髪を掴んで押し込めた少女が
ちいさな爪で
カリ カリ と閉じた扉に穴を空け
隠したナイフを差し出した
ちゃんと生きるのには邪魔だったから
小さな部屋に閉じ込めたのに
少女は暗い ....
針は八時を指している
すりガラス越しの外はぼんやり明るい
太陽か、電灯か
星は見えない、未来の人は星を知らないでしょうか
だとしたら得をした気分になるよ
けれど同時に寂しくなるね
私しか他 ....
詩を書くことも忘れていた
七色のの宝箱だった本棚はいつしかビジネス書で灰色に染まり
楽しげな文字が躍っていた手帳には無機質な箇条書きが並んでいた
歌うことも忘れていた
軽快なリズムを刻 ....
手のひらと手のひらを合わせて
ぎゅうと押しつければ
肉と骨の二枚貝から肉と骨の枝が飛び出して
醜くてたまらない私が客観的に見える
大丈夫だろうか、まだ平気だろうか
酸性雨でたましいは ....
どこかの畔を歩いていると
とても微かな音がして
それは体のようでした
背びれが少しだけ切られ
ログハウスで休憩することにしました
コーヒーを飲みながら
そのことを思いだしていました
....
山崎川の
堤には
桜が
満開だ
老婆と
会った
今度の
大戦のころは
桜のように
散れ散れと
言うとったが
あれは
みんな
嘘やった
ささやいて
何処とも ....
路肩に沿って歩く野良犬の後をついていったなら
冬を終わらせずにすむと思ったー小春日和のためにも。
行けるだけ行って不意にひるがえしたコートも
二月と三月の境界線を行ったり来たりしたのちに ....
被告の名が告げられた
その名が法廷に響き渡った時
傍聴席はエクスタシーに飲み込まれ
男も女も腰をくねらせた
皮膚が硬く臭う者それは裁判官だ
検事も弁護士もシャツをはみ出させ
法廷は不潔 ....
僕は考えて考えていた
僕自身が殴っているだろうそのとき
君に幸せや幸福が僕にではなくて
あまり疲れてもいなくて 今になく
空っぽだろうことに
中ならばと僕のルーラに唱えようと自転車ではな ....
昔書いていた言葉を求める
子供心に傷つける視線
俺を見る程俺を知っている風に語りかける
今は書きたい言葉は違うって振り切っても
抜け出せない扉がそこにある
逆らっている心境と ....
ことばのなかにことばが宿った日曜日
その子はとがったりまるかったりすることばの中の羊水で
じっくりことこと煮込んだコンスープのコーンのように
ゆっくりと優しさと厳しさを噛みしめて
ゆっくりと心 ....
探すのは大変だったけれど
探そうと思えば結構探せたりして
ぼくは
真夜中に眺めては
羨望して
嘔吐していた
もし願いが叶うなら
ぼくが鈍器を用意 ....
曇りから 晴れへ 変わるとき
外が静かになる
その後 光が部屋に 少し来る
その後 ざわざわ 鳥の声
今はまだ 雲はいっぱいあるし
光も 漏れてくる程度
でも これから もっと明 ....
あなた以上の あなたではなく
あなた以下の あなたでもなく
あるがままの
あなたが素晴らしい
あせらずに ガ ン バ レ
「どこまで脱げば交われるかしら」
下着も爪も髪も皮膚も
不必要なものとして棄てられる
歪みの中、唯一迷い無き輪郭をした
一匹の毒蜘蛛と対峙する
私は私を守るもの全てを廃棄して、すると
....
職場の休憩時間のような
物音ひとつしない冬の陽だまりのなか
黒ネコがチータのまねして
道路をのそりのそりとよこぎった
あれっ あのシルエ ....
さやぐ森のいたみを抱きとめ
私たちは目覚める
陽光の届かない場所にも
太陽がのぼることを願い
川へ小さな葉をながす
それは
ゆらゆら
やすらかにたゆたうので
そのうちに
ながれに ....
あくまで第三者でしかなく
客観的な見解
それはメディアの言葉
と、何ら変わりのない
無慈悲で、
自己中心的なものだと
教科書など何も、教えて
なんかくれず
そのページ ....
凪ぐ音
寄せる音
満ちる音
凪ぐ音
打つ音
荒れる音
凪ぐ音
寄せる音
....
(1)建物に窓があることによって、?内側と外側は窓の面に和声を張ることができる。?外の光は死に場所を見つけることができる。?建物は不要な密度を排泄することができる。?植物の有機的な欲情は建物の無機的な ....
写真を撮りたいときは
いつだって真夜中で
撮れる技術やカメラは
いつも
僕の手にはなかった
夜が集まって静かに騒ぎだす
黒い影
夜の一つ一つに色をつける
黒い色は様 ....
ほぐれていく組織
空間の中で一人の身体は
たゆたい
しずくになる
ほころんでいく意識
小さな月と太陽が
ベッドの脇で遊んでいる
影のない蒼い部屋
とある真夜中、の事
苦味薫る、珈琲缶を片手に、握りしめ
渋さを漂わす、煙草は片手に、塞がった左右
(煙草、吸いながら、飲み物を口に、含む人っているでしょ?)
それでも唇 ....
調律が合わなくて
ピアノが港を発ってゆく
小さな港で
すばらしい音楽を奏でていた
そんなピアノが
指先から音がした
触れてはいけなかった
白と黒の鍵盤に
わたしの小さな罪 ....
日本人が差別している在日という構図は
在日が日本人を嫌っているという構図を得て
補完されうる
とがった三角形の先に従い恨み合い
それじゃあ日本人とはいったい何だ
私は君との子供がほしい
興奮の隙間にあてがわれた目は
数枚のゆがみを経た
虚を見るにすぎないのに
何かを永遠にしようと
躍起になり
電気を発し
腱を引く
囚われの光
勘違いの人間は
そ ....
窓ガラスに映る赤ら顔の男を
一瞬、俺ではない、と否定
喉の違和感や肩の痛みが
何を教えてくれている
頭痛胸焼け自己嫌悪
孤独を幾重に積み上げて
言の葉は溜息に掻き消える
半笑いで ....
小野川を降る雨は
枝垂れを揺らし輪を投げる
粗目の軌跡で
暖簾を揺らしたのは
赤い尾灯の軽トラで
川沿い駆ける影も虚しい
この寒さは何なのだろう
傘立てには二輪
マティスのよう ....
今日はもう眠ることにする
クリスマスパーティーに参加できた けれど
完全を知らされた 太陽に
だけど博士は憧れた なれていないそれを
楽しいことになっている
錯覚した海水だった しかし
....
大人になるって
マジックの
タネを明かされた後
のようだね
トリックに
だまされていた時の
方が
はるかに心は
自由だったね
タネを明かされる度に
シカケを ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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