カブトムシの眼はきれいだ
黒い真珠のようだ
あるいは透明な膜でつつんだ
何かの宝石のようだ
(動かなくなっても)
まるでずっと何処かを
見つめているみたいだ
動かなくなる ....
かたこと
左隣に少女
向かい席に老婆
かたこと
右隣空席
後ろに霞がかる空
かたこと
気付いたことが有る
或いは気付かない振りをしていただけかもしれない
右隣空席
車掌のア ....
死にたい奴は死ねばいい
なんて俺には言えない
俺は死にたくても死ねない
死ぬのが怖いのかって? そりゃそうさ!
自分が死ぬのも人に死なれるのも怖いさ
人の命は核兵器みたいなものだ ....
成年したてのきみは、
やっぱり煙草をすわなかった、
そのおおきなての、
骨のめだつ指のフォルムに、
{引用=白煙}
似合うとおもうんだけれどな、
{引用=で}
と ....
外の空気は不味かった。
どうしてこんなもんを吸ってるのか、と。
僕は息を止めた。
生ぬるい風が、全身を包む。
空気が、僕の中に入りたがってた。
何か負けたくなくて。我慢し ....
休日の
古いビルの階段の
陽の中で
ぬるい水溜まりのような
ものがたりのが
川風に
そよいでいる
脈絡は
とうに失せた
誰のものとも知れない
息遣いと靴音が
光の中で交錯する
....
風が吹いてる
人々はざわめいている
月にはひとの足跡がついている
それでも
ぼくら
会わなくちゃいけないんだ
星の川に
きみを
横たえるよ
雲をかき寄せるから
....
幻影に怯え現実に目をつむる
そんな大人になってしまいました
あたしは{ルビ二十歳=はたち}を過ぎたモラトリアム
あんなに幸せを感じた日々もあったのに
持続できないあたしは罪人のよう ....
夜の街
ネオンが一人歩きをする時間
人通りの多い駅前
だれか見つけてと
声に出さないで叫んだ
煙草を吸いながら
過ぎる人を睨みつける
そんな餓鬼にしか見え ....
戸を開け、跪いた
枕元で言い知れぬ儚さを頑なに拒絶した
鄙びた翼を毛繕いしながら
仄かな月灯りの点す方を見やった
俄かには信じ難いが
磨硝子の向こう側では
今宵に限って
遮断 ....
真夜中/街灯/無人駅/アスファルトに咲いた白い花
煙草/缶ビール/読みかけの本/錆びて褪せた古い看板
波止場/大観覧車/真っ赤な郵便ポスト
朽ちて行く町/崩れて行く遠い影/消えてしまった風情 ....
天の川を渡ろう
スイカの舟に乗って
星に種をぶつけながら
きみと並行する
川下まで行ったら
また来年会う約束をして
それぞれ地上に戻ろう
どうやら苦手なものに好かれてしまうらしい
人前で話すのはいつまでたっても苦手なままなのに
旧友の結婚式でスピーチを頼まれてみたり
不得手解消と中途半端な意気込みで卒業した英文科の呪いなのか
....
抱えきれないほどに大きくなりたかった
青々としたたくさんの細長い波が視界を埋め尽くし
何処まで続いてるのかなんて見当も付かない
涼しい風が吹く頃には黄色く重い稲穂が頭を垂れ
やがて精米 ....
七夕なのに 今日は曇り
ある土地
最も重要な事件の起きた土地であり
最も重要な時間が流れた
ある土地の名
ある時代
名の付いた時代
不幸と幸福が仲良く住み着いた
誰もが知る時代
貧血の草茫々と黒い家並 ....
今宵、君に逢はまほし
天の川に流れる小さな願い達
魚のように頭の上で流れている
今夜は星が見えるかな
君は私の彦星様
我君の織姫にあらましかば、君来まし
君の求 ....
今日も雨
川は溢れて
かささぎの渡した橋も流れていった
曇りの昨日 急な夕立
星の川は空に沈んで
轟々と音を立てている
私は此方の岸で祈っています
貴方が流されてしまわぬように
....
仕事帰りの駅の中
ボクは無思考のまま
鞄に迷い込んだ財布を見つける
通り過ぎる人の群れが
ボクの思考回路を復活させる
一瞬舞う香りが
....
+8月19日
背が高くていつも
自信がなさそうにしてる
優しい普通の女の子
美しい横顔で
声を出すと歌になる
大切なことは
いつも最後に
こぼしていった
....
五千円貰った。とても嬉しかった。名も無き私が、初めて自分の力でお金を稼いだ。
今時五千円といったら、他人様から見ると大した金額ではないであろう。しかし貧しい私にとっては、大金である。
その大 ....
青い空 描かれた雲すくって食べたら きっと甘いだろう
入り口の ない、
壁のような表情をするから
どこから
くすぐるべきか
自らのはらわたを探ってみる
息を、
してないかもしれない
はっと思い
こないだ埋めた
種々に耳をあて ....
よるというカーテンを捲ればひしめき合う点と点と点と
うごめくような小さな目映さでもって
私は朝に傾倒する
さわさわとする入り口
あるような、ないような私の内坪に
すこしだけかかる重み ....
それでもって突如その門の前に現れた彼は私にこう問うわけだ。
「お前は一体何者なのか。ここを通ることが出来るのは、自分が何者かを知っている者だけである。」と。
ずいぶん不遜なことをいう門番じゃあない ....
たくさんのシュワシュワとした幾粒の思い出が、弾けて消えて弾けて消えて
少しづつではあるけど、確実に消えていく
べたべたするのが嫌だからと選んだ無糖のレモン味の炭酸水
ハジケ飛んだ後に ....
090704
青い日には
詩を推敲する
青春の尻尾を
ちょんぎって
本物の大人になるのだと
言われなくてもがんばるのが
青年後期の
務めです ....
僕は
アイデンティティを作ろうとしていた
そうして社会に出た
僕は群れの
外れの
小さな境目を見つめ
そこへは行かなかった
お金を手に
家族を手に
揺 ....
090707
空蝉の声が喧しい夏
スイカにかぶりつく
誰何されると
直立不動で敬礼する癖が抜けないので
右腕をへし折って
マネキンの細腕と付 ....
今を指差すと
今ではない
指先がやって来る
するとこの指は
たちまちおばけになる
今を指差す
ことしかない
少しでも
過去や未来ではならない
今だけを
指差すしかな ....
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