時に矢筈山に登りて
熊笹の尾根を歩く
南北に展望開け
雲上を行くが如し
山頂近く岩場ありて
穿ち谷筋あり
矢筈の形に似るは
山名の由来これなり
下り来て眺むれば
十九 ....
金色の銀杏の葉が
車道の上で
巻き上げられて
流れて
はしる
オートバイの
吹きすぎる
排気に
何か書き込むなら
こんにちはと
さようなら
なんて
テキトーに
誰も聞いちゃな ....
その角を右に曲がっても
左に曲がってつまづいても
同じ様にまたどこかで出くわすんだろう
途中で寄り道しても
真っ直ぐ向かったとしても
二度と会う事はないんだろう
奔放に彷徨っている ....
ふぞろいな前髪は
純白が染められることを拒んでいるようでした
もう二度と届かない
それでもあなたは
いまだに昨日をうたっているのですね
ここから一番近い質屋はどこですか
二十八歳ぐらいの女性に尋ねてみたら
あそこのスーパーは野菜と普通の飲み物が安いです
酒やつまみ系は大丸屋と言う店が良いです
すると三十六歳ぐらいの男性が
む ....
ああ、もう、こんな時間だ、と。
ああ、もう、待たずに眠ろう、と。
ああ、もう、寝ちまったのかな、と。
ああ、もう、話がしたかったな、と。
ああ、もう、我儘だぜ自分。
....
入り組んだ路地を幾つも
曲がって歩いていると
街を知るように街を見失い
緑色に光る道に出た
夜のうち街灯は光るようで
電球をみれば灯りは点いていない
靴音が聞こえないので足元を見れば
履 ....
スランプに陥った自分に
生産性を与えようと
雨の中を歩いた
マイナスを堪能しても良いかもしれない
零の集積よりは
ファミレスのドリンクバーは数を重ねなかった
「 ....
殺しに到る感情のライン、俺はいつだって不都合を拭い切れず全てが終わった後の閉ざされた部屋の中で汚れた刃を研いでいる、それを誰の喉笛に届かせようというのか、劇的な夜明け前まで考え ....
わたしの顔に触れる
鏡の中
一つ一つを
手になじませていくように
夢に出てくるそれらは
もっと気高く美しい
わたしはナイフで慎重に切り取り
バッグにいれて持ち帰る
耳 鼻 目 ....
道端にひっそりと咲いていた
花の名前を知ることはなかった
知らない間に消えてしまった
空っぽの風がそこに吹いていた
期待されて生まれた命と
期待されずに生まれた命
蒔かれた ....
星
星
月
三日
今宵は空と誰かが微笑んだ ....
いちばん美しかったことに
いちばん笑ってたことに
気づき
いちばん近くにいたことに
いちばん近くで見てたことに
気づき
....
数万の手拍子が群がる。
見つめる視線。その先の姿。
覚えているだろうか
右手が宙に浮いた時のことを
歓声は上がる。
声は地上にとどまり続けるだろう。
わかってんの お宅
俺の方が立場が上なんだよ?
舌撃ちを噛み殺し
回らないろれつで飲む酒は
ストレス性の発疹を腫らし
切り揃えられた爪は
シラフからの警告
明日も仕事 明日も仕事
差し ....
天丼のどんぶりを空にした後
海老の尻尾をふたつ
ちり紙の上に並べたらじゃれあい
嬉しそうに光った
昨日の夕餉は
友人夫婦と食卓を囲み
玄米とおでんを食べました
今日の夕餉は
繁華街の店で独り
天丼を食べました
誰かと食べても
独りで食べても
幸福なのかもしれ ....
夜出歩くからよろでるり
なんだかわからないものたちここをお通り
いまだ真にひとから
名づけられてはいないものたち
夜に見開くためだけの大きな瞳で
暗い森の中を見つめていたご先祖様たち
....
陽、
昇り沈む。昇り沈む。昇り沈む。沈み、また
昇りゆく。で、それが歴史/世界の一大事。
時も空も貫いて、視ている。聴いている。何
処に居る人、何処に居ない人、 ....
天性の間の悪さで
お土産のケーキを買いそびれたまま
友達の住む秩父まで着いてしまったので
仲通り商店街をきょろきょろ
見回しながら歩く
古い売店の前に
ぶら下がる
1本 ....
日々繰りひろげられる知略戦は
白という調和を
もろくも
飛び散らせる。
この戦いが生むものは
勝者ではなく、
豊かさではなく、
正義ではない。
支配であり、
破壊であり、
....
最近上手く息をできないので
いっそ呼吸を止めてしまおうかと思いました
小さい両手で口を塞いでみようかと思い 実行しました
そうすれば私は悩むことも無く
平穏に死んでいけるのではないかと
....
流れて消える 澄んだ水のように
渦巻いて
渦巻いて
沈んでいった小石のように
コウノトリが歌うまで
―ねぇ、良かったわね
厄介だったじゃない、あなたまだ ....
三面鏡へと針路をとる事に何の
躊躇いも見せない顔をしたあなたが
天候は座標では
なく広い箱庭だ
と君が語っていた
姿が手の中で
反転した塗料の様
に思えて
....
君が始まる時を待ち望んで
君が終わる時にはいつもの階段を登って行こう
何か無くても
何かが無くなっても
嫌なんだ
ジグソーパズルが欲しくてたまらなかった子供の頃のような
風船を手離 ....
場面、場面がフィードバックされてくる
僕の方はとっくにシャッターを閉じていて
忘れられた街のガソリンスタンドみたいだ
飽きるくらい曲がりくねりながら坂をのぼり
またその道を下りきるまで ....
現実はゆっくり
本当にゆっくり変わっていく
良く変わっていくのもゆっくり
悪く変わっていくのもゆっくり
急に見えることにも
必ず予兆がある
良く変わっていくには
「法」に則って
努力し ....
わたしに幸福を、と
願えることの その幸福を
わたしは いくつも
置いてきた
たぶん、わたしたち
水槽のなかに
生きている
そこは程よく窮屈だから、
ぬく ....
子供たちの物語は
殺されてしまう
大人たちには まぶしすぎて 力に溢れ過ぎていて
胸に心地よく抱いておくことができない
子供たちの物語は 世界を壊してしまう
すでに流通してい ....
ギュッと抱きしめた君
僕の胸に顔をうずめ
回された腕から伝わる優しさが
小刻みに震える僕を包み
そうだね。
沈丁花の香るあの花畑でもう一度
柔らかなKissから始めよう
....
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