実家の外に片付けられていた
三十年近く前 他界した祖母の鉢植えの鉢達
捨てようと思っているが
欲しいか と母に聞かれ
年々 花作りに目覚めていく夫へ
古いものだが 洗って綺麗にすれば
買わ ....
その掌は
緩慢に
闇を
押し拡げる
最後の
夜明けのための
祈り
を捧げる
祭壇には
いつのまにか
わたしがいて
わたしを見ている
疲れた体に
すすむ一杯の酒
もうダメもうダメと言い
漕ぎつけた週末
漏れるのは溜息ばかり
すすむのは医療費のみ
体はもう空中分解寸前
ギシギシ悲鳴を上げる。
来たのは救命技能認 ....
母へと語られる
おもいは
いつもことば少なで
ずいぶんと幼い頃
学校へ行きたがらなかったわたしを
ぴしゃりとしかりつけた
あなたの手のひら
たった一度
手を上げたのはその一度
....
やがて雨がふり
話はつき
花のひとひら
散るだろう
ひとつの手の中にある
ひとつの手のいとしさは
距離と時間を忘れさせる
どこまでを忘れ
いつまでかを知らずに
ひとつの心の内にある
あの日の記憶に見えるのは… ....
ニューワールド建築中。
ニューワールド建築中。
ふざけたオールドワールド、リタイア。
嗚呼、今なら入水自殺も、お前となら可能さ。
ふざけたオールドワールド、リタイア。
嗚呼、深く潜るなら ....
予報どおりに
夜半から雨
街灯に照らされた水滴の連なりは、
白く
夜の一部をかたちにしてみせる
舗道の片隅ムスカリは
秘密を蓄え
雨に味方する
さわ、わ
さわさわ風に
雨糸揺れて
....
では ここで分岐
右 or 左?
わたしは分厚いコートを着ていて
それは寒いからじゃない
かすり傷だって負いたくないから
物事は余裕を持って
でしょ
勿論!
その質問には
....
告げれば赦されない
雨がまだ止まない
わたしは
わたしのために生まれてきたのだと
抜かせばづうづうしい
ならば
人のために尽せているのかと
問う
答えはいつも二通り
....
風に触れて自分を感じて
肌に吸いつく肌寒い春
そっと抱き寄せた小さな花は
君が見るまで潰さないよ
呟いた言葉は君に届かずに
ただひと時の夢となる
僕と君とは共有結合
気持 ....
灰色の空 雨の日は憂鬱
窓辺で雨粒がご挨拶
ご機嫌いかがと親しげにいわれても
あいむふぁいんと返す気分じゃない
めくり忘れたカレンダーに並ぶのは
反芻した日々
雨の匂いが染み込んで ....
あさってが明日になって、
明日がきのうになってゆく
雲がごうごうと音をたてて流れる
ぱたぱたと急ぎ足に雨、が
足もとに水溜りを創っていく
あの透明感と少年、
紫陽花の色が変わり始める
....
彗星が氷塊だということを
私はわりと気に入っている
いいとか
わるいとかいう話ではないけどね
氷塊なら
何だかひょうきんそうだし
つまらぬ誤解も氷解しそうだ
彗星がもし岩塊だった ....
海鳴りが聞こえたら、それをただの空耳だとは済ませずに海のなかを覗いてみるといい。数枚のレンズが折り重なって一つの層を形成しているのがわかるだろう。波紋はそこを潜り抜けるように細密に広がって幾つもの触手 ....
aiというものは
四つ葉のクローバーのようなものなのだろうか。
お互い相手にはバレてないつもり。
ホントはそんなことないけど。
言葉の端々、何気ない仕草をチェックし合う。
勝手に深読み
膨らむ想像
この子には負けたくない。
....
せっかく森を着せてあげたのだから
木漏れ日のように微笑みなさい
せっかく草原を着せてあげたのだから
そよ風のような声で話しなさい
あなたはアミメキリンであり
トムソンガゼルであり
....
ごっこ遊びに飽きた日
まったなしの連続を
戦うことに決めた
でたらめな今日の延長に
譲れない未来を描くまで
綺麗ごとが染みに見えてしまうのならば
綺麗なもので世界中を埋め尽くせばいい
それが当たり前になるように
両手を広げられることを
抱きしめるべきものがあることを
美しいものを認めるこ ....
早い朝の
透明な風と
柔らかな
乳白色の
朝日の中で
眠っているひとへ
もう 夢の終り近く
名残惜しむような
やさしい寝息と
微かな頬のさくら色
起こさなくっちゃ
いけないけど
....
斬新に
新しいを
感じるは容易いか
斬新でないに
新しいを
感じるは難しいか
感じる人
また斬新を生み出す
弦が弾かれて
その指先を求める
懸命身をやつして
華は昇りたいのか
姉と呼ばれる人たちの風船が
大気圏の向こうに焦がれる頃
妹と呼ばれる人たちの噴水が
地殻の感触を求める
....
どこから
ともなく
流れてくる
なつかしい調べ
さえずる小鳥も
枝の上で目を閉じ
一匹のシマリスは
頬を膨らまして
....
君がいたから強くなれて
君に逢えたから逞しくもなった
君が不意に引き寄せるから
私は泣きたくなりました
愛してるの無力さも
寂しさの限度も
強がりの弱さも
人 ....
死ぬのが怖いなんて錯覚だ
誰かに死なれることの方が
よっぽど怖いじゃない
ブランコに腰をおろした
背もたれのない背によりかかり
ブランコはあたしごとひっくり返る
....
無
悪
死
愛
有
良
生
憎
存
在
す
る
もう四月もなかばをすぎたので
夜明けの空はあかるい
あのあたりにさそり座があるんだよと
指さしても
そこにあるのはただうすあかるい空で
輝かしい過去も
きらめく未来も
いらない
....
闇のなかを 群れがすぎる
音は光り 見えなくなる
低い午後に
指ひとつ残る
二色の霧
陽の渦の橋
冷えた片目
手のひらに隠す
白い花の背
浴びては ....
減りもせず
増えもしないものを
あなたはステージの上で
惜しみなく見せている
たくさんの
紙幣や小銭が
あなたへの対価として
支払われていく
夕日のような
スポッ ....
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