読者にはまず、このことを思い出していただきたい。すなわち、
ハーレスケイドは時間が止まった世界である、と。
ここ、ハーレスケイドで何万年の時間を過ごそうと、
現世であるアースレジェでは、何秒の時 ....
アイソニアの騎士、そしてエイミノアも、オーマルの前に控えた。
彼らの振る舞いが、今後の彼らのハーレスケイドでの探索にも、
影響を及ぼすと考えたからである。──それは賢明な判断だった。
アイソニア ....
読者は迷うかもしれないが、ここは再びハーレスケイドである。
盗賊ヨランと、アイソニアの騎士、そして、エインスベルの従卒であるエイミノアは、
眠れぬ夜の、そして翌朝を向かえていた。
あくびとともに ....
虫が鳴いた夜も
星が輝いた空も
闇の中は眩しかった
手ぶらで歩いたから
光を抱くことが出来る
人の重さより儚くて
振り返る時は
愛を探して
どこかへ
帰りたくなる
....
親は子どもに
教育を受けさせる義務がある
これが義務教育です
子どもが教育を受ける義務がある
という意味ではありません
教育現場に問題がなければいいのですが
問題がある場合子どもには
教 ....
砕けた光 秋の匂い
五感は透けて
感傷の古池に浮かんでいた
黒光りする虫をつかまえて
ピンで留めてみる
不器用にもがいていた
鋭い大顎も暗器のような爪も
ただの装飾へと変わってゆ ....
いま完成した
この僕の絵は
いつまでも若いままだ
9月のこの日よりも
年を取る事はないだろう
もし
僕の代わりにこの絵が
年を取ってくれるなら
そのためには
僕の魂を ....
朝だ
熱気がもわんと身体を包む
街は目的を持った人たちが忙しく進み
何の目的もなく歩いているのはわたしだけだ
色んな形象をした白雲が
青い天を流れていく
突然、足許の大地が裂け眩暈する ....
○「仲秋の名月」
今日は仲秋の名月
お供えは何もないけど
酒でも飲みながら
名月をのんびり眺めて
コロナ鬱を晴らそう
○「自己流」
僕は詩も自己流です
自己流が気楽で自分に合ってい ....
「富」とは何か。
お金はたくさんあった方がいい
でもそれだけじゃない
例えば妻や子ども
お金では買えない
例えば友人
お金では買えない
「富」とは
生きている小宇宙の中で
「幸せ」と ....
亡霊どもの集まる夜を待って、冷えたジンの酔いと性格の良くない音楽、クルーエル・ワールドに迷い込んだ、美しい世迷言と意味の無い羅列のパレード、心臓が不規則に血液を飲み込んでは吐き出す、人生の意味なん ....
あなた、自称詩人をやめないと
近いうちに大変な災難に遭いますよ
えっ、既に災難に遭ったから自称詩人になった?
うぅぅ、なるほど確かにそれはそうか・・・
凄く幸せな人間が
自称詩人になんかなる ....
まだ目覚めてもいない薄紅の真珠
花色の花弁に守られながら眠る
ゆっくりと花はひらいていく
そうして夜の雫を補給して
夜の手前に一服する
ああ、明日はなにもないといい
ああ、明日はなにかある ....
複雑な格子模様が錯綜して
意識は奥まり広がり響きの舞台となり
哀しみや歓喜や憤怒や悔悟や驚きや郷愁や絶頂や
あらゆる感情が暴露され晒されていく
*
遠い村の遠い海で
一日中泳ぎ ....
何故景色の良い公園に
カップルが集まるのだろう
ふと疑問が湧いた
そんな疑問を吹き飛ばす
ちょっとした強風
色んな年代の人々が
それぞれの目線で楽しむ
木々の多い
緑の多い ....
空は明るむ
昨夜の激しい雨など
もろともせず
虹がかかったとも聞いた
いまは気配すらしないけれど
雨の日も
晴れの日も
過ぎてゆく
さて
今日はなにをしようか
期待を
背負えば
この身も
軽し
紫軍は勝てなかった
水色の汗を吸い終わり
またからからに乾き切ったグラウンドで
キミのバトンはキリキリと舞い
ボクはハードルの決勝で転倒した
ふたりのうちどちらかでも完走出来ていたなら
....
密林にようこそ
ラジオが歌ってる
モールス信号に訳したら
またすこし世界が近づく
そう思おうと決めた
薄い砂の膜に包まれて
ゆびを十字に重ねて覗く
あれを撃てと
撃って羽ばたく
....
彼女は誰かが楽しんでると
もう、辛抱ができない
あれって何が楽しいかわかんないの!
コップを叩きつけて
ミルクのこぼれたテーブルにも悪態をつく
”なんだか毒みたい”
彼氏は上の空で ....
うすぐもり
ベランダから
なにを見ているんだろう
虫
鳥
雲
それとも
窓
ひとだけに
不自由がはびこる
気づくと
いつ死んだかわからない
カタツムリの
はりつめたよ ....
暗く湿った歩道
街灯の灯りに照らされて
所在無げな影が時折長く伸びる
ゴム底の足音は小さく
重さを感じさせない
薄暗い公園の前で
ほんの少し立ち止まる
何かが気になったのか
そ ....
傾いた沈黙を落下していた
喉が黒くなるまで回りながら
部屋と丘を繋ぐのはひかりの澱
落ち葉の形をした唇が震えながら捕まえる
どんな苦労を積んでここまで無口になったのか
愛する人との別れを ....
罪の震える夜でした
街はしじまでその路地に
猫がみゃぁ〜と泣きました
星も降らない秋の鈴
どこで鳴るのか胸の奥
今夜こんなに光る月
罪は震えて紅葉色
....
一番初めに考えるのは
パイずりのことなんだけれど
それと言うのもね
昔、友達(新郎)が結婚式の
二次会の終わりに
「今日から毎日パイずり出来るぞー!」
って叫んでいたのが
とても印象に残 ....
理由もなく
ただ休みたい
生活の音を
聞きながら
ゆっくりと
過ごしたい
パジャマのままで
目玉焼きを作るから
僕の代わりに
世界を見て来て
薄っぺらいパンに
寂 ....
「迷いは良い。お前は死すべき存在だ……」と、エインスベルは言った。
右の手には、クォータースタッフを携えている。
魔導士にしてはあるべからざる、戦闘的なあり様だ。
フランキスは、その右を、その左 ....
──「お前は誰か?」と、言った者があった。
フランキスは慄然とする。それは、エイソスか? それとも彼の侍従か?
いずれにしても、「わたしは誤った」と、フラン騎士は思った。
祭祀クーラスから言い使 ....
再び時と所は変わって、ここはエイソス邸の前である。
フランキス・ユーランディアは、エイソス邸の塀の影に隠れていた。
(わたしは、祭祀クーラス様の辞令を受け賜った。
この国のため、祭祀クーラス様 ....
腰の曲がったおばあさんは
下から世界を見上げます
澄んだ眼で街行く人を見つめます
そしてひとりゆっくり歩を進めます
生きる静かな執念です
腰の曲がったおばあさんは
昼間ヘルパーさんに家 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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