斜めに西陽の差す南向きの玄関から
黒光りする板の間を
やわらかく抜けていくと
暗い茶の間で
老人が折り重なって
お茶をすすっている
欠けた茶碗が
指先でかさこそと音を立てる
奥の部屋で ....
その人なしでは生きていけない、とか。

その人の為に生きていく、とか。

よく聞く月並みな台詞は 相手に完全に依存しているようにしか聞こえない。



愛とは、究極の相互依存の形なのだ ....
幸せになりなさい
私の分まで幸せになりなさい
こんなところに君はいてはいけない
こんな暗闇の中に君はいてはいけない
私は放っておいてはやく行って
光射す眩しい世界へ

私はここから出れな ....
「悲しいからとか
寂しいからとか」

そんなんじゃなくて

『あいたいからとか
一緒にいたいから』


そんなわけで

きみと


きみといたくて



それは
 ....
ぶどうはブドウとよばれてから
葡萄になったのでしょうか
私が生まれてきたとき
やさしくよばれた名のように

もう一度、問うてもいいですか
せみはセミとよばれてから
蝉になったのでしょうか ....
1.
この暖気は彼方から来る
唾液の滴る地平より
巨大な湿地帯を通りぬけ
じかに私の肺臓に進入し
私を喜ばし慰める

この暖気は途絶えることがない
凶暴な森林を通過し
世界の不安な脇 ....
ひとしきり被ったあとで
ようやくアレルギーに気付いたが
どうやら手遅れのようで
ああ、また、目が痒い

我慢していても
くしゃみが止まらないから
たちまち
みんな逃げてしま ....
遡っているのか白い記憶
冷たい爪先に鈍い色で彩られた爪
無色透明の糸
引裂かれたのは死との境界
紅き血を纏い、糸は染まる
紅い糸になりすまし
彼方の顔をした肉片が笑う

赤い糸は運命の ....
全てが
消えそう、


消えるのは
自分一人で
十分だよ、


"逢いたい"
そう君に言ったら
今から家にいくって
言ってくれる??

 ....
時間だけが過ぎてゆく
毎日事件が起きる。
TVを見る聞く話す
本を読んで、日記を書く

時間の旅人
砂漠をさまよう
目的も持たずに
ただひたすら歩く

やさしい嘘
ポーカーフェイ ....
あまつぶの音が好き

トタンを叩く
タトタトタンタン


空からいくつも
銀色の糸がふってくる

タトタトタンタン
トタンを叩く


お家のなかで
絵本を読んで
ピアノを ....
彼女は背が高い。
その所為か、いつも薄べったいデッキシューズを履いている。
ラバーソールを履いた俺よりも、少し大きい。

彼女はサバサバしている。
誰とでも分け隔て無く喋るし、よく笑 ....
ばさばさ

斬りこまれるたび

どうしてだろう

鏡のような

湖面を 想う
いつも急かされていた
一日の終わり
夕陽が赤く、夢色に輝く瞬間を
見逃すまいと思って

十二月の太陽はとても気が早くて
僕はいつも置いていかれた
その瞬間に間に合いたくて
僕はいつもせ ....
裏切り者の
地平線は
沈む

沈んだ
地平線から
朝が現れる

目覚めた時から
裏切り者は
傾く

傾いた
日常茶飯に
安住の平野はない

転げ回っているのか
追 ....
[電柱からメリークリスマス]

日本刀のような鋭さ、練磨

汚れた電柱ときれいな電柱を、縦にゆっくりつなげている

昔からあるデパートの高さまでがんばろうと、ずっとつなげている

雪が ....
バンドマンの友達がバンドを止して
路傍で氷売りの仕事をはじめたので
君は今日からアイスマンだねと
親しみを込めてそう言ったら
頭から熱湯をかけられた
プリンは大変うまいが
もっとうまくしたいと思い
鰹の出汁を加えてみたところ
それは茶碗蒸しであると方々から叱られ
私は心に深い傷を負った
煮物と書いてにもつと読む
そんな名前の女の子が
昔クラスメイトにいた気がして
卒業アルバムをひもていてみたら
集合写真にお化けが写っていて
怖くて眠れなくなった
  
友だちは
ついにあなただけだ!

と妻に言ったら
きゅうにあほらしくなって

けれど、四歳の息子に
まだ友だちがいないことに気づいて

お父さんと
友だちにになろうね

 ....
もし(まことの人)がいるならば
一体、どんな面影の人であろう? 

彼は、この世の体という{ルビ着包=きぐる}みの内に 
薄っすら透けた(もうひとつの体)を 
宿している。 

机上に丸 ....
祖母がこの世を去る朝 
何処か遠くへ
吸いこまれそうな場所から 
必死で僕の名を呼ぶ声に 
目を覚ました 

数日後、教会の告別式で 
神父は聖水を遺影に撒いて 
額に納まった祖母の笑 ....
毎朝
目覚めると同時に生まれ

毎晩
眠りに落ちると同時に死ぬ


鳥たちは
何度もくりかえし
向こう岸から飛び立ち

そして必ず
契約の地に着く前に
力尽きて墜ちる

 ....
啓蟄を過ぎると
乙女座流星群が始まります
桜が咲く頃には
その別名を Shambleau's meteor shower

掃晴娘
空高く青い瞳の彼女
晴雨請晴
ひまわりの黄金分割
 ....
 
他に歩むべき人生が
あったのかもしれない

でなければ
書かない
わたしはこの詩を

書きかけた
紙をもみくしゃにして
くずかごに捨てた
はずの詩を

他に歩むべき人生を ....
ベビーカーを若い母親が押している
私のお腹には先刻食べたたこ焼きが入っている
これがもしも、あなたとの子供だったら…

あなたがお好み焼きを食べながら笑っている
私は嬉しそうに、ビールを飲ん ....
誰かに話せば
ありえないって笑われる
そんな恋愛ばっかりしてきたよ

だけどそれでもよかった
何よりもただあたしは
一人でいるのが怖かったから

いつも誰かの特別でいたくて
 ....
泡立つ日々が流れ込んだマンホールの軋みが
白い歯に残ったメンソールの味までその振動を伝える
語りたい人が誰なのか
語りたい事がなんだったのか忘れてしまう頃に
マンホールへ流れ込む泡立つ日々は海 ....
白い歯がボロボロと抜け落ちていくので、笑いながらパカパカと
不安を吐き出していると、隠し事は良くない、と先生、みたいな
真珠貝に言われてしまって、その口にどうにかしてフタをしたい
と思う ....
いつかまた出会えるって信じてた

だって世界はまわっているから

でもフカンで見れば
すぐわかることだった

あのときを最後に
あたしたちの道は終わってた

たどってもたどっても
 ....
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
祖父と出会うオイタル3*09/2/7 19:57
弱者の宝エルメス2*09/2/7 19:55
偽善じゃない、真実緋月 衣瑠香11*09/2/7 19:24
理由より大事なこと。Sa;109/2/7 19:06
決意[group]たりぽん(大...9*09/2/7 18:18
彼方から音阿弥花三郎009/2/7 17:47
ねこ山中 烏流3*09/2/7 17:33
fate color≪運命の色≫きるきすみー009/2/7 16:10
伝わらない、感じない柚葵109/2/7 15:39
サーロインペポパンプ2*09/2/7 13:09
あめのひにィ109/2/7 11:29
シャノン・ハガーについて。虹村 凌4*09/2/7 11:29
榛原花那1*09/2/7 11:24
幸福五十里 久図209/2/7 11:00
逃亡者nonya8*09/2/7 10:25
[電柱からメリークリスマス]satyri009/2/7 9:50
セガール、ご...009/2/7 5:09
工夫11+09/2/7 5:08
煮物109/2/7 5:06
友だちが欲しかった小川 葉709/2/7 4:02
永遠の塔 服部 剛409/2/7 3:22
復活の手 1+09/2/7 2:40
ニューロマンサー大覚アキラ109/2/7 2:13
88鍵のためのエチュード/天象航路海里109/2/7 1:26
くずかご小川 葉209/2/7 1:13
心にあなたを、胸にこの子を智哉009/2/7 0:35
夢見る女の子みなた209/2/7 0:03
君と80cmフミタケ4*09/2/6 23:57
噛みつく童話3*09/2/6 23:42
もう出会わない真琴0*09/2/6 23:26

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