忙しい日々から逃れ
疲れた体を暖めようと
平日の{ルビ人気=ひとけ}少ない温泉で
頭の上にタオルをのせて
露天風呂に沈んでいた
ゆげの立ち昇る
水面に
現れては消えてゆ ....
信号待ちの車の中
ふいに
シチューの匂いが
忍び込んでくる
こんなに濃厚なシチューを作る
幸せな家はどんな家だろう
と思うけれど
走り出した車の中
すべては押し流され
....
街の灯り
家の明り
月の光り
人々の生活
その全ては、こんなにも美しいはずなのに
どうして僕は
背を向けてしまったんだろう
あらゆる真実も
あらゆる道徳も
あらゆる美しい ....
幾千もの光の帯が
命を映し出し
月を包み取った涙の雫は
形を変えて地面に舞い降り
優しさと感性を育み
あなたを宇宙で唯一の
あなたにしてくれた
....
{引用=あなたが横顔を奪った。わたしを剥がしてしまった。小さく収縮する言葉だけを捉えて、他はもう要らないとごみ捨て場に投げ捨てた。あなたの全てを奪った。わたしは愛してしまった。世界はそれをわらった。} ....
饐えゆく冬の海に
筒の発破する
持続する星団のために
あおげば烈しく廻りゆく鶸の翼の
引きつれそのかき鳴らした下で
しだいに深みを増してくる遠夜を
洲浜の腕輪のなかに捏ねる
鴉片と姦通で ....
街が
スーラの絵のよう
わたしたちを呑みこんだ
白と黒の
点描画
友だちって何だろう
とても楽しくてたまらないのに
頭の中が問いかけた
友だちって何だろう
友だちって両思いかな
私はあの子が好きだけど
そしたら友だちっていえるかな
友だちって何 ....
2月14日
バレンタインデー
恋する乙女の決戦日
私が胸躍らせながらチョコを渡したのは何年前かなぁ?
恋する自分に嘘をつき、お菓子会社の戦略だ、と思ったこともあったっけ ....
夕暮れだ
一日は終わった、家に帰ろう
胸につまったチョコレートをぶち抜いて
スプーン一杯の金星がとんだ日
子どもの頃、じいさんが言った
『わしはビーナスじゃ』
新しい方向にボケよって
他には何 ....
ヤマが見える
ヤマが近づく
ヤマが眼前に迫る
ヤマである
ヤマがふわふわと
どかんとある
ヤマの成分は積み重なりである
紫や青や茶や
白や黄や黒や
いろん ....
愛してるよ
え!?
愛してるよ
え!?
愛してるよ
え!?
愛してるよ
え!?
愛してるよ
え!?
愛してるよ
....
鍵盤の上に並んで
組体操をしていた
それがどんな意味を持つのかも知らずに
グラウンドのライン引きは
いつも学級委員の役目だった
前にならえの号令は
何よりも優先されねばなら ....
こんな風に思うのは薬のせいか、僕のいない世間、舞台が騒ぎ続けているせいか
僕のはずのベッドに寝ている彼女が
甘すぎる虹色の飴玉を吐き出きだしていた
寝ながら飴をなめていたようだ
....
半分が水分であることは随分と優しかった
そして残りの半分は易しい
私があんまりにも絶望しないから もう死んでいるのかと思ったあなたが
トレーシングペーパーで写そうとした
有象無 ....
まだ背の低い中学生だった
キリスト教系の学校だったせいもあって
敷地内には教会が建っていた
戦時中は負傷兵の収容に使われていたという
改築はしたことがないらしく
昼間でも暗くて冷やや ....
きみが吐いた煙を吸って一度吐く またすってもう一度はく
… きみだなんていうの と
ミーティングルームで下のほうを向いて 自分にたいしていうとき
うららかな春を想像することはこんなにも ....
恋が愛にかわる時
受動から能動にかわる
獰猛な目を輝かせ
強欲になる。
生きる意味がわかる時
苦しみの連続だ
楽しさは倍増する
自分を理解してもらえる。
自分を信じて
自分を ....
夜が終わる前に帰ろう、と大仰な身振りで彼女は言う。
ブーツの爪先に穴が開いていて、流れ出した寂しさはかちかちに凍りついた。
足元を流れる白線と路面の粒子に、星間を往く寂しさを感じ ....
「恋文(loveletter)」ほど、切実に自分の想いに誠実で
相手に伝えることを強く望んだ文章は、他にあるのだろうか?
突然、激しく心を揺さぶられ伝えることがもどかしく
想うことその全 ....
いつも
満たされない夜を求めて
光を舞う蝶でありたい
描けるしあわせはいらない
とまりぎに 腰をかければ
灰になってしまうだけ
足跡を水にとかして
あなたからあなたへ
....
今年のバレンタインどうしよう
あれもいいし、これもいいし
あぁ、喜んでくれるかな
今年のバレンタインどうしよう
あれもだめだし、これもだめ
あぁ、気付いてくれるかな
始めようかバレ ....
「床の光沢に負けないオレンジの山を過ぎまして
右手に見えます高く聳えているのが缶詰タワーでございます」
買い物カートは今日も走る、
添乗員と運転手の二人きり
休日なのでややカートは過密気味 ....
飛んでく
飛んでいくのは
ぼくではなくて
ビニール袋で
ビニール袋の
ぼくである
風が強いな
それでも飛ばされない
ぼくは強いのか
、いや
ぼくは弱いのだ
....
土曜
日曜
ぼくは
ねじ曲げられた
風を
覚悟しなくてはならない
それを
目の当たりにして
気のふれない
強靱なこころを
持たなくてはならない
ほら
十三日の金曜日 ....
しあわせだけでは足りなくて
ふしあわせなら
もっと足りない
ものたちが
ホームから
改札口へ流れ込み
潮の匂いだけのこして
ぼくときみは立ち尽くしていた
立 ....
二月の炎は
情念の
雨に濡れて
そこだけ白くさせていた
テールランプが
ひとを待つ
前かがみの傘が
きえてゆく
アスファルトから
春の香りがした
....
音に敏感になる
静かな昼下がり
小鳥の声が波打つ
口笛のような
彼女に相応しい音を出している
風が吹く、、
犬の声が轟く
彼も彼で
相応しい音を出しているのだ
....
こんな嵐の夜にこそ
ばれたらただではすまない研究
あなたは黙って
本を読んでいる
フラスコの中で順調に進行中なのは
水虫のヘテロシス
あなたは黙って
風に耳をかたむけている
....
背後を誰かが
通り過ぎ
夜の雲が
後悔を連れ出して
月の光に流される
僕は
ただじっと見つめるだけで
通り過ぎる破片を
見送ります
....
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