時間が一定に進むものが現実で、不規則なのが非現実だと、会った事もない奇人が言っているものだから、
皆の代わりに僕は言ってやったんだ。
「貴方は恋をした事がないのですか?」
....
目覚まし時計より早く起きた朝
君は台所で食器を洗っている
テーブルの上にはトーストとサラダ
シーザードレッシングとマーマレード
カーテンの隙間から太陽が呼んでいる
零れ落ちる光の粒をすく ....
僕は僕の皮を剥いてゆく
そろり そろり
痛くしないように ゆっくりと
不安 欺瞞 恍惚
嘘に包まれた僕を ゆっくりと剥いでゆく
随分痩せっぽちだったのに 今じゃメタボリ ....
眠れない夜に
咲いた一輪の花
いつの間にか 過ぎる月日
姉の後ろ姿を映しながら
煙を纏う
美しい肌に
はり
....
ふいに思いついたタイトルを
そのまま即興書き下ろし
綺麗に飾りつけたおばさんよりも
ノーメイクのおねーさん
化粧の濃い香水香るおばさんよりも
ノーメイクのおねーさん
もしくは縁 ....
オブラートに包まれたものを
一つ残らず剥ぎ取ってみる
綺麗に加工された宝石から
生身の原石など取り出しても
美しさを損なうだけだと言うのに
某の背徳を感じつつも
衝動片手に掘り進め ....
人には恋がある
ウサギにもあるのかな
人には歌がある
コオロギもうまいよね
人には夢がある
イルカにもありそうだよね
人には翼もある
ペガサスみたいにさ
人は悪魔にもなる
神 ....
摩訶不思議な自然にぐるりと包囲されて
板ばさみ
三分の一
いや、二分の三
なんだか無性にガリガリ君が食べたくなってきた、と言って
わたしはわためかな、と返して
あの雲はきっと竜の巣だと ....
*
抽象をなぞる指先が、無色透明な肌に存在だけを記して
昨日の空に溶けて行く、輪廻を正しく辿って行けば
全ての人の記憶は一つになると
ついさっき、知りました。
だから、君の香りはどこか懐かしいのだ ....
虚無でいっぱいに
みたされて、きみの額に
いくつかの
傷が
刻まれる、神を
欠いて、祈るために、痕跡を
読むために、きみは
断絶そのものとして
彼方に
移動する
....
それぞれの速さで歩む人の群れ
その何割が自分の速さでであるいていて
その何割が他人の速さに合わせているのだろうか
僕が生きている内にすれちがった人は
世界のの人口の大体何%かな ....
会合を終えて神戸から倉敷に移動するともう11時だった
ホテルにチェックインしても脳みそはまだ高速をぶっ飛ばしている感じだ
2時間ぶりの煙草を喫煙コーナーで吸う
11時40分からマッサージを予約し ....
前髪を切った
雨上がり
庭先でミツバチと出会う
胡瓜の黄色い花にモンシロチョウが舞う
土の匂いが肺の奥まで届くようだった
見上げれば空が雲と調和して
すべてを見わたしていた ....
突然のことを「風」と名付けた
まだ受け身を覚えてもいない
優しい、と言われるほどに優しくはなく
平均化された僕らは、どこにでもあった
人がいなくなって初めての夏はとて、も暑かった
ぶら下 ....
大した苦労もしないでたどり着いた
夢の入り口に足を踏み入れたら
それが本当に自分で望んだことなのか
わからなくなってしまったんだ
理想と現実のギャップに落胆して
無垢な憧れを汚してしまう ....
ダメです、ダメです。ぼくはダメです。
ふろ場にて
堕ちる
堕ちる
風が きもちいい
景色が ひずむ
堕ちる
堕ちる
どこまで行くんだろう
終わりはあるのかな
ひゃっほ ....
君が手を握り返してくる
ほどけかかった髪を
気にもとめずに
夢中で遊んだ帰り道
陽が傾きかけた
商店街で
君は目をキラキラさせて
さっきまで握っていた手を離して
駄菓子 ....
寝苦しい 湿気
疲れ まとわりつく 汗
振り払うことはできない
すべての事は、人は、
嫌いになりたくない
でも、
でも、
嫌悪をいだかざるを得ない
瞬 ....
人がいる
渇いた街に
人がいる
湿った街に
二つの温度差によって
街の正しさが
計れるというならば
正しさとは何でしょう
涙に暮れて生きる人と
泣く意味もなく ....
あらかじめ堕胎された革命の
水面にたわむれる残像
指先につまむことのできる
計測不能なオーピアムの胞子たち
溺れながら夢を見る
草原を走る深夜の列車の窓
音楽はいつもきまって理不尽
090624
行人偏と禾編がケンカして
別れた
離婚したのではなくて
別居しただけだと
読者を
隣人を
父を
母を
弟を
叔父を
....
「クローゼットの中を見れば相手がどんな人かわかるものよ。」と、彼女は言った。
ビル屋上。隣に座るOLたちの話を、同僚らとともに聞いていた。
同僚らが彼女たちに声をかけるかかけまいか
決めあぐ ....
玄関先にサナギがいることは知ってた
でも飛び立つのはもっと先だと思っていた
蝶のサナギが破れていた
下を見ると、羽根の折れた蝶が落ちていた
とてもきれいな羽根をしている
畏れ多い姿に ....
対岸の浜で諸手を振って儀式張るカニたちはもちろんこちら側からは見えない。アサリ取りの漁師の舟が水面に突き出た竹の近くに浮いている。そこには何本もの竹がある。
当たり前のようにあった堤防は何でもない ....
きっと
この世のすべては
過程なのよ
肩の力も必要さ
誤解は和解のために
平衡は無限遠点で交わる
ユークリッドなんて大嫌い
幾何学に愛を
未 ....
季節はいつも虫の鳴き声に寿がれていた
それがコノ、苫屋の蔦茂した夕暮れの
遠い景色の移りゆく様の記憶
土と草と太陽と
月と
日の燃えさかりの向こうには
為てやり顔の
君
ご機嫌なの ....
月に酔う
目眩く色彩など
有るはずも無く
耀く孤高は闇に聳える
見えるものは虚飾しかなく
光の実存その存在を知らず
色彩のみが色なのか
概念を破壊せよ ....
熱望して誰かの魂に着床したらいいと
喉元潤した後の顛末はオルタネイティブ
割れた閑談は事無きを得た所為
肥えた筆談は早々に退散です
どんなに見積もったって
場末のステージで育む御 ....
いつの日か届くと疑わなかった僕らの文明が崩壊していくのだとしたら、
今密かに繋いでいた手を解こう。
肌を寄せ合うだけで満足なら受理されない契約書を破ろう。
叡智を極めてもあの{ルビ巨= ....
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