通り雨が過ぎて夕暮れ
虹が出ないかと窓を開ければ
そもさん せっぱと
がなりたてる小学生が
傘を差したまま歩いた
歩道橋が見えた
やることがないので
テレビは壊れたままで
修理に ....
「 蝸牛 」
目まぐるしく迫り来る日々は気だるく
居場所を見失いそうなほどの静けさに戸惑いながら
傷だらけの両の手で
決して届かぬ銀色の夜空を掻きむしる。
....
車がたくさん通る
高速道路のトンネルに
住んでみたい
非常電話の扉の中
さらにその奥
誰にも開けられない
硬い硬いコンクリートの内側
誰にも見つからないように
こっそりと部屋を作っ ....
さようならと言うことが
お別れではないように
決められた夜明けは
訪れないのです、私の朝に
どんな明日が来るのか
誰も知らないから
眠れない夜も
夢見る眠りも
明けてしまえばまぶし ....
両手でふたつ
チョキを作って
横に寝かせて
ハンカチをおさえてみる
真ん中がふくらんできて
光る球体がしみ出してきたなら
これは夢
真ん中がしずまったまんまで
外ではせわしく青 ....
つめを噛む
黙っていてものびてくる
そのつめを噛む
噛み切ったぎざぎざの切り口を頬にあて
自らを削ぐように滑らせるとき
痛みとともに描かれる白い線には
まるで罪などないのだ ....
予定のない日曜日
雨続きの週末
部屋の隅あぐらかいて
六弦をいじり回す
干せずに湿った布団みたいに
身体がひどく重いんだ
代わり映えない毎日
部屋を満たす湿度
そのせいか愛猫は
....
泣い て いた
多くの人が泣いていた
でもこんな羽毛のような悩みで泣いているのは自分だけだと
また多くの人が そう確信して泣いていた
自分だけだと 確信して泣いて
石の ....
小学校から帰ったぼくに
「今夜はお母さんの店で夕食だぞ」
と微笑みながら次兄がいう
長兄が帰ってきたところで
兄弟三人で冬の夕方の千住の町を
母の店に向かった
今夜は母と一緒の夕食だ
....
改090603
宇宙を旅する
きみの悲しみを
微惑星が消し
抑えがたい憂いは
彗星の尾が運ぶ
激情は、爆発誘発溶融
火球を吹き飛ばす勢いの
遊 ....
オルテンシア、幾千の折り紙細工
集球は毬つき
ばよんぼよん
ひも付きではない枝付きの水ヨーヨー
けれど気をつけなければ
あじさいの葉裏はそれだけで{ルビ聖域=アジ―ル}
ヘアリーな ....
火に話しかけて
(夜の原のうつせみ)
応えはなく
空は硬く鳴る
花が降りてきては飛び去る
鳥は川を下る
無言がかがやき
鳥のあとを追う
花の楽器 ....
銅メダリストは、
胡桃の実の、殻に秘められたるを知らない
私は誰から手わたされた?
カンパネルラ?
コンロに火をつけると、
ひとときの黄緑とオレンジ
それは化学、それは魔法
気づけば ....
逆巻くバイアス アーニーの純心は
どう仕様もないほど眩しいくらいで
蹴散らかしたとして 何の不義もない 生まれたからには透明で
あの鉄塔によじ登って 空を浴びるんだ
見 ....
カッターナイフの先のうす暗い沼
新聞の活字を吸い込んで
重く帯電する
蓄積されたイメージは?年に二回
野良猫の舌へ落雷するのであります
夜毎
幾重にも重なり合う
夜のとばりの中で
子供のように
うずくまるもの
それは
命名しようとすると
いなくなる
「名前なんかいらない」
と うそぶく
「そんなのなくても
寂し ....
ドア−に閉ざされ 点から点へ向かい
流れる風景を進んでいく
箱と、なって
運ばれていく
空気に
希望をいつも断ち切られるように
鉄橋に
雲たちは運ばれていく
今も口を閉じたよう ....
象の尾に
憎悪がぶら下がってる
冷たい温度で憎しみは
僕の肉に染みついてる
ナメクジの
せわしない足音がする
雨上がりの動物辞典
神様、
席替えしてもいいですか
....
ずっと見てんだ
ここから
降りる気なんてないし
登ってくるやつもいない
ただ
おれはひとりで
ずっと見てんだ
ここから
ぜんぶ
おれのものだから
ずっと見てんだ
....
あのこはデンドライトの目玉を入れているよ。
琥珀色の瞳の無い眼球に
植物みたいな結晶が光っているよ。
あのこはじっと動かない。
瞬きもしない。
あのこの目玉はデンドライトだよ。
許さないから
与えない
見捨てるために
置き去りにする
そのために
口を捨てる
老人のように聴衆の中に立つ
彼らと同じ土の中から生え出た
私の体はいったいいつ
老人になるのだ ....
(序の刻)
ああ
そこにあるのは
あれは虹であって
虹ではないのです
天に昇ることを許されなかった
屍たちの描いた
放物線なのです
無残にも
灼熱地獄に照らされた
残尿の
....
東京の山中に梅花をさがす
そのための前夜祭がおこなわれた
きみは友だちと肴を集めた
ぼくはウィスキーと葡萄酒を用意したが
梅酒のないことを悲しんだ
宴たけなわ
酒と肴の上に
三月の雨がふ ....
お前と馬鹿話したくてしょうがない いやもうさんざんしてきたんだけどもっとしたくてしょうがない 本当は大事な話をしなきゃいけないんだけど それは俺とお前には避けては通れない深刻な話なんだけど いつも会う ....
何故泣きたい
私の心は薄っぺら
私の言葉は薄っぺら
私の行為は嘘っぱち
私は嘘で出来ている
大層な日々など生きてはいない
それなのに、
何故泣きたい
私の涙に価値などない
私 ....
頭の骨の中で起こることが
あなたとわたしの全てではないと
確かめながら
食べ
汲み、飲む
気持ちのよい
作業を続けていますけれど
こころは
殻なしの底なしのたまごなのです
中には
....
美しい赤紫色の旋律弾けて
夕日が沈んでいく
幕が下り
紅潮した顔も
明日になれば澄んだ瞳で朝を迎えるのだろう
*
終わりなき道程も
休息を交えながら進むように
....
道行く人が食べられなくなって、
明日行く職場を突如失って、
森林は消滅していって、
極地の氷も溶けていって、
そんな情報が流れていって、
それでも気持ちは動かなくて、
私は一人 ....
合格率2%を誇る現代詩全能協会主催現代詩検定ハイパー1級
保持者の私に言わせれば日常的に振動の止まない不確かな心という
マニュアルが枠外に飛び出る程度の瑣末にポエトリックに価する
吸水力など望む ....
きみが彼方に
触れて、
彼方もきみに触れる
気が触れて、夜
きみが口ごもるとき、分からない
ものが
存在することの、金属
音
3745 3746 3747 3748 3749 3750 3751 3752 3753 3754 3755 3756 3757 3758 3759 3760 3761 3762 3763 3764 3765 3766 3767 3768 3769 3770 3771 3772 3773 3774 3775 3776 3777 3778 3779 3780 3781 3782 3783 3784 3785
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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