曇り空のしたを歩いている
電車に乗っている
お客様に挨拶している
仲間にメールしている
六月の闇は深くなる
雨に濡れた髪はひじきになる
宇宙のからくりをふたつ考える ....
聖堂の扉を開いて
真中の道を進み
祭壇の前に跪き
両手を、合わせる
ふと見下ろした花瓶には
親しい家族の顔を並べる
色とりどりの紫陽花達
ステンドグラスから降りそそ ....
プール開き
カタパルトからどぷんと
ことばのプール
中で深呼吸できたらいいのにね
流れるプールは円環の
ようでいて誰も全周を知らない
自分が水に触れているのか
触れられているのか
....
人でなし
森が忙しく葉を揺らす
カッコウが巣の上で木々を見渡していた
小石のような小鳥の卵を
一つ二つと落としていくのだ
真ん中に一回り大きな卵を産むと
愛しむこともなく ....
ハタチの1年間
スッピンよりも化粧をして学校に行った日の方が多かった
大人ってこういうことだと
見なくていい部分は上手に見えないようにできるようになった
誰のための化粧ですかと後輩に言われ ....
「日常という名まえのスペクタリズム?」
そういうのがすでに
定着したニュータウンになにげなく灯ろう
白熱球と蛍光灯の下の
テーブルと人数分の椅子の数を数えて
寄り添いみんな一つの影に ....
リズミカルな樹々の風景に佇む俺は
ボーリングのピンのように突っ立ったまま
カウンター越しで待つ、曇った瞳をした青年に
酒を手渡した
幼稚な脚を露にし、
ステージで腰をくねらす女どもが
....
裁ちばさみの刃にヒカリさすシャキン
切っ先さしこんでみた、いちめん白紙の大高原を
波風たてて無理にとおして道理もひきこみ縫いこんで
頭痛も続くわ関節に激痛!
キリコミ線だけ辿って渡るの
....
公衆浴場のぼんやり広がる湯気の中
いろんな裸がごろごろしている
あたしだって そう
ひとつの肉の塊に過ぎない
すべる足元にご注意を――――
それにしてもここの照明は明るすぎます
....
地球上で
毎日 誰かが
それぞれの
日記を書いている
誰の目にも触れず
(私の)大切な日々の
記憶の断片に封印して
さっきまでいた人の
後を追うように
消え去る
確かに(私)は
....
僕は親を尊敬する
ある日
親の背中越しに系譜と呼ばれる
歴史的な城が建っているのを見た
気がつけば
親も僕もその城の門番だった
僕は親よりすこし若かった
そ ....
朽ち木 陽射し 糸 眼鏡 花 枯草 それらに纏いし風
やおら朽ち木を陽射しが蠱惑し、遍く滾る圧に諭され窄む様子を哀しげに謳う蒼氓の俯瞰に秘めたる慈しみと蔑みと戸惑いを想う
....
その可愛い顔を
曇らせないで
その奇麗な心を
輝かせて
辛い時は
いつでも一緒
悲しい時は
いつでも一緒
分らない事があったら
私に聞いて
泣いてもいいから、
そしてゆっ ....
逃げ出した黒猫を追うな
桃色肉球の柔らかな足跡、その跡を辿って捜しあてるのはやめてくれ
悲鳴だ助けだなんだと、指さして決めつけて
鉄筋のガレキのすきまに手を器具を首を突っ込んで
あたりかまわず ....
夢に溺れた人がいた
夢に溺れた人は口を閉じなかった
本棚にはおとぎ話と空想の国の絵本しかなく
晴れた日には空を眺め花と歌い
雨の日は水滴に合わせて踊っていた
夢を捨てた人がいた
....
貴方と私
キラキラと貴方が聞かせる物語に酔っていたいよ
貴方の腕の中、ありえないって心の棘がじくじく刺さっていても
温かい腕から抜け出せなくてしがみつくのは滑稽かな
貴方と ....
ソウルに出張すると飯は明洞でとることが多い
基本晴れおとこだけど
明洞はいつも雨が降っている
屋台でチゲ鍋、最初は辛くて食えなかった
野菜でも豆腐でも赤いスープがついてしまうとダメ
水を飲ん ....
幾ら
目の前の海が
素晴らしくても
窓を開けられないのなら
ただの特大ポストカード
うすい水の膜を通して
いちにちの過ぎるのを待つ
泳ぐに泳げない、
不器用な蜥蜴の成れの果ては
にんげんに良く似ているらしい
わたしは髪を切る
意地の悪い快感をもって
不運の絡 ....
並んで座っている父が
僕にもたれてくる
落っこっちゃう、と言って
体を預けてくる
床から目まで
わずか数十センチの高さが
怖くて仕方ないのだ
ねえ、お父さん
お母さんや僕の ....
季節を急ぐように咲く
あのブーゲンビリアの花のように
突然泣き出した
あなたは
底なしの悲しみの底に向かって
うつむいている
ブーゲンビリアもうつむくように咲く
けれどそれはうつ ....
紅茶をのこしてきみは消えた
兄妹のふりをして空の下を歩いた
きみの話に同情して
フロントガラスを殴った
そのあとはじめてホテルに行った
もう何年もそうしている兄妹のように ....
おい
イタル
たかこぎするべ
といったら
うん
というので
チヨオ
しんぱんしろ
といったら
うん
おすなよ、うしろから
ぜったいに
うん
陽に ....
黒い瞳で上目遣いにに見つめる。
ちょっとはにかんでみせる。
無意識に。
ドル札を受け取ったとたん。
無意識が意識になる。
ちょっと民族衣装のすそを直す振りをして上目遣いで見てみる。
私は本 ....
ある原始人は
暦に逆らい
若作りをした
ある原始人は
暦に逆らい
絵を書いた
ある原始人は
暦に逆らい
ダイヤモンドを作った
ある原始人は
暦に逆らい
電気を作った
....
植林林の万華鏡
土の城の匂いを嗅いで
ああ
我らは犬か猫
ジョビバラのような分裂
このざま
辺りは餌づくし
嫌に嫌い
闇夜の憂世
ああ
パラボナを撃破したい
カタチを変えても
ワタシはワタシ
根っこは変えない
コレで行く
掛け軸の後ろにあるものは
じっとしている
いらないと仕切られた上に
何がかけられたのだろう
絵は語るのだろう
字は話すのだろう
ただ外と中を区切り
支えるだけでは
満たされ ....
Cadd9ではじまるきみのアルペジオにすいこまれて
こころのみずべにほしがうかぶまるで夢のようだね
C で終わるストーリーのさき何まってるんだろう
ハッピーエンドの映画だって人生の終わり ....
人は誰だって
夢を見ている
それが明日叶えられる夢だって
遠くて遠くて100年経っても
叶えられない夢だって
きっと幼い少年少女のように
夢を描いているんだ
でもその夢が ....
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