とおりすぎていった
幸せを想いかえして
その美しいときに嘘はなかったと
ときがただしずかに
過ぎていっただけなんだと
抛り棄てられた
虹の夢の残骸が転がる
廃墟をさ ....
くちびるが薄い人は
冷たい心の持ち主だと
かつて好きだった人に云われたことがある
むろん私のくちびるは
薄い
でもそのくちびるから漏れる声は
好きだと云ってくれた
光り輝 ....
ぬかるみにまどろんだ
つきのはなしをしっているだろうか
雪はふりつづけ
ものがたりをせがんだこどもたちは
まだねむれずにいるというのに
わたしたちの王国のはなし
夜空をのみこん ....
再びの危機は去った。シーゲンサの群れはことごとく屠られた。
アイソニアの騎士、エイミノア、盗賊ヨラン。その思いは一つでも、
その思惑は、彼らそれぞれで異なっていた。あるいは、アイソニアの騎士は、
....
(予感は的中した)と、ヨランは思う。(もしや、エランドルは、
このヨースマルテで誰もが魔法を使える世界を目指しているのでは?)
いやいや──そうではないかもしれない。ヨランは逡巡する。
(しか ....
砂の下から現れたシーゲンサが、一行を円で取り囲む。
先ほどのエビ・グレイムほど、シーゲンサは強力な敵ではない。
しかし、屠っても屠っても、シーゲンサは砂の中から現れた。
「きりがないな。こんな時 ....
薔薇色に燃える桜の血飛沫
まだ生き切ってない、
まだ息切れてない、
「ハッピーエンドは
レベル、高い」*
ふかく、もっと深く
今一度引き寄せられ
ループを描くように
ゆっくり沈 ....
思い出の染みや折り目が
ことばを詰まらせる
みんな突然いなくなるから
あの人を傷つけなかった
見つめあうだけで
失われる世界
冬は溶ける
春は散る
すれ違うたびに
....
あらゆる全部に値札がついて
かんたんに花をつむこともできない
ぴかぴかの看板を背負ってあるき
いちにち集めた小銭とひきかえに
やさしい、こまかい花を持ちかえる
世界はわたしを許したこ ....
起床時間を間違える
トーストも焦がしてしまった
通勤路を間違える
いつも通っている道なのに
タイムカードを押し間違え
朝礼中にコーヒーをこぼす
当然のことながら
仕事でも間違いばかり
....
世界が暗くなっている
車が通る、人が過ぎる
どんより曇った空模様、
細かい雨が降り始め
道にてアパートの隣人と出会います
彼女は親しげな笑顔浮かべ
手と手を宙で打ち合わせ
互いに挨拶 ....
大衆
リジン
穴熊
他者が誰も詩人だと
認めていないのに
恥ずかしげもなく
自分の書いたものは
詩だといって人様の目の前に出す
どうしてそんなことが出来るんだろう
おそらく人様の目と言っても
所詮自称詩 ....
なにを泣けばいいのだろう
この空虚(うつろ)な悲しみには
なんの意味もないと
知らされて
白い麦わら帽子をかぶり
あの
マチュピチュとは似ても似つかない
....
俺たちが激しくアクセルを踏みすぎる頃
季節はまた新たにはじまった
ブレーキからすばやく
パーキングにいれてキーを抜き取り
わたしたちは
どうしようすきとかたぶん無理とかについて
普段の日常 ....
パカは
死んでも
直らない
ならば
生きるしかない
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
そして地面は、ざわざわと揺らいだ。
オーマルが言ったように、一行を次の魔物たちが狙ってきたのである。
「シーゲンサ!」オーマルが叫んだ。
「何! シーゲンサとは何だ?」
砂の中から、無数の ....
「ヨラン殿の言うとおりでございます」その時、オーマルが口を開いた。
それまで、彼女は一言も発さずに沈黙していたのである。
「その根拠とは?」アイソニアの騎士は、オーマルのほうを振り返った。
「そ ....
ヨランたち一行は、三日の間砂漠を旅していた。
オーマルに取りついたエランドルと話して以降である。
皆の喉が渇く、しかし、不思議に食欲は感じられなかった。
そして、三日という時間も彼らの体感時間で ....
僕が吐く息は
寒くて白い
大抵が
空を見上げて
消えてしまう
時々、色を貰って
シャボンのように
君を透かしている
また会えたら良いね
夢みたいな現実で
林檎は赤くて
....
いきなり
雨にたたられ
いきなり
太陽に眼差され
いつものこと
痛む脳髄を携え
痛む目を抱え
花が庭に開くその瞬間を
間違いなく捉える
*
私たち人間は大自然か ....
*
締めるの
緩めるの
もっと灼くの
それとも見棄てて冷ますの
組んだ手を解き
窓に叩きつけたら
見えるだろうか、海
神さまたちの海
* *
....
むかしむかし、
山のふもとの村に
可愛い女の子が住んでいました
やがて女の子は、
とても綺麗な女になりました
村中の男たちは
彼女に沢山の贈り物をしました
なかでも鼈甲の手鏡は
たちま ....
中国ドラマで政敵を倒すために
毎日微量の毒を盛り
病死に見せて死なすというのが
わりとある
歴史、毒薬詳しそうだなぁ
中世と
あまり変わらないの
かもしれませんね
毒を盛られて
....
10月というのに
この暖かさ
というか
ほどよい暑さが続いている
10月なんかに
いるはずのない夏だから
やっぱり
気味の悪い幽霊
と
言うべきかな
おそらく
....
顔の無い自分の顔の部分について考えている
なぜか?
非常識だからだ
洋服を着た
からだだけが
ぺたんこになって地上に映し出されていた
これからもわたしたちは
なんとかマップにマッピングさ ....
髭を剃り髪を結いよい服を着ておしゃべりの花を咲かせる
今年のボジョレーの出来なんて過食なアイデンティティ
目玉ひとつ無くしたと思ってさっき古道具屋で買ってきた金の玉
睾丸ひとつにも満たない グズ ....
ナマコのお化けが
くらやみからやって来るとき
人はただ、その場に立ち尽くすのみ
ばくはつするたいようにとけて
ばくはつするたいようにひざまづき
暗黒の窪みに安らいで
すべてを放擲し ....
静の海
ひらけゴマ
勧進帳
夕闇、迫るなか
戯れる
子供たちは
歓声の余韻に
時を味方につけ
突き抜けてゆく
大人たちの影を
遥か超え
開かれていくこの世界へ
その輝きに震える心で
* ....
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