寄り添って
みたこともない海の
話をする
あなた だってそうでしょう?
本物じゃない
ここにいる僕たちは
だからこそ 寄り添って
途方に暮れた
....
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