観覧車の回る速度と
自転する地球の速度が等しい
わたしは丸い窓から
母を見ている
南中する
太陽と同じくらいの
かつての父の高さから
父はひとつ先の
観覧車に乗ってる
....
白い時間のうつわ
網膜のひだまり
ベンチでうつらうつらしている間に
思い出が回遊してくる
おはよう
さよなら
おはよう
さよなら
巻き戻される行き先 ....
美しいものは全て偽りだ、と
指先の感覚が暗示をかける
諦めたように
優しい痛みなどは
もう、飽きた
望んだだけの悲哀も
苦しさに似せた甘美な夢も
すべて受け入れて
私は大人になった
....
耳を塞いで 顔を横に千切れるほど振って
いやだ いやだと泣き叫んだ
あの空の果てへ行きたくない
あの空の果てへ君との思い出や
罵りあった言葉 囁きあった愛を
流してしまいたくない
....
ピアフ ピアフ
情熱の心で 愛を感じとって
わたしは子どもじみて
とても純粋
霧の晴れた朝に目覚め
小鳥の声でさえずる
ピアフ ピアフ
生きている 光を求め
そして飛ぶ 高 ....
アイスを食べるための宝くじを買う
体が目覚めないものかと
不確かさに
悩みの中はおかしくなりそうだった
学校へ行こうと
公園をくぐって 確かさへ
空に
笑っていると 眠って眠って
....
ゴツゴツ落ちつかないバランスの崩れた車
その中で聴く二十歳のためのロック
その青臭さが自分のものではなくなって久しい
十年前に書いた詩を読み返しながら
失ったもの表現できなくなったものを知 ....
ねえ意地悪いわないでよ
もう少し後にしといてよ
言い値でしとくよ、そら
ほんとさ急かすなよ
もう後になんか引けないし
通る人の目も冷たいし
翻弄されては儘だし
かという訳も手は無し
....
君が僕の棺に入ってきた。
くたびれた足を引きずって
いつもの夜道を帰ってきたら
祖母の部屋の窓はまっ暗で
もう明かりの灯らぬことに
今更ながら気がついた
玄関のドアを開いて
階段を上がり入った部屋の ....
きのうから十時間と四十五秒起きてる。
{引用=「どこ見ても黒い縁どりが邪魔をして、どうしたのわたしたち!」}
{引用=「まるで景色の輪郭がさえざえして、とてもとても抱えきれない」} ....
どこに行っても暗闇のじめじめした神経が張り巡らされ
だれひとり彼を人と認める人もなく
まして、よく頑張ってるね、と誉める人など皆無で
とても一人で、一人なとき
やっとの思いで持ちこたえていたダ ....
曲がった僕を
曲げて真っ直ぐにしてくれる
だから僕は曲を聴く
水色の匂いがした
午前の光に撹拌されて
僕と彼女の鼻に入り込んだ
どこかで蛙の卵が匂う
別れの空虚が
新たな予感が
季節を越えた
二人の匂いがしている
....
その時 私はまだ幼い少女だった
まだ言葉を覚えぬ少女だった
ただのひとことさえ 言葉を知らなかった
ある朝 目が覚めると 空は真っ青で 雲ひとつなく どこまでも晴れていた
た ....
長生きがしたければ お腹一杯食べなければ良い
全ての生き物は 腹7分目でもっとも長生きなので
長生きがしたければ 薄味のものばかり食べればよい
塩分の過剰摂取は胃がんを 高血圧を呼び込 ....
君は生まれ
死を目前とし
僕に願った
この手に触れて
この手に触れて
生きていたいと
死にたくないと
この腕を伸ばし
その腕を掴み
行くな ....
ポツポツと
感情の中に出来た
吹き出物
それは紅く
腫れ上がって
痛痒く
爪を立て
搔き毟ろうか
迷いつつ
軟膏を塗る
人差し指の胎で
くるくると
....
死ぬ準備ならちゃんと出来ているよ
あなたを殺さない方法もわかっているよ
全てが本当なわけじゃないって気付いてるよ
あなたがわたしを愛せるはずないって知っているよ
それでもわたしが手放さ ....
とうとう雲雀がやって来て
春の幕を落としていった。
雪の下からのぞいた蕗は
眩しそうに太陽を見上げた。
早起きの蛙は
仄かに色づいた風に見とれた。
ずっと待ってた木々も
それ ....
腹をすかせている子に
乳とパンを与える
喜んで飛びつく
重圧を感じる。
長女に久しぶりね!
と言われる。
痩せたね。と気が付く
人の話に耳を傾ける。
あーいい加減楽になりたい
....
春を告げるなら
サヨナラの前にしよう
白い息を吐いて
抱き合ったぬくもり
競争して
部屋への帰り道
笑いあって
息を荒くして
そんな
冬の思い出
寒いのに
暖かな思い ....
声は届かず、
空白による想像
繰り返し重ねてみる
透過はやがて
いちいちきゅう、
の信号を打ち上げ
覚束無い足取りで
慣性の法則に辿り着く
_
水面下で白 ....
090310
くたばりぞこないが
へっついにもたれて
大あくびをしている
家の前を通りすぎる
死に神のような男に
会釈をしてから
次の男を品 ....
すべらかな声は
よるのはじまりの、そのすきまを
ゆるゆると 這って 消えた
(あしたまでには帰ってきて、)
たゆたう姿は
終わりだったか
始まりだったか、
でも
....
霧雨が舞っている。交差点には、今日も遅れずに午後四時がやってくる。
位相差。彼女の視野は位相差によって構成される。
赤信号と街灯、昨日の夢。混在するいくつもの現実と、次々に昇華する記憶。記 ....
ぼくの頭の中の目覚まし時計は鳴り響く
急いで飛び乗った電車は回送だった
、なんていう
そんな間違いをしたくないので
ぼくは終電を見送った
それが間違いだったかもしれないけれど
ぼく ....
私はいろいろなことを思いながら
歩いてきたけれど
確かなことなどなにもなく
ただ歩いていくその風景があった
橋を渡れば
川が色々な色をしていて
私をそこに立ち止まらせる そして
空っ ....
指先に針を刺せば、私の体を廻る血液はドーム上に膨れ上がる。
何度も指先に針を刺すのは、その赤の中に世界がある気がするからである。
赤血球と白血球のようなものでなく、なにか知ることの出来ない世界が存 ....
美しさは
人見知りするのだろうか
いつもつつましい
声をかけられるまで
犬小屋でかくれんぼしている
驚きは
宇宙人なのだろうか
いつも未知との遭遇で
出会ったと思えば
突然消えて ....
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