秋、どよめく朝に
人は来る 人は去る
石のぬくもり、地の恩寵
川辺に彼岸花 赤々と群れ
戯れる犬、子供
名指され得ぬ天の標的に
生、とうめいな矢を放つ
きみの教室はいつも水浸し
ぼくの上靴にフィンが生えてきた
きみを追いかける足は上手く回らない
きみは息継ぎが苦手でいつも口ぱくぱくで
そんな間抜け面もとても可愛くて
ぼくの教室も常に水浸しで ....
乾いた感覚で日曜の夜の表面を滑っていく
音楽やアルコール、色のない浸透でゆらゆら浮かぶ
希望、のような、淡い文学を
手に入れたい、と
思っている
言葉は、薄く切っ先を重ねてい ....
必要という2文字がつくと
悪は善に化けるのか
最近
やたらと目につく
お粗末字幕
悪は悪以外の
何ものでもない事を
忘れてしまうと
こんな風になるよと
言わんばかりの
....
悲しいかい って 聞いてくれて
さみしいかい って 聞いてくれて
そんな 言葉を 夜に 手に入れて
満足なのかなあ
いやいや そういうわけでもない
ただただ ....
朝起きて
窓を開け
詩を書きます
って言いました
そしたら俺は詩人になった
遠くで老婆がこっちを見ていた
階段を降りて玄関を出て
虹色に輝く木刀で斬り裂いた
あの老婆の
....
手にて 書く 物はない
何を 書いても 空しい
生きている 証が 欲しい
書くこと 考える ことが 好きらしい
何を 書いても 達成感が ない
私だけ ....
○「便利ロボ」
「お父さん!」と呼べば
いつでもどこでも
ママのところへ駆けつける
こんな便利なロボはない
○「情報化時代」
間違った情報が
正しい情報を駆逐する
過激な情報が
....
人ごみに混じってブリキの人形が
中身空っぽの体かぽかぽ言わせて歩いている
人間でないことを
わかっていないのは本人だけだ
周りの誰しもが
異物の混入に気づいている
おっさんが
....
(───パトカーのドアを開ける。振り向きざまに笑みを浮かべた少年が、後部座席へと乗り込む。
(少年は振り向き、笑みを浮かべ、パトカーに乗り込んでいく。
───厄介な事を起こしたの ....
太宰の長男に
障害があったことは
世間ではあまり知られていない
ダウン症だったと言われている
桜桃では、そのことに触れ
ひどく心配していることが
書かれている
太宰の死に関して
この長 ....
パスワードに
好きなものを設定すると
どれだったか忘れてしまうので
忘れたくても忘れられない
嫌な人の名前を設定した
おまえなんて大嫌いだと
キーボードで打ちのめす
いじめたあいつ
....
自称詩とは言え
やはり若者のものだ
若いから
ちょっと恥ずかしくて
人に見せられないものでも
若気の至りで許される
じじいやばばあは
自称詩人と言うより
むしろ他称死人と言うべき
....
ささやかな雨は降り
こまやかな雨が降り
時は溶け
時は進む
あなたは在った
あなたは消える
あなたはいない
軽々しく生きて
重々しく生きて
あるもの在る、 ....
気がつくと、そこはオスファハン邸の地下室だった。
ヨランとアイソニアの騎士とは、頭を振る。
(一体、何がどうなったのか……)
「アイソニアの騎士様、わたしどもは現世へと帰ってきたようでございます ....
「死んではなりません、エランドル様!」オーマルが叫ぶ。
「あなたは、我らドラグネイアスの救いでもあらせられます!」
「ふふ。我は託す、そこなる道化師へと。……虹の魔法石を、
よく使え!」そう、 ....
「汝はドラグネイアス。我に仕えるものである。
そして、汝自身が生きた意味も、やがて分かるだろう」
エランドルの言葉に、オーマルは首を垂れたみせた。
「殊勝だな、オーマルよ」──と、アイソニアの ....
毎日同じことが繰りさえされ
ひとは それを 幸せと 言う
喜びも多いが 悲しみも多い
私も ひとと 同じように
幸せを思う
しかし 常に 一縷(いちる)の
不安が こころをよ ....
人は誓いを自ら破って
幾ばくかの情を亡くしていく
その繰り返しを見つめている
夕焼けを縁取る雲になりたい
古い映画に出てくるような
鈍い痛みに耐えかねて吸った
....
今日もこの世界の中で生きている
目覚まし時計の金属音で目蓋を開き
時間の風が流れてゆくこの世界
空間の踊り場でもがきながらも
生きていることの素晴らしさ
....
おててはクマさん
つめたいお水でお米研ぎ研ぎ
あ、あまり研いじゃうと
えいよう、が損なわれちゃうよ
「お父さん、ちょっと黙ってて」
はい
すみません
だって、お前の初めての、 ....
虚空を見つめる
あなたの眼差しが
まるで異星人のよう
わたしには余り時間が残されていない
在るものを凝視しながら
進む時を生き
在るものの輪郭を確かめながら
肉体に滞在し
....
柔らかさから 数えられる
甘くて暗い音色が好き
欠けてゆく 微かに
シンバルに似た月が好きで
砂丘の向こう
足ふみならす鬨の声
青空にぽっちり
あらわれる 黒点が
道にあふれる
....
間を 呼吸する
しずかにおちついた心に
間を 見つめる
ただひたすら
魔に取り憑かれ
愛を遊離させた
時代に、
理想は喪失され
肉欲で埋め誤魔化し
それを愛と勘違いし
....
要は物理の世界ならともかく
普通に生きている毎日では
鍋はいきなり煮えたぎらない
誰でもわかる摂理の
紐づけができないと
陰謀論がやって来る
私は詩人になれぬ理由があり
悲し ....
僕が 生まれる 一瞬を
僕の 意識が 生まれる 一瞬を
いつも 夢で 見ていて
起きれば 僕が 生まれる 一瞬だと
思いながら 楽しく 夢を 見る
....
周りは林檎園ばかり
空気はほんのり林檎の香り
種類が多く
食べ飽きることは少ない
赤い林檎は美味しい
貰ったり
あげたり
土日祝日は人でいっぱい
林檎狩の人でいっぱい
静 ....
名探偵コナンが
1000話をこえて継続中だ
アニメでしか実現しない
魔訶不思議な世界なのに
誰も異議を唱えないのは
なぜだろう
SFだとワリキレバ
許せるかというと
S ....
人間
人生の大半は
寝ているか
働いているか
らしい
つまり
呼吸は
寝る他は
働くための呼吸
だからして
「ビジネスとしての呼吸」
と言うのは
どうだろうと
ちと
....
限りなく張り裂けていく哀しみ
限りなく開けて響きわたる歓び
あ 足裏 温まった熱廻った
花咲くココロ、
行き場はないんだ
行き場は切り開くもの
それにしても美しい日だった
雨 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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