右手の中指の先から
「私」が さささーっと
砂のように崩れ散っていきそうで
怖いのです
崩れ散った「私」のつぶつぶたちは
風に乗ってどこへやら
かろうじて残った「私」の残骸は
恥 ....
月のにおいに騙されて
何度も弄ってみたけど
君はとうに冷たくて
はだけた呼吸がきこえない
窓のそとは晴天で
あしたの海を汚している
僕らはよごれた布のうえ
ほおに波だ、と眠 ....
それは
砂糖一袋分の時間だという
いったい何のことだか
あなたの言うことは
時々なぞなぞみたいで
私にはよくわからなかった
息が苦しい
100対3で、塩の負け
なんの勝負だ ....
殺風景なガラス張りの待合室に覚える
独特な曖昧さを避けてみるのも一興と敢えて
乾いた風の吹き抜けるホームに佇んでみた
乗ろうとして乗らなかった準特急の走り去った先には
見覚えのある古い建物 ....
ということにしとく
釣り上がった左へ光ろうとしている
私の内で音が泣き止まない
においのなかで弦を弾くむ 地上から目を出す
股を開いて唾かないで
やさしい
眼の奥が温かい 身体が知っている
雨が結ばれ ....
あしたはほしをひとつかくしておきます
あなたにはどのほしだったか
みえることはないでしょう
かわりにひとつ
なみだのしずくをかいておきます
てるてるぼうずのひとみのしたに
そちらで ....
ああ
こんなにも怖がりで
弱虫で
ちっぽけな
私がいるよ
薄い膜一つあるかないかで
本当は変わったりはしないよ
いいわけを探すなら,他のことにするといい
あるいは,欲しいものは,本当は
たかが0.02だか0.03だかの
向こう側にしか存在しえな ....
ふと 冷たいものが
ほほをよぎる
おもいになりきれなかった言葉のつづき
面影が
しだいに遠のき
消え入りそうな雪に
霞んで
一人ここにいる
わたしの影
幻のように
きらきらと
雪 ....
愛に迷う朝の瞳に抱かれた
木陰は透きとおり
空へと還る一つの現象で
(降っている、)
砕けた青の波を
すべりおちていく冬の光
潤滑する霧のなみだは
雪片を
あかあかと燃 ....
うずくまるハンガーを
揺すったのは沈黙
結露のむこうにしろい
こうもりの舞う
私だった制服の
傷口みたいなスカーフ
を抱きしめられない半袖さえ
やわらかい、夜に
おり ....
プツリプツリと
切り落とすたびに
何かを
はじいてしまったような
夜のはざまに
落ちていく
三日月のような
たくさんのかけら
研げばいい
ぴかぴかに
磨き ....
上皮が裂けた左手の指にいつか巻きつけた絆創膏の糊の痕、冷たい、冷たい気持は午後を滑落しながらやがて来る夜の暗闇の中へ俺を誘う、そんな景色は何度も見た、そんな景色は…まるで形 ....
にゃーン
零下15度の夜中に捨てられた猫
図書館員に拾われ
図書館で育てられた一匹の雄猫
にゃーン
鳴いているだけなのに
苛立ってばかりいた男の人が笑った
自閉症 ....
未来に流れる音楽を
私は耳にしたい
大切なもののそばで
いつかは止まる音を
大事にするのが生き物で
それは君も私も同じ
失うことを知ってるから 失わない強さを持ってる
過去の ....
くるくるとまわすターンテーブルの上で
二つに切り分ける
シロップにつけられた甘い桃と苺の酸味
甘みを押さえた生クリームでそれを包み
スポンジで優しくはさみ込む
上下の位置をあわせてゆっくり
....
たくさんの人が住むほど たくさんの木々が茂る
そんな世界にしたいね
人生の終末が近づくほど 朝の光や鳥の声が輝き 日々を丁寧に生きる
そんな人生を送りたいね
休日に汗を流すほ ....
北欧家具とJBLのモニタースピーカー
ホーンジャックを脈々と流れるラウンジ・センチ・メランコリー
250円のコーヒーとポーターバッグとライブの話とカフェの7Fとで
若くも渋谷なわけでちょっと決め ....
「女はすぐ泣くから嫌だ」
女は・・・・だといいながら、私たちを泣かす上司
「すいません・・」
「すいませんしか言えないのか?」
はい、それしか言えません。と心の中で思う
正直仕事の役 ....
[銀波]
あおじろいいのちが
誰かの胸にともる頃
あなたの耳のなかに
夕暮が入りこみ耳の
中で星たちはしみわ
たる水の音を聞き入
りながら瞬き始める
[tears] ....
冬菫に
ささやく想いは
遠い日の
夢のおとした
かそけき影は
ひそやかな紫
冷たい風のなか
冬菫に
ささやく想いは
遠い日の
夢 ....
空というものに
きっと知らない世界があると
雲の大きな
さかさまの地面をけって
落ちてきた
僕が笑っているので
なんだか
ほんとうに
なんだか
スぅっと遠くに
泳いでいくクジラにな ....
雪が私の小さな夜に降りしきます
冷たいものを無限に受け入れて
静かなまま染まるのです
記号という名前だけをもらった
小さな星雲たちみたいな
街灯が青白く照らす夜です
星を頼りに渡る鳥は ....
朝を歌う鳥が
私の朝に光を照らす
まだ明け染めの空を泳ぐ鳥たちが
大地を覆う絹布を一枚一枚啄ばんでいく
家並の背中を見つめながら
廃墟の町にも日は昇り
鳥の声と木々の呼吸が
巷の影を ....
わたしが蝶であるなら
世界がむき出す筋肉の紫の静脈の盛り上がりを
ペロリと舐める
その時の世界の激しい快感を 想像出来る
わたしが蝶であるなら
世界が秘めている恥部 その柔らかく熱い粘膜 ....
ケータイメモリー消去しても
あなたの記憶は消せやしない
ケータイ二つにへし折っても
あなたはまだ生きている
僕のやつは酷く歪んでて、君が一生懸命研いでくれたとしてもなかなか綺麗なカタチにはならないと思う。でも確実に良い方向には向かうと思うんだ。僕もこんな醜いのは嫌だから。
君にばかり苦労はかけたくないか ....
私の祖父はうまく焼けなかったので
2度焼かれるというレアな体験をして
ウェルダンされた
生乾く人
小林宏史という写真家の本に『死と葬』というものがあ
る。インド、カルカッタ。寺院の前 ....
テレビの画面、右上のコード、気にならないだろうか。
ベランダの隙間から、冷たい空気が入る。
気にしているのは、右足の先端だけ。執拗に表示された
コード。
朝までには、眠らなければならなかった。 ....
3889 3890 3891 3892 3893 3894 3895 3896 3897 3898 3899 3900 3901 3902 3903 3904 3905 3906 3907 3908 3909 3910 3911 3912 3913 3914 3915 3916 3917 3918 3919 3920 3921 3922 3923 3924 3925 3926 3927 3928 3929
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
5.36sec.