勝負の日は
願いを
かけるように
シャツに
アイロンを
かける
グーッと
不安を
押さえるように
心を
ビシッと
決めるように
石を結んで鳴らす バラバラと鳴らす ひろいひろい夜の隙間を覆い尽くすほど大量にならす
でもバラバラな音が収束していってやがてぴったりと音を合わせるようになると静寂と対等にそれは轟いた
信号が変 ....
まだ顔を知らない
姉からの手紙が届く
意識だけの
わたしはまだ
返事が書けない
体を持たないから
真夜中
母に触れたがる
父を感じる
わたしの命のはじまり
いくつ ....
彼の名はイチロー
でも大リーガーのイチローとは全然違う
ヒットを打つことに関心がない
だからあまり目立たない
でもヒットは打てなくても
バントを打ってきた
自分 ....
昨夜、遺伝子と数回にわたって交合したけれど
最後まで、ぼくが触れたのは
ぼく自身の器官だけであったので、
結局のところ どんな言葉でも形容できない
感性や知性を、すべて破壊したい
....
震えが刳り貫かれる必要性について
痛点を分離させ
糸へ蒔かれた通過達は
濁った改良剤を編み込む
常にその逆はその爪を覆う
そう語るのは常に
浅い結節を睨みつけている動物
片隅と呼ぶにはあ ....
濡れる、まぶたにおいては
10年前のささやかな嘘だって
すこやかに息づいているのだ
腫れている、のどの奥のほうでは
君に贈りそこねてた嘘が
あばれて、あばれて、夜も眠れません
指輪 ....
宝くじを買う
消えたお札のあの匂いとして
宝くじの一枚を
私がはさみで切るように、
宝くじに手が震えている
ただ消えていく領収書の
その裏側で私は投げ捨てられる
メモ紙に必要だが、
....
あなたが詩人だったなら
こんな痛みも
言葉に変えてしまうのか
あなたが詩人だったなら
誰かの前で
それさえ語ってしまうのか
あなたが詩人でなかったなら
私はも ....
ボクは自由が欲しかったんじゃない
ボクは僕自身が欲しかった
僕の心は誰か
誰かに持っていってしまった
心が風に欲しかったんだ
届かないところへ
ジャンプも届かない
ボクよりも少しだけ ....
言葉なんてみんな神様だから、嘘付きで
みんな血になって
笑って沸騰した傍らのペンネ
殴りあって
真理見つけた
懐かしいね、今は
スポットライト、スターダム
呼ぶか ....
『落書き禁止』と書き付けてある壁を見つけては
落書き禁止。とラクガキする
『張り紙禁止』と貼り付けてある壁を見つけては
張り紙禁止。とハリガミする
『言葉』はあらゆるものを形容できると ....
たくさんの間違えをした
消しゴムはないから
二重線で消して
新しい答えを脇に書く
ちょっと自信がないんだ
言い訳をしながら
そしてまた不安になる
二重線で ....
自らの言葉に
語り落ちゆくモノたちよ
己の本質を
悩ましげな芸術性に裏打ちされた
その防御壁なる文字列で綴り
擬態し
その同類をもって
己の核となし
永久的幻想の中で
紛い物 ....
おきざりの波打際で膝を強く強く抱くと
両の乳房が ぱんと張って
ふとももに弾かれて 憂鬱に揺れた
一方的な愛情ほど与えすぎても尽きないよ
あたためて触れてひどく突きつけて
かき鳴らす歌を ....
いってしまいましたね
電車で3時間くらいだからとかいっても
たぶんもう二度と会えない気がするよ
君とは一年しかクラスが一緒ではなかったけど
いつも笑って笑顔で元気で
....
しろが混ざる
じわり、
わたしに
溶けてゆく
ぬるい、よる
景色のさき
細胞たちの
さよなら
ふきだす、
かみさまの分裂
みえないけれど
みえるんだよ
やわらかい
....
ごめんなさい。
約束は窮屈、日差しがあるときには。
ごめんなさい。
約束は退屈、酔っているときには。
ごめんなさい。
自分でするよりは気持ちいいから、つい。
ごめんなさい。
....
終わりでもなく
始まりでもない
流れている時間の
中間にゆらゆらと
忙しく
慌しい
毎日を床に置いたまま
明日も考えず座り込む
ひとりであり
ひとりでなく
ねえ ドクター、聞いてほしいの
あたしの悩みはひとつじゃない
たくさんあるから どこかつらいの
ハロー ドクター、聞いてほしいの
あたしの心の一番近くにいる友達が
遠くへ行って ....
深い海を
まるで星が流れるみたいに
息抜きしよう
簡単だよ
眼を閉じて
何もかも
忘れてしまうの
産まれる前まで
戻って
身体
揺らして
気付かないのは罪ですか
わからないのは罪ですか
気が利かないのは罪ですか
私は罪を犯したの?
消されるほどの罪
まだわからないから
赦しを乞うこともなく
....
アネモネ (はかない恋)
あなたの気弱な指先でわたしを摘んで欲しい
わたしの一番可憐な時間を花瓶に挿して欲しい
あなたの意識の端をひとときでも彩れたら
ノートパソコンの ....
すっかり生ぬるくなったビールの向こうに
睡蓮の花が物憂げな顔で座っている
白い陶器の肌が青ざめて
透き通った光沢を放っている
その清楚な肌に触れることを許した
借金まみれの男の手が離れそ ....
闇は流れに沿って
やって来る
人が家路につくのと
入れ替わり
闇は
枯れた蘆原を
遠巻きにする
人のいなくなった
土手には
点々と
花びらのように
落ちている
要らなくなったの ....
もしかしたら今
泣かなければいけなかったのか
こころをぐっと鷲づかみにされ
大きく揺さぶられている
その振動があまりにも激しく
器だけ壊れそうで中身は動かない
小声で流せば ....
猫が泣いていた
ざんざんと降りしきる雨の中
こんな薄っぺらな看板に印刷されて身動きもとれないのが
きっと悲しいんだと思う
猫の瞳からとめどなく
涙はあふれていた
ぼくは言えないんだ
離れないで、と
そう言ってしまうとよけいに
きみが 忘れるような場所へ
消えてゆくようで
いつか指を伝って
届いたらいいのに
「とおくにいかないで」
それでも考 ....
この世の何処かにある空間の一点を
ただそれのみを 一心に求めてみたんだ
汗ばむ喜びだとか 骨の抜けそうな落胆
崖っぷちの戦慄だとか 常なる先行きの不安
そういうもののたぶん向こうにある
....
もうすぐ春が
来るのが怖い
桜の花が
咲くのが怖い
今年の桜は
綺麗だろうか
あたしは桜を
見られるだろうか
桜は許してくれるだろうか
花霞に ....
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