層なす雲が
冷気とともに
やって来る
空の青み、
ぽっかり
空け
うっとりゆっくり
歩を進める
わたしの
透明な足を
掬っていく
宙に浮かぶように
宙を彷徨うように
....
今宵、だれと
どこへゆくのかを考える
嘘みたいに
車で走ってる高速道路で聴こえる
秋の虫たちの歌声
高速を走ってる
車の中まで聴こえて来るって、
なんかそれって
音 ....
深夜、国道に落ちていた
焼きついた《絶望》を海に向かって投げた
海には少し怖いくらいの
重く暗い波の音しか
していなかった
ポチャン、
って
聴こえるかと ....
あきらめるなよ、男だろとの言葉が目に飛び込み
何かと思ったら育毛剤の広告だった
そのあとに
あきらめてしまえば、癒しようのない不幸も和らぐ
との古代ローマの詩人、ホラティウスの言葉が
僕 ....
看守たちの血が迸る。ヨランは、顔を青ざめさせた。
リグナロスもまた、剣で監守たちに斬ってかかっている。
(わたしだけが、逃げるわけには……)ヨランは心のうちで思った。
しかし、看守たち向けて、エ ....
数人の男たちの駆け足の音が、聞こえてきた。
看守たちが目を覚ましたのである。
「そこな女、そこで何をしている!」勇ましい声が響いた。
リーリンディア監獄の監守たちの声である。
エインスベル ....
一つの答えの予兆だった。この世界は、クーラスに支配されてはならない。
もちろん、エランドルによってもだ。
エインスベルは、この世界を支配する者の存在を許さない。
人とは、自由であり、己が道を己で ....
きょうのわたしはしにました
あしたのわたしもしぬでしょう
でもまたうまれてきてしまうでしょう
そのようにし いきてきた
たんたんと
こころのおきばしょをさがすために
いきてきたわけじゃないのに
あいらくも
たんたたんとやられちゃ
もうなにもかも
あぁ
そんなことのために
ことばが ....
横顔しか知らなくても
一言しか話せなくても
遠近法で
恋の輪郭を描くのです
笑ったり
怒ったり
誘ったり
作ったり
相手がいるから
上手になるのです
もっと近くで
....
たくさんだね 地図
古びた町でひろがり測る
今朝も迷路 団地の配置図
いつか眠いまま 勾配でいられなくなる
朽木の根元で春にさらわれ
溶けた子どもらが
きゃあきゃあ流れてく
たま ....
変わらない友情で
君に尽くそう
変わらない真実を
君に語ろう
哀しみの時も
苦しみの時も
喜びの時も
友よ
君の側にいよう
変わらない友情を君に捧ぐ
船に乗る
あなたの影、
月の光に運ばれて
白々と
伸びる途、開ける未知
流動し、輪郭形造る光彩に
非物質の神聖 響きわたる
船に乗る
あなたの影、
月の光に運 ....
秋の日の 朝の 陽射しは 眩しい
私は いつものように 並木道を歩いている
世界が きらきら 光っている
眩しくて 眩しくて 目を細めて 歩く
....
夜明け前の 夜の並木道は 倫理的な道だ
夜の静けさのなかで 樹々は眠っている
星々は 満天の 空に 輝いている
小鳥も眠っている
樹々も 小鳥も 静かで
....
赤い実が ひとつ
落ちて落ちて おっこった
黄色い実が ひとつ
落ちて落ちて おっこった
赤い実が ひとつ
はじけてはじけて ....
引っ越しはないけれど
引っ越ししたらどんな感じだろう
地元を離れたくない
転勤のない職場
無意識に選んだのかも
実家を離れ独り暮らし
そうは言っても実家まで車で五分
友達もた ....
君のことを聴いて
彼は男哭きに哭いていたんだぜ
自分より弱い立場の人に
どのような態度をとるかで
その人の人間性って出るよな
哭いてもいいんだぜ
ひかり、ヒカリ、光、
溢れ
木々の葉群れは紅に
輝き
移り変わる世界を
見つめる眼、
碧天に溶け
帰来する透明な
この意識に、
秋、黄金となり降って来る
眠りたくない夜毎
闘うように飲み続け
目覚めたくない朝
眠らない夢を見続けて
死ねばいい
記憶も思考も
なくなればいい
幻か現実か
そんなことは問題ではない
あるのは ....
テントウムシ、いのちの星、
尽きることが、もうすでに約束された、
きまぐれな、
昼さがり、
あたたかく、けれども冬にちかい、
秋の太陽が微笑んでいる、
そのえくぼから産み落とされた、
く ....
小さなてのひらが
空にひらいた雲になる
口づさむ旋律は北からの
よせかえす波 あたたかい
文字と 文字のすき間に
浮かびあがる
何もことばを知らない
さみしい音符が鳴らされて
....
虹の魔法石は、魔力を吸収する。その内部でどんな働きが起こっているのか、
ヨランも、エインスベルも、ましてやアイソニアの騎士やリグナロスなど、
思い至るところではなかった。この魔法石は、
この世の ....
エインスベルの言う通りだった。
虹の魔法石による結界と、その台座は揺らいでいるものの、
建物自体にはその破壊効果は及んでいないようだった。
(虹の魔法石とは、かくも強力なものなのか?)
ヨ ....
エインスベルの右手が光り、雷撃の呪文が放たれた。
結界が火花を上げる。しかし、その結界は揺らがないようであった。
「なるほど、強力な結界のようだ。
すべての魔法が無効化されるというのも、頷ける ....
結局ビリヤードにはいかなかった
じゃんけんはチョキからはじまる
今朝の夢は
このあいだ川に流した軽い子猫の死体を食べる夢だった
きがついたらそのぶちの子猫をかじっており
毛の内 ....
登山は
いつでもどこでも
一歩、一歩だ
あんなに高い頂上まで登れるだろうか
と思っても
一歩、一歩あるいていけば
頂上に着くから不思議だ
登山は
どんなに苦しくても自分の足で
一歩、 ....
食パンマンみたいな
頭をした北の豚まんが
猛り狂ったように
ミサイルを撃ちまくっているが
ひょっとしたら
花火と間違えているんじゃないか
という気がしてきた
フジファブリックの歌を
バ ....
漆黒の
闇に浮き立つ
開いた聖書
燭台に燃える
蝋燭の炎、揺れ
繋がらない世界の
剥き出しの相貌、
切迫する
静けさの響き、
辿り着けない城、
界は奥まり広がり
わずかな手掛 ....
逢っても逢わなくても
どっちでもいいときに
それでも逢ってしまうのが
恋愛依存性。
心には鉄の扉が閉まっている、
だれにもみせない牢獄である。
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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