少し前まで{ルビ賑=にぎ}わっていた
デイサービスのお年寄りが帰り
部屋ががらんと広くなった
{ルビ掃除=そうじ}の時間
いつも掃除機をかけるおばちゃんが休みなので
「じゃ、俺 ....
連詩は
ひとつの詩を作る
連歌は
別々の歌を作る
半分だけ重ねながら
575と
77
前と後と
一回ずつだけ
つながっていく
発句は
ビッグバンの最初の一撃
和 ....
お金ないと貧乏だ
貧乏って漢字もびんぼうっぽい
私はその貧乏の種類の人だが
小さいときは漫画のようにメザシだけ食ってた時もある
でも悪いが貧乏に生まれたくて生まれてきた訳じゃない
で ....
ぬっぺふほふ
脂身 から にゅるんと 手と
煮凍り から ぬらりんと 足が
新月の 夜道を ぺたりぺたり 歩いて
軒下の 薄明かりに ぐんにゃり うずくまる
こらあげん の 垂れ ....
悪戯がからだに忍び込む
その悪戯がうるさいのだよ
うるさいのは…なんというか
空を満たす透き通った布切れだとか
電気の波だとか
話し声
それらに押し流される私の意思
意思なんかカケラ ....
父さんと母さんが喧嘩した
それがただもう怖かったあの頃
母さんが家に戻ってこないのではないかと
おびえながらずっと外を見ていた
今日もまた喧嘩をしている
理由は知らない
母さんが泣いて ....
君の街を通りすぎる
たくさんの灯がともる大きくて
きれいな街
遠すぎて
普段は忘れているけど
たまに、この街を通る夜
僕は後悔する
毎日つらくてくるしくて、泣いていた僕たちは
ひとつの生きものみた ....
カメラの前で立ったまま自慰に耽る女にも生活はあって
幾らのギャラでそうしたのかは知らないが死ぬまで生きるには
到底たりない。そういう人は大抵、精神を病んでいるから
寿命なんて考えなくともよい。そ ....
深く、疾く、暴力的に、力を込めて、走る、日の経(たて)に向かって
はばたき、鋭く、力を込めて、飛ぶ、女が達するように
深い、夜の、暗い果てから、眼(まなこ)の地平に、群れなすつばさが
陽を統べる ....
春 近く
今 輝く大海の一滴で
水晶を濡らし
世界の浄化を試みて
春を待つ
植物らの冬ごもり
陽光の射角
昇り 高まる
温帯 東京は
冬の日光浴こそ
快適な遊び
....
ほんの少しのズレが妙に気に掛かる時がある。
いつも通りにそんなんテキトーでいいだろって思えないのである。
こう言うタネを放ったらかしとくと後々やっかいなコトになったりするんだ。
大事なと ....
一日の
一実
果てぬ夕日
咲く火種と火百合
戦場
兵去りては
祭場に
久坊
ひたひたひたと
足音を刻み
弔い
やがて列となす
間隔と感覚
墜えぬ景色も
また然りで
長とな ....
自転車に乗って
切り裂く無限がいとしい
風と共に過ぎ行く人の
寂しげな拒絶がいとしい
どこかへまっすぐに突き進んでいく
私のありあまる馬力がいとしい
どこかへ行き着くために ....
繋がる時間の中から
切り取ってみた満足と
引き換えることに
どれだけの価値を
求めるのだろう
幼い日に感じていた
大人の狡さで着飾った
無責任な言葉に
どれだけの意味を
見い出す ....
だれが詠うか知らない
法螺貝の夜の裡で
しだいに硬度を増す湯桶のなかの水
その漆塗りの器を打つ釘が砕け
またひとつ砕けて黒い胞子をとばす
一方ではわたしの腕に
抱かれる男の色素が剥ぎとられ ....
あたし 突っ転げたところ鰐の背で
見るまに針山で ぬらぬら切先あかく
ソラつきぬけて ソラより
靴底のおおきな口で
お腹いっぱいおおきな欠伸で
お腹いっぱい食べられそうな
野ぶとい喘ぎで着 ....
夜になったらねむくなるのはすてきだ
きもちいいだるい感じなんだ
もしイライラして空気がビリビリしているなら
そのささくれがしおれるのを待つことだ
ただそのささくれが治まらないなら
そ ....
想いを言葉に出来ないもどかしさ。
例えば、素晴らしい詩を読んだ後だとか。
人生に衝撃を走らせたそれを表現する術を拙い僕は持っていない。
情報の海を泳いでいく。
波をかき分け目的もなく彷徨っ ....
欲しいものはいつだってこの手の届くところにあった。
赤い積み木。母の微笑み。阻むものなど何も無かった。
だけれど今どんなに何かを求めても、
赤い残像。人のぬくもり。指の間をすり抜ける。
幼さ脱 ....
生きてるって何だろう
そう考える事って意味が在るのかな
毎日が辛いんだけど
どうすればいいのか判らない
考えてみるんだけど答えが出ないんだ
考えて考えて考えて考えて
誰にも言えない ....
路地裏の傘傾げ
死ぬときは
風邪をこじらせてと決めていた
かんざしではないことを不運に思いながら
奥さん、
こっそり呼びかける
その塗箸は
やはり孤独でできているのですか
視線と光線が結んだら
さらさら
妖精が発生してゆく
セロファン製のダンスを舞う
朝をひたひた含んだ妖精のペン先が
愛されなかった夜の輪郭を
透明線で描き直してくださる
....
床のない家に友達を招いて
余興で柔道の真似事をして
私が投げ飛ばされた途端に
床が抜けたので大変驚いた
振り向いてくれない 冷たくてうすい猫の耳です
気まぐれに揺れるリズムの 尻尾を乱暴につかみます
いい匂いのするおうちに 僕もはやく帰りたい
やわらかい布団に包まって 37℃の温度を感じていたい
....
あの棟では人が焼かれるそうです
薄い夜のカーテン 眠れるはずもなく
白い一筋の骨
私の白い手
日だまりの車内で
広がったしあわせの唄
口ずさんで数秒
声の重なる時は
いつも 同じ
お気に入りの
澄んだ高音の
サビのとこ
大体どっちかの声が掠れて
....
空にはしごが掛かっていた
消防車よりも
うんと長いはしごだ
足元には
きれいに綿布で包まれた
弁当箱が置いてある
きっと箸箱のように
明るい性格の奥さんが
毎朝持たせてくれるのだろ ....
話し相手もいない
寂しい大地
哀しくて眠れない夜は
誰かの髪のすきまを
すり抜ける風になりたい
明け方まで星の
瞬くさまをみていたい
星の移りは
エンドロールのようで
焚き火 ....
梅は前線を作らない
梅前線と決して言わない
ぽつぽつと
五月雨がやがて降りしきるように
いつの間にか咲いている
あちらこちら
あたたかな
山肌や
木々や
家々の壁を背負って
大 ....
銀座一丁目行き
まるでバスのような行き先を掲げて
開業した際に導入された電車は
千代田線のマイナーチェンジで
目新しさはなかった
けれど当時
沿線に従兄弟の家があったから
山吹色 ....
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