夜風に吹かれて
直立する空洞
枯れた片葉の蘆を
遅れて通過する
昨日の嵐
穏やかな朝はかなりヤバイ
いっそどしゃ降りになればいいのに
心地良い風がテンションを萎えさせる
「もう駄目かな」を踏みつけて歩き出す
みぞおちのあたりの不確かな重みが
慢性的な吐き気 ....
本の中で誰かが良いことをいった
愛する人がお返しに何かを求めたら、それは愛ではないんだと…
わかってる
よくわかってる
あれは愛じゃなかった
そうだよね?
ひさしぶりにバスに乗ってどこかに行こうかと
バス停のベンチに座ってぼんやり空を眺めていたら
ゴロゴロ雷が鳴りだしてどんより重たそうな雲が湧いてきた
ぽつぽつと額にあめがあたりはじめる ....
陰鬱な雨音が窓辺に滲みて
低くつづく唸り声と
さかんな水飛沫とともに
霧中に奔り去る夢の銀輪たち
仄暗い部屋で
目覚めると
突如、
胸に激しい痛みを覚えた
良くない
一日の訪 ....
君の優しい声が鼓膜に響く
諦めよう、と 睫と睫に囲まれた風景 遮断する心づもりでいたんだ 僕は
パシャッパシャッ……乾いたシャッター音響かせて
瞳の向こう側 身を捩る動体
“あちら”は作り ....
廃屋となった家の二階で古いペダル式オルガンが泣いているのが聞こえる。
わたしはその隣で寝ていたのに。ごめんね。
家の主はもうきっとそこには帰れない。でも忘れない。忘れない。柔らかな音色。
....
偶数月は呼吸が苦しい
奇数の月は頭痛が痛い
『痛』が2つで ツーッ、ツーッ
―― 貴方のおかけになった番号は、
現在使われておりません。
電話番号をお確かめの上、
改めて、おかけな ....
「大丈夫だよ」と
いつも笑顔で言ってくれる
あなたの後ろ姿が
本当はいつも悲しい
それは
あなたの言葉を悲しく思うわたしと
あなたが抱えている悲しみのせいだと
わたしは本当に ....
01
冷蔵庫売り場で火遊びをしている少年のシャツは裏返っていて、肌がまぶしい。
02
扇風機の真似をする君が、今日は朝から羽が壊れて、うまく首が振れない。
03
アイロン ....
種はいらない
白い鱗茎
むかごを抱いて
鬼と呼び虎と呼び
しかし人は喰らった
白い鱗茎
鬼と呼ばれ虎と呼ばれ
猛き名をもち
庭に立ち日を浴びて
うつむいている
だが笑っ ....
夢が終われば
朝、洋服が別れを告げて
真空に溶け出した液体に奪われた体温を水を流し
下手くそな口笛を聞いた
燃えていくタバコは無口な人の話す理由
一本足の灰皿
ガソ ....
090709
薄味がお好みでと
店員さんはにこにこ笑う
目の中に在るのはなんだ
酸漿を膨らましている子供たちに別れを告げて
高尾山に登る
新高 ....
眠れない夜には音の無い部屋。
世界にたった一人だけ。
誰も信じられないのに来るはずもない人を想う。
文字の羅列が束の間今を忘れさせる。
誰もあたしを知らなくても、
あたしは貴方だけを知ってい ....
会えるかしれないと目指した河原を
どこへそこを
行ってしまうのかとサングラスを
眺めていたような 何の匂いもしない
外された上を泳いでいる
この世界を歩み
魚たちを描いた青い水が
続 ....
ため息をついて探していた
どこへいくのだろうと けれど
私は いくことで
私にただ生き続けられる しかし
私にたしかであってほしいそこに
空だったここに
ないその石をうまれさせられてい ....
いつも少し
とだけ言うから
わかってる
いつも少し
としか
かけてあげる
言葉がないのだから
それ以上は言わない
どんなに
悲しく見えても
言わないことで
....
あなたは もう いない
面白ければ、とことん誉めてください。
言われたものが恥ずかしくなるほど。
言われたものが、気づけばそれを続けています。
面白くなければ、とことん無視してください。
言われなかったものが全く ....
ただ一夜でも
愛は本物だったよ
グラスの中で
水平を保つ
still water
水平であるということは
しかし
地球の曲線の一部でもある
その先の
水平線に沈みこむ間際
昨日と今日の隔たりが
グラスの中で出会いそ ....
なんとなく眼を見開いたときには
すべからく物事が終わりに向かっていて
今まさに今日を始めようとしている私には
とてつもなくこの空間は不似合いだった
起きてすぐの下がりきった私の声帯が震えて ....
札幌の空のしたにあなたを感じます
ウルムチの空のしたに憎悪を感じます
俺は地球のうえで空を探しています
疑われているひとを許したのは
生き方を貫き通したかったからです
....
65億分の1の君へのたった1つの贈り物
2人の間に1000の挿話が出来上がったら、
抱え切れない花束と手作りの指輪を添えて
一枚の誓約書を渡しに行こう
10000を遥かに越える新たな挿話を ....
脆弱を守る 固い鎧ではなく
進入を許さない 壁ではなく
触れられることに 道を開く
強くて弱い フォルムを纏う
メロディやリズムが脱臼され
何も 残らなかったと して
視覚的に 心地よ ....
しあわせとは
現在に探せないものなのでしょうか
こころが不安で痺れていたとしても
しあわせは
誰にでも何処にでも存在すると思うのですが
しあわせとは
シンクロニシテ ....
幸せ描いて
未来描いて
謡うように
そっと、此処に
一つ此処に願いごと
どうせ叶わないなら私の目の届かぬところに
カササギが
天の川に
橋を架けるのは
一日だけ
あと何回
逢えるだろう
去年が昨日のよう
よるがあけると
また一年経って
織姫は憂鬱になる
あのひとに逢うたびに
歳をとって
ま ....
静かの海に星が溶けて消えた
ゆるり〜らら、ゆるり〜らら、
音楽家の死骸が流れてゆきます
竪琴の音がひとつ、またひとつ、
水の中からぷかりぷかり、
あなたの鼓膜を切り裂きに。
それは魚たちの ....
背中越しに交わす
他愛ない会話がいい
近すぎず 遠すぎず
君の側にいられるのがいい
あまり上手じゃないハミングの周りで
立ち昇る湯気が和らぐ
とても懐かしいにおいの風下で
閉じか ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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