花から花へ
飛び廻る蝶のように
わたしのたましいは
かろやかに
破壊と暴力を孕みながら
次々と新たな時を
点火していく
*
震える両手に溢れるもの
痛む両眼を支えるもの
....
おばさん
おばさん
教えてよ、おばさん
どうしておばさんになると
おじさんみたいな顔になるの?
口の回りが
青くなったり
鼻の穴が黒くなったり
眉毛が濃くなったりするの?
おばさん、 ....
良い意味で
もうどーでもいいよ
と思う時がある
何もかもが
大事だから
不幸中の幸いで
命は
助かった
魂という
命が
誰も知らない
私の涙を
私だけは ....
余は高齢ペンギンであるぞ
腰はみじんも曲がっておらぬとはいえ
前傾姿勢が急であるからして皆のもの
頭が高い。
予は皇帝・・してどのあたりがペンギンの
腰であるか?
かくかく しかじか ....
遅く。何遍もの楓を越えて遅く。
ホウ砂が切絵の上に散らされて、
磁針は下方に引かれて薄く破る。
(それをボールに乗せ弾ませたい。
上昇してさらさらと粒を降らせ、
線になり点になり、見えな ....
{引用=*}
溺れそうな空
まつわる光はまつ毛に重く
秋桜に迎えられ
坂の上まで送られて
いつも喪服を着た
踏む者もいない影が
ことばを忘れたものたちの
風とまぐわう声を聞く
....
雨が降る
激しい、激しい
雨が降る
漆黒に濡れ光るアスファルト
雨垂れは規則的に軒先から落ち
わたしはコンビニのイートインにて
濃いアイスコーヒーを啜っている
さみしい気持ちとあ ....
地下駐車場に止めてあった高級外車にガソリンをかけて火をつける
三つ又の銀色のエンブレムがボンネットの先端についている
メルセデスベンツぐらい、クルマに興味のないおれにだって分かる
炎が上がり、熱 ....
三日も止まない雨
時々全部夢だと思う
戻りたい頃があることに驚く
どうせ血の塊
形があって何か考えてられる方がおかしい
生きとしいけるもの皆
間違えた道の一例に過ぎなくて
何故心 ....
空き箱に仕舞い込む影がちらつく
ガウンを追いかける
わたしと長い髪
暗示だけ逃げ出してしまったから
シーツもギブスもゼンマイも
鯨野原の大通りから逸れた巾着から
七曲りの空中散歩の ....
引き延ばされた時のうえに横たわっていた
何度も 何度でも細い管は出入りして
その間何を思うこともなく
何かが出来るはずもなく
ただ横たわって耐えるだけだった
この心臓は何度も死んでは再生 ....
二〇二一年十一月一日 「現代詩年鑑のアンケートへの返答」
現代詩年鑑のアンケートへの返答
詩集5冊
高柳 誠 『フランチェスカのスカート』
荒木時彦 『(Aの一日)』
長田典 ....
昔小田急線の駅で待ち合わせた友人と
顔を合わせることもなくなった 僕は
暗い駅の改札で 今は 手を一人で振っている
光景だけが はっきりと 存在していた
心のようなものを失くした
裸になった
代わりに心になった
裸足になった
切なくなって
よろしくと言った
はじまりはいつもびぎん
じっとしていた
ヨーグルトになった
甘くなくて、懐 ....
風が吹いている
風は絶えず吹いている
新たな行為をしよう
この現実に刻み込む
新たな行為をしよう
この生は死と共に終わる
君は、
生きる気力がどうしても湧かないまま
暗闇にずっ ....
アメリカのボスが牢屋にやってきた
わたしは間髪いれずに口火をきった
「アイム ソー ロンリー」
オウ ユー ロウニ?
「あたなが牢に入れたね」
テジョウビ オメデトウ
「手錠日、おめでたく ....
欲しいものがなくても
コンビニまで走った
あの人の好きなものを
まだ知らないから
お酒も煙草も
ガラスの向こうで
光って見えた
いつかは
扉を開けて
渡せるように
少し ....
眠るために酔おうとして
酔えない夜は
もうろうと想う美しい
風景が3ミリづつずれてゆく、
神さまの
立ちくらみみたいな世界
天使なんているわけないだろ
そん ....
私が走らせた蒸気機関車は、よく知る町を通り抜け
床屋の駅を出発し、歯医者の駅を通過して
商店街が途切れた所で、踏み切りとぶつかった
動けなかった
驚いて見上げた先に
もっと大きな蒸気機関 ....
晴れた日の
坊やの散歩コースは
いつものように
街を一望できる
丘の上の
見晴らしのいい公園
ベンチに腰掛け
秋の景色を眺めるのが
好きで好きで
たまらないから
....
いつからだろう
わたしは
目的をもつことを止めた
ただ気ままに
気の向くままに
いきてゆきたい
そんなことができるものだろうか
そんな風にさえ思ったこともあるけれど
まあまあなんとか
....
時の狼についに追いつかれたようなので
私はおとなしく、魂を差し出しました
でもそんなものには目もくれず
彼はただ私の両手を奪っていったのです
そうして、残された足で
私はまた時の狼からの ....
ひたすらうずくまって眠るが良い
歯が、砕けてしまうまで
宇宙を諦めた猫達が
そう、教えてくれました
声にならない、にゃあで
ひとつひとつ綺麗に刈り取られた満月の
黄金色の 子のキミの
花も実もない雑草の名など
どうでもいいことだけれども
そのあたまだけ齧り、
すこし頂けるとするならば
秋の音も、すこしは
....
私の
何処かに
スイッチがあって
触れただけで
起こること
起きてしまうこと
さて
何?
爆発
そんなもんじゃないよ
もっと凄いこと
試してみてよ
責任は持たない
何処かにあ ....
静かな時計が刻む時間はいつだって死んでいる気がする、死体の時の中で焦点のない日々を生きて空を見上げるころにはいつだって太陽は姿を消してしまっている、ヴァンパイヤのような一日の始まり、でも夜通し起き ....
自称詩人がイイね欲しさに
読んでもないのに
他の自称詩人にイイねを入れることを
取り締まる法律が発令される
違犯した自称詩人は
死刑または死刑に限りなく近い拷問の刑に
処せられた上に
家 ....
表層を滑っていく
知識をたんまりため込み
現実的な人生経験を重ね
ひたすら
表層を滑っていく
君は私という人間を
遺伝子の単なる乗り物だと
運命に支配された存在だと
思慮深げに言う ....
肌をなぜて光るそよ風も
常に新しい
あなたも
初めての時を生きている
初めて また会えましたね
そうだ!
どうにもならない時は
天に任せるしかないと
友が言ってくれた。
....
朝 煙草を吸う朝
コンピューターを開く 血行はながれよく 生政治は正常
けれど無為の情況?
簡単に作ったゆで卵とチリドッグを食べる
食い終えたあとシャーペンをノックしてノートを開いた
今日も ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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