いつかこんな日が
来ればいいと思っていた
待っていたよ
二人が結婚したいと
言ってくれる日を
随分とお転婆で
跳ねっ返りの娘が
いつしかおしとやかになり
君を連れ ....
側頭部に
ふたつの穴が
バラのはなびらのようにあり
話しかけると
何が愉快なのか
痙攣する
掌に百円玉を握らせる
揺れる液体が
入ってきた栄養を
音もなく溶かしていく
その ....
高層ビルが建ったとか
そんなことで揺らぐ
モノでもなかった
それでも
"変わらない景色"さえ
風化されていたから
もたれる場所を見失った
....
{引用=
ぼくたちの鳥は、預けられたまま
誰もいない部屋の
つめたい鳥かごのなかで
ひくい声でうたっている
透明なガラス瓶と花
傾いたテーブルは沈黙で伴奏し
薄いカーテンから秋の日が ....
どうでもいいことなんだけど、
おれが死んでも君は悲しまないことに決めようじゃないか、
あとで君に約束させるのはぜったいに無理だから、
いまのうちに約束しとくんだ、
そうすると、ある日仕事帰 ....
電車の座席に揺られると
素知らぬ顔で睡魔が襲ってくる
この瞬間も手が止まって意識が飛ぶ
気が付くと携帯電話のバックライトが消えて
真っ黒の画面が虚しく光る
(この機種はどうしてこんなに早 ....
わくわく
サクサク
ぽかぽか
鼻をくすぐるよ。
春の匂いはどんな香り?
ふわふわ
さわさわ
そよそよ
風が柔らかくなるよ。
私の頬をやさしく撫でるの。 ....
忘れた分けではない立っているのた涙は横に流れているのた
陰のむこうから来るやそしいまぼろしと
あなたが来るため飛びつくまぼろしと
忘れた分けではない足っているのた涙は横にたた
陰のくるまぼ ....
言えた!
言いたくて、だけど言えなかったこと
ついに言えた!
「お母さん。」
どきどき
「ん?」
「この間は居ないって言ったんだけど…」
どどどどどどどど
ドドド
....
━聞いてな━
なあなあなあ、あんたほんまにうちのこと好きなん?
どうせまた騙されてるんやないのって、お母ちゃんは笑うねん
けどな、うちはあんたのこと
なんでか知らんけど、信じら ....
私はおたくの息子は見ないけれども
たいていほめ方は決まってるね
おたくの息子は優秀だって
私もあやかりたいもんだなあ
へいへい俺に息子はいないはずだが
もしか息子ってのはこの愚息のことか ....
口語の時代はさむいがその寒さの中に ※2
自分の裸をさらすほかない時代
ひとつの恐ろしい美が生まれた ※3
三角さん、錯覚しなければ ....
コーヒーの乾いたカスがこびりつく
カップに何度目かのコーヒーを注ぐ。
知ってるさ
そうやって層をなすコーヒーは
疲労の蓄積と同じくなかなか落ちないということなんて。
鳶が
窓の ....
天の窓辺
指先の遥かに
兜率の天からのマリンスノウ
よくわからないけど
かわらないものたちの
ひそやかな密度
粉雪と呼び交わすように
震えている
天井の優曇華
冷蔵庫の中 ....
「あ、」
読み掛けの本が閉じたことすら
気にも留めずにに下を見た
床に落ちたのは灰皿と灰
ひじにあたって落としてしまった
「今日は良い事がないな…」
目を閉じ、深くうなだれた
....
あなたはセーラー服であらわれた
わたしも学生服であらわれた
もう高校生ではなかったけれど
二人は約束の場所にいた
店にいた高校生が
みるみる生まれたばかりの子供になって
お父さん ....
人間の骨と魚の骨
灰にして混ぜ合わせれば
人魚の遺灰
海に{ルビ孵=かえ}そう
水面の粒子が
人魚を産むよ
歪んだ愛情
バクテリアが分解してく
中で、
幾日分もの雨や風に晒されて ....
始めに朝があった
僕たちは扉を開けて
靴音鳴らして別れてった
「自分に自信がある男程SEXが下手なんだよね、何故か分かる?努力しなくても良いから。自分に卑屈な男の子の方が自分に ....
東京タワーに陽が刺さる時分に煌々と輝く
窓から漏れる明かり 色とりどりの街灯 魅惑のネオン
徹底的に破壊的に光の砲撃は闇に報復する
茜色の夕雲はつかの間の闇の扉であった
それは遠い遠い昔話
....
挑むなら。
どこまでだろう。
見えるものは見てるから。
見えないものは感じてるから。
まだ受けとめるから。
挑むなら、
あと少しだけ。
お別れを告げられる ....
石をみている
石の奥に映る光をみている
石の奥に映るわたしをみている
石の奥に映るわたしの瞳をみている
石の奥に映るわたしの瞳に映る光をみている
石とわたしのあいだには
....
ながれていく
(しずかに)
その潜行する鼓動を
ききわけて
よりわけて
乾く冬のために
水を落とすものとなる
寒い病のために
感情を輸血し
あるいはこのこころの
ものがたりを出 ....
自由の翼が手に
入ったとしても
額縁の絵の中を
飛ぶことぐらい
しかできないし
お洒落な足かせ
をガチャガチャ
いわせながら記
号でお喋りして
いたほうが楽し
いかもしれな ....
帰って来なければいいのに!
死んでくるといい!
ああ、なんと華やかな餞{ルビ=はなむけ}のことば
なんと充実した旅立ちだろう
ぼくの胸は、一点の隙もなくみたされている
午前4時45分の昧爽
....
例えば
柵があるとして
気軽に助走をつけて
ひらり、と跳ぶひともいると思うんだ
でもボクは
柵の前で
怯え躊躇して
うずくまってしまう
そして
耳を澄まして
遠く遠くの ....
----------------------------------------------------------------
「火の森というものがある」と父が教えてくれた。私が火山の調査のためヘ ....
血のかよう夕焼けを深海魚がよこぎる
ひたり
ひたり
と
胸びれを動かすたびに
その下で影踏み鬼をしている子ども達も
走り回ったり
息を休めたりする
ブラインドの隙間をかい ....
石けんの香り
ゆらいで
沐浴
朔日、
娘が生まれました。
張りつめる乳房の
端から
わたしの血液を
ふくませ、
ふくませ、
新月のひかりで
臍の緒を断ち切ります。
....
眠り続けるあなたは、齢をとらない。
あなたは、いつまでも少女のまま。
ときどき、ほんの片時目覚めては、
少女のあなたは、いつも今を生きる。
眠り続けるあなたは、学生のまま?
あなたは首を振る ....
ひとりにしてください
綺麗にカーテンを閉めた
皺ひとつ残さず閉じこもった途端
カンバスに降り注いでくる
ハッキリした
蛍光色の
わたし
なんて伝えやすい
ルビの振られた感情でし ....
3862 3863 3864 3865 3866 3867 3868 3869 3870 3871 3872 3873 3874 3875 3876 3877 3878 3879 3880 3881 3882 3883 3884 3885 3886 3887 3888 3889 3890 3891 3892 3893 3894 3895 3896 3897 3898 3899 3900 3901 3902
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
6.12sec.