姑獲鳥 (うぶめ)
抱いてください 父を知らない不憫な子ですが
抱いてくれたら あなたに幸運が訪れます
身体が重いのは あなたの力を試すため
息が冷たいのは あなたの情を試すため
....
昔 あると聞きました
麦畑の中に人魚を見た人の
人魚のうろこは虹だから
サングラスで消えてしまった ケドの後
残り物に期待すらした
私とあなたと飼い猫は
すべてを同 ....
なんで
そんなことするのっ
やめなさぁい
やめなさいって
いつも言ってるでしょ
なに見てるの?
聞いてるのっ?
ちゃんとこっち見て
聞きなさいっ
なんでしたの ....
白梅も微睡む夜明けに
あなたしか呼ばない呼びかたの、
わたしの名前が
幾度も鼓膜を揺さぶる
それは
何処か黄昏色を、
かなしみの予感を引き寄せるようで
嗚咽が止まらず
あなた、との ....
クロワッサン クロワサン
まなじりから噴き出す血で
壁に矢印を書いた午後
みんな走る
みんな追う
みんながみんなを追ってゆく
矢印は乾く
黒く笑う
....
海辺に目覚め
布団は血まみれ
真夜中の床屋
不良に目をつけられ
街じゅう逃げまわり
夜明けに手打ち式
波の音しずか
しずか
....
たくさんのこぶ
たくさんのこぶ
ブラインドの空の切断面
白わたる光
目に触れる光
滴をまさぐる指の腹
かたちをかたちに呑む光
....
何だろうか
何だろうか
溢れ出しそうな気持ちや言葉があったはずなのに
あなたを目の前にすると何も言えなくなること
不満やワガママを言いたいのに
あなたに優しく髪を撫でら ....
プランタで育てていた
紫と黄色のパンジー
久しぶりに目を向けたら
ぜんぶ乾涸びてた
さっき気が付いたの
可哀相な子
綺麗になった時間帯が
私の荒みきった日に
ちょうど重なったから
....
ガラガラと音を立て崩れる建造物
くらくらゆらゆら揺れる我が身
壊されてひいてもおしても開かない扉
誰も僕のことを救うとわおもわなかった
僕らの命がもてあそばれ
....
夢じゃないみたい
広がる風景
明るい教室
古いオルガン
単調な音色
鉄棒を握った手の匂い
山裾に広がる広い田圃で
クロスカントリー
わたしは
大嫌いだった
夢ではないけ ....
重ねて重ねて過去のものにして行くしかない。
思い出すのがメンドーになるくらいに。
あの時笑ってたのはウソではないけれど、今夜笑えないのもウソじゃあない。
少しアクセス間違えただけ。
....
またね
行き違いの電車が同時にすべりこむホーム
確認しあって背を向けた
またね
すれ違いの苦味をかみ締めた日
精一杯でそれだけ言った
またね
お互いの気持ちを伝え合う ....
隠さなければいけない過去。
隠されてしまう過去。
脂汗が流れるときだ。
見つかってしまったポートレート。
今朝わたしは一匹の蛾を発見した。
それは見事な蛾だ。
たれもみつけられない た ....
鳥と話が出来たら、教えてやろう
あの明るいのは火星で、地球と同じように岩の塊で、
風が強くて、とても寒い
その先の木星はガスの塊で、すごく大きい
鳥は言うだろう
そりゃぁ、すごい ....
無言で積み重ねていく
毎日に奪われていくのは
ただ明日ばかりじゃない
物語を読み耽りながら
十年前の今頃を振り返っても
霞がかった記憶の端で
今と同じように不貞腐れてつつ
部屋の ....
目を凝らして
お月さまを見ていた
もちつきしてる
うさぎの目をさがしていた
うがいしてる時の
人の目は
どこにあるのかな
宇宙から
メッセージがとどく
僕はうがいし ....
ちゅうしゃじょうのかどっこで
おんなじところをぐるぐるしている
おちばや
ほこりや
こんびにのふくろが
あんまりわたしににていたので
おもわず
うずのまんなかへとびこんだら
....
いつまで
私はここで働くんだろう
そんなことをふと思う
なんでもない日
今日は何曜日
馬の合わない人
褒めてくれる人
利用するだけの人
気のありそうな人
競ってくる人
新人 ....
「男は何で浮気するの?」
その答えは
「そりゃあ生まれた時から女と違うから」
「生物学的にじゃない?」
「子孫を残そうとするからだよ」
「彼女が大事だって分かりたいから ....
動き出せ
立ち止まっているほうが 心地良い時もあるけれど
とりあえず今は
立ち止まってはいられない
こんなぬかるんだ地面の上で
じっと立っていたら
そのまま
じわじわと
埋もれてい ....
詩の一行一行に
花を咲かせたような
あの桜並木を歩く
僕には
名前を持たない
姉がいた
姉は木の行間をくぐり
幹の陰に隠れたのかと思うと
花咲き乱れる
か細い枝に立って ....
いつもブレザーの右ポケットに煙草をしのばせていたこのお前が
ヤリマンと噂になったこのお前が
右耳の3つの穴から世界が見えるこのお前が
合鍵で屋上にしのびこむのが好きだったこのお前が
....
窓のすぐそば 椅子の上
ひとりぼっちの熱情は
自分に酔っていたのだか
暗い車窓を覗き込む
灯りも家も何もない
夜の列車はゆれていた
なんとはなしにゆれていた。
手提げ袋を抱え ....
お前が汚れていくのなら
俺はお前の石鹸になってやる
お前のためにどんどん身を削ってやる
消えてしまいたいなんて言うな 俺が代わりに消えてやる
お前にとって俺は泡のような存在でもかまわないけど
....
机から滴り落ちる水
机には陶器の水差し
水差しの中に一匹の金魚
ブロンズのように沈む
誰も覗かない部屋の誰も触らない机
その上の誰が置いたのか分からない水差し
金魚は目を閉じて永遠にひ ....
深夜二時過ぎ 携帯のサイト覗いて
甘い言葉を書き連ねる 物語に吐き気がして
慌ててトイレに駆け込んだら 何処からか血の匂いがした
掻き消すように 狂ったカクテル喉焼けるまで飲み干して
動けなく ....
いつも同じ風景
いつも同じ席順
いつも違う組曲。
バスループ・ストップ
夕方 4:34
おじいさんがターミナル前で乗る。
夕方 4:42
初老の男 ....
肉が、声を、発する、ただそれだけで、わたしたちは、ひとまえではだかになることをやめた。
ものが、音を、たてる、物音が立つ、立つ、物音が、人以前が、立つ、それだけでわたしたちは、もう、こどものよう ....
猫は詩人が大嫌いだった。
詩人というものはやたらと猫を題材にしたがったからだ。
遠慮もなく猫を観察して、時には考え込むような仕草をする詩人が猫は大嫌いだった。
詩人は猫を観察するのが好き ....
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