服を脱ぐと
地獄絵図の中の悪人みたいな身体
わたしは
ずっといい人間だと思ってきたけれど
強くなろうとしているうちに
身体はすっかり老人になってしまった
いつ死んだって
いいとは言え ....
タンポポ種のラブレター
タンポポの種を飛ばして
君に伝えよう
僕の気持ちを
いくつもいくつも
気持ちを乗せて
種を飛ばせば
きっと遠く離れた
君の家まで飛んでいくだろう
....
ひさしぶりに実家に帰ると
お父さんが
船になっていた
甲板には母がいて
いつものように洗濯物を干したり
いい匂いがしてくる
調理室で料理をつくるのも
やはり母だった
嫁い ....
坂道を
どれくらい登れば
振り返ってもいいのかな
もちろんそんなことは
てめぇの勝手
と言われればそれまでのこと
ではあるけれど
ほら
横浜のはずれだとさ
ちょっと駅から歩いただけで ....
過ぎると思えばもう七月だった。太陽は容赦なく地平を照らし、噴水は熱を帯び煮え滾るように地底からの湧き水を惜しみなく撒き散らし、攫うように若者たちの長袖を奪っていく。燕尾服のよちよち歩きは麦わらを無理矢 ....
助手席で
車の運転が上手な、あなたのお話をきく
あの
なに言いたいんだかわかんないよ
あは
脳みそフル回転させても
なにを言いたいんだかさっぱりわからない
まるで
ピカ ....
ほかの
どんなことにも
耐えられたとしても
あなたに嫌われたら
生きる望みを無くしてしまう
雪が解ける、
肌が見える。
冷たかった?
日は浴びた?
根は夜明け、
茎が日の出、
葉の青空に、
花が開いた。
冬も待たず、
空想の中の、
野原描いて、
春を楽しむ。
砂浜に受付のデスクが
ぽつんとひとつ
前方には潮の引いた藻場が
どこまでも広がっている
デスクの上の
海の図鑑を開くと
いろんな星の海が泳いでいた
地球の海は昼寝をしてい ....
砂嵐が
幾つかの砂丘を置き換えていったので
ダウジング・サムシング
the back of beyond
埋もれていたガンダムを一騎
見つけました
半ば掘り出され
風に吹かれて歌 ....
私は恋愛詩は書かない。
そういうのは間に合っているから。ているから。まかす。
誰がどう、ジューサー/ミキサーで「混ざり合ったね」「合えないね」と
呟いていても。まかす。
擬音のように表わすなら ....
どうしようもなく淋しい
だから、
今夜も寝てしまおう
電源を消して
寝てしまおう
鳴るわけないと
納得できる状態で
『オヤスミナサイ』
.
言葉がひどく群れて
どどぅ どどぅ と
目下を蹂躙し始める
隣では、哲学やらモラリズムやらが
うなだれて枯れている
行き場の無いまま
どこに向ければいい、幾多の銃口を
....
さようなら、
さようなら、
まぶたにそそぐ陽だまり
いつか見た夢
頬に添うあなたの手
どちらに進めばよいですか
なんて
もう聞きません
ただひたすら
あなたのいない方へ
....
何もなかった。
植物も動物も
なにも。
風も匂いも
なにも。
時間も方角も
なにも。
そこには砂しかなかった。
砂は生命に降り積もり
砂は時間を覆い隠した。
すべてを。 ....
石積みの朝
陸橋はその歪んだ影を
路面に落とし
昨日までの工程を語り終えると
あなたは静かに
最後の生理を迎えるのだった
+
足音が擦り切れていく
あなたにとっ ....
雨に溶け
音無しの行者
朽ちかけた紋様
半開きの心
一点に広がる雨
温度差に内包する視界
硝子板を辿る記 ....
0.97m前方
秒速0,7m
不規則な回転運動
ほぼ(237, 26, 61)
不完全すぎる球体
強化シリコーンの指
捕捉完了
擬似眼球スコープ
サブウィンドウON
アナライ ....
服をしまう家具がほしい。
しまいこんでもう二度と使わないようにするために 服を収納するんではなく、
いつでも着られる服をさっと取り出せて洗濯したらすぐに戻せるような
服の定位置 それを与える ....
色があったのはいつなのだろう
なにもかもがないのだろう
なにもかもが楽しまれ
すべてがここちよさなっていく
さえぎられていることもなく流れていく
すべてがどこかへ裁たれていくように
す ....
時がすぎれば
忘れられると
強気でそう
あなたが言うものだから
私はくる日もくる日も
何ごとも起こさず
日めくりカレンダーを
めくるように、
繰り返す朝夕を
過ごしました。
朝 ....
チョコレートケーキ
甘いと思ったら、
舌の敏感なところで
苦さを感じてしまった。
スポンジの芯あたりから、
ほのかにオレンジの香りが
鼻についてきた。
人の生き方も
こんな三重奏だ ....
ずっと白壁にできたコーヒーのしみを見つめている。
目まぐるしく動く世界を見ていた昨年末と較べたら、なんとひっそりとした師走なんだろう。
あの時、オフィスのエントランスにはクリスマスツリーが ....
飛騨小坂に
帰りました。
小坂川を
見に
行ってきます。
翡翠色の川
ほとばしる
瀬と
真っ黒い
たゆたう
淵
そこに
身を投げます。
私は
川の中で
暮 ....
忘れなくちゃいけないことを
イッショウケンメイに思い出そうってして
あほみたいだって。
そんな繰り返し。
答えのない手紙を出し続けて
宛て先がなくて引 ....
これは遊びではありません
頬をつねってみればわかるでしょう
書き連ねた言葉は誰かを媒体として
生き続けるのです
ドライフラワーのように
その脈が枯れてしまっても
....
あの鳥は
逃げたんじゃ
ないんだよ
あの鳥は
旅立って
行ったんだよ
今は
まだ
小さな
羽だけど
いつか
イロトリドリの世界を
飛び回る事を
....
雨粒が窓をノックしてきたので
掃除の手を休めて
少しだけ話をした
最近、寒くなりましたね、
とこちらが言うと
わたしたちもそろそろ
衣替えをしようと思っているところです、
とぷっ ....
今日は少しだけ風が強いから
雨雲が喜んでる
爪跡も霞む窓に河川敷
水飴のように頼りない陰り
偶に鳴る鉄橋の響きなんて
すうっと遠い
音色の小さな一隅で
ゆっくり短針が捉える様
....
きみが帰ってこないあの日から
砂時計の砂はさかさまにこぼれて、こぼれて、
しだいに、ちいさな子供になってしまう、夜
遠くで、つぶやくきみの言葉が、わたしの名前だといい
そんなふうにして ....
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