2畳もないキッチンで洗い物を済ませる
食器が触れ合う音が
夜の静けさに吸い込まれていく
君がくれた習慣で,ハンドクリームを塗る
緩慢に手をこすり合わせる音も
静けさの中に吸い込まれていく ....
ばっぱが死んだよ
連絡がはいって
いくつかの列車を乗り継いで
たどりついた実家の居間のテーブルに
イクラの寿司があった
食べていい?
誰もこたえないので勝手に食べた
掌もあわせ ....
シーソーシーソーの音階で
救急車のサイレンが頭蓋の蝸牛で螺旋を描く
シーが何をソーしたのだろうか
目的語のいらない自動詞で言い切っているしかも過去形。
竹箒でレレレのレーで長三和音 ....
シャボン玉のなかの、人気の無いシャッター通りを
くぐりながら、眠れない半分の顔は暗闇の書架を見上げた。
玩具の戦争が終わったら、地平線のうしろに隠してある
重油の山を売り払って、腹が裂け ....
とても
とても高い所から
落とされて ばらまかれたみたいに
路上には大勢の人々が
ざわめいていて
それぞれがひとつずつ
何かしらの凶器を隠し持っている
とても
とてもありふれた所から
....
飽きちゃったな 私
この暮らしに
だから 窓からスルリと抜け出して
気ままな旅に出たのです
とにかく風がきもちいい
なにも持ってない
むき出しで 投げ出しで ....
あなたの笑顔を
ずっと
ずっと
守るのは
わたし
その笑顔は
ずっと
ずっと
無敵
わたしの冷たい手と
それを包む
あなたの温かい手
月の晩に 海へ還った
星の瞬き のぞいてみたよ
君はいまだ 夢のなか
朝はまだ 来ないようだな
透明なグラスになにをそそぐ?
君は 愛とでも言うのかな
夢で始まり ....
1
そして皮膚が脱げていく
鳥になって
JRの中にすごいあふれて
ホームのドアが開くたびに散らばって
ぶわっとなりながら
短い永遠とたましいを乗り換え
不安と怒りは眠りと平坦な祈りに ....
わたしは川になりたい
草原をうるおし、森をいつくしみ
たくさんの魚が群れ泳ぐ
川になりたい
やがて大きな海にそそぐ川に
わたしは、はるか大地のおく
山の斜面にねむる池。夜ごと
星が ....
夕方
台所に立つ妻は
鼻唄を歌っています
口ずさむメロディーを聞いていると
妻の笑顔を
永遠に失いたくないと思います
しかし
人間の生は永遠ではない
出会いがあれば
別れもある
....
上司のキツイ喋り方が
心に爪を立てる
一ヶ月前から
楽しみにしていた
恋人とのデートが
中止になった
心にぽっかり穴が空いた
いつもマメなあの子に
....
おいで
おいでよ
きみのためにもいいから
ぜったいにおいで
aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaahhhhhhhhhhhhaaaaaaaaaa ....
手のなかの電池の切れた携帯電話だけが熱かった
毎日一度も鳴ることはなく
しかし今日も握りしめて生きている
何もかもが煌々と夜を照らしても
手のなかの電池の切れた携帯電話だけが熱かった ....
側頭部のねじが回っている
にちにちにちにちにち…
脳が絞られるように さみしくなる。
あしたもこうだろうか
なんにもない日だ
さっきから携帯電話が光っている気がするけれど
ほんとは ....
姑獲鳥 (うぶめ)
抱いてください 父を知らない不憫な子ですが
抱いてくれたら あなたに幸運が訪れます
身体が重いのは あなたの力を試すため
息が冷たいのは あなたの情を試すため
....
昔 あると聞きました
麦畑の中に人魚を見た人の
人魚のうろこは虹だから
サングラスで消えてしまった ケドの後
残り物に期待すらした
私とあなたと飼い猫は
すべてを同 ....
なんで
そんなことするのっ
やめなさぁい
やめなさいって
いつも言ってるでしょ
なに見てるの?
聞いてるのっ?
ちゃんとこっち見て
聞きなさいっ
なんでしたの ....
白梅も微睡む夜明けに
あなたしか呼ばない呼びかたの、
わたしの名前が
幾度も鼓膜を揺さぶる
それは
何処か黄昏色を、
かなしみの予感を引き寄せるようで
嗚咽が止まらず
あなた、との ....
クロワッサン クロワサン
まなじりから噴き出す血で
壁に矢印を書いた午後
みんな走る
みんな追う
みんながみんなを追ってゆく
矢印は乾く
黒く笑う
....
海辺に目覚め
布団は血まみれ
真夜中の床屋
不良に目をつけられ
街じゅう逃げまわり
夜明けに手打ち式
波の音しずか
しずか
....
たくさんのこぶ
たくさんのこぶ
ブラインドの空の切断面
白わたる光
目に触れる光
滴をまさぐる指の腹
かたちをかたちに呑む光
....
何だろうか
何だろうか
溢れ出しそうな気持ちや言葉があったはずなのに
あなたを目の前にすると何も言えなくなること
不満やワガママを言いたいのに
あなたに優しく髪を撫でら ....
プランタで育てていた
紫と黄色のパンジー
久しぶりに目を向けたら
ぜんぶ乾涸びてた
さっき気が付いたの
可哀相な子
綺麗になった時間帯が
私の荒みきった日に
ちょうど重なったから
....
ガラガラと音を立て崩れる建造物
くらくらゆらゆら揺れる我が身
壊されてひいてもおしても開かない扉
誰も僕のことを救うとわおもわなかった
僕らの命がもてあそばれ
....
夢じゃないみたい
広がる風景
明るい教室
古いオルガン
単調な音色
鉄棒を握った手の匂い
山裾に広がる広い田圃で
クロスカントリー
わたしは
大嫌いだった
夢ではないけ ....
重ねて重ねて過去のものにして行くしかない。
思い出すのがメンドーになるくらいに。
あの時笑ってたのはウソではないけれど、今夜笑えないのもウソじゃあない。
少しアクセス間違えただけ。
....
またね
行き違いの電車が同時にすべりこむホーム
確認しあって背を向けた
またね
すれ違いの苦味をかみ締めた日
精一杯でそれだけ言った
またね
お互いの気持ちを伝え合う ....
隠さなければいけない過去。
隠されてしまう過去。
脂汗が流れるときだ。
見つかってしまったポートレート。
今朝わたしは一匹の蛾を発見した。
それは見事な蛾だ。
たれもみつけられない た ....
鳥と話が出来たら、教えてやろう
あの明るいのは火星で、地球と同じように岩の塊で、
風が強くて、とても寒い
その先の木星はガスの塊で、すごく大きい
鳥は言うだろう
そりゃぁ、すごい ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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