駅のホームから
見上げた丘の絶壁に
ひとりの{ルビ向日葵=ひまわり}はまっすぐに立ち
遠くから僕へ
小さい太陽を咲かせていた
*
昨晩、不思議な夢を見た
....
お皿の上の
丸く盛った海老ピラフに妹は
グリンピースと人参をのっけて顔を描いた
半分食べて欠けた顔の
真一文字の口は悲しげに傾いている
幼い妹
どうか最後まで食べてやって
姉さんは風 ....
{引用=ぼくたちの未来は いつも、さよならで終わっていくの?}
地球儀をまわしすぎたせいで
透きとおっていたものが
濁っていく
あの日、
チョークで描いた線路が滲んで
二十 ....
戻れるのだろうか
土を踏みしめて歩く
背の低い草に
皮膚を破られながら裸で
今にも雨が降りそうな
空を眺めている
戻れるのだろうか
世界は見知った世界に
少しも似ていない
埃っ ....
海に階段が見えたらのぼりましょうか。 つきとほしの光をふんだんに使った階段はとてもきれいですよ。 えいえんはとおいですが。
「えいえんとは マカロンの色ですか? ワインの年月ですか? シナモン ....
おまえは自分でかわいらしいなどと思ってはいなかった。
まわりはかわいいという
しかし、おまえは自分が不細工と
信じていておどおどしていた。
幼稚園からの帰り道
手をつなぐ同級生がわずらわ ....
俺は基本的には何も信じない
信じていることに背く人間を許せなくなるからだ
俺は人間が罪を許す瞬間だけを信じる
そ
の
う
ち
飛
び
立
て
る
だ
ろ
う
な
ん
て
甘
....
虚ろなひとみ
おぼろなあなた
しだいに視界は闇へと旅立つ
ゆらゆらゆら
くらくらくら
足元は暗がり
枕元には明日のひかり
暮れていく町並みは
最早昨日へと過ぎ去 ....
ねぇ、ママ
硝子の靴は
彼女にしか
履けないんだよ
暗闇は
僕らを照らしては
くれないんだよ
そうだろ?ママ
ケータイのメモリは
減らじとも増えもせず
....
「もう大丈夫」
これほど安心する
言葉はない
「隣にいるから」
「私はいつも貴方の味方よ」
と言われる。
玄関を出る
ドアを開けたら倒れ込む
貴方がいるから
酒もタバコも止め ....
どんなに遠く離れていても想いが二人を繋いでいる
同じ星空を見上げてみれば愛する人に想いは届く
フォーエバーラブ
という団体のセミナーでその話を聞いた私は大変感銘を受け
愛し合う二人の想 ....
愛する人が500人ほど集まって
陸上競技大会をやっているから
ちょっと見に行きましょうかと
全然愛していない人に誘われたので
今天ぷらを揚げていて手が離せないため
また今度誘ってくださいと言 ....
尿道から練馬までの切符を買って
わたしのお金は尽き果てた
明日からどうやって暮らせばいいの
生活評論家の鳩胸先生に訊いたが
鳩胸先生は生活評論家ではなく
元大関の空間デザイナーだったため
....
死んだ僕を
続けるように
信じて眠り
明日を向いている
死なないことを
ぼんやりと信じて
人間ではないことを僕だから
人間ではないことをなりながら
歩く 歩くことが大切だ
....
言葉を、
知っているように、
つかむ、白、そこにつかむ、
黄色、
風景、
水色や、赤や、
黒もある、
花火の落下、
手を伸ばし、
手につかみ、
手にして、
のばしたこの手に
....
土曜の朝から
日曜の夕方まで仕事をして
家に帰ると
妻と息子が家の前で
途方に暮れて立っていた
買い物に行こうとして
鍵をかけて抜いていたら
鍵が折れてしまったのだと言う ....
【残】
蛹は繭の中でドロドロに溶けて
美しい蝶になる夢を見ながら
自らの身体を壊して新しい形にするの。
やがて夏になり ....
使い慣れた携帯電話
真夜中に新規作成の画面を開いてる
『結婚します』その一言を
知らせるべきか迷ってる
今の幸せを一刻も早く知らしめたい
でも知らせてしまえば全てが終わる
これは未練か ....
こうして同じ形の月を見るのは何度目だろう。
コンクリートでできたこの部屋には灯りひとつなく、
窓はあの高くにひとつだけ。
それにも、頑丈な格子が嵌められている。
目の前の、重そうな ....
夜中に
急にきみのにおいを思い出して
困ってしまった
ほら、
あれ、
なんだったかな?
あのにおい
きみの体温が隣にないことに
妙に動揺してしまっていて
どうしよう
眠 ....
夜に開く花々に茎を突き刺し続けた男は死後
手の生えた花に、その肢体の隅々まで鉄の茎で刺され続ける
死後の性行為は互いに刺しあう
男は茎を股座に
女は刀を鳩尾に
紅白の体液を撒き散らしなが ....
真夜中タクシー、ランドマークは、レンタカーショップ。
跳寝ル。
シュワって熱が弾けて、空気に溶け込んだ。
想 良好的時間。
君がくれたプレゼントに気 ....
働く必要がなくなったから
辞めることにしたの
(なんだか ここにいても つまらなくて)
扉が閉まるのを見計らって
坂本君
いままでありがとう
関わったのは
この会社の ....
あなたの
手が
あんまりに
つめたいので
わたしは
なんだかこわくなって
その手を
きつくきつく
にぎりしめたのですが
わたしのねつは
すこしもあなたに
うつらなく、て
いつま ....
その道を行くなら
襟足を伸ばせる
そこを避けるならば
安定と美の喪失
合図 送っては
悩ます間逆の壁
だけれど、
その顔、
裏切る、
予感
内心は瞼(まぶた)も
そちらに ....
ただそのひとが
そのひとにおいてそのひとであることは
ときどき
とても難しいことらしくて
大勢が集まるところでは
草いきれむんむん
手のひらばかりのざわざわ森のようです
手招きや ....
ただ一人君だけに 止まった時計が
感情のない 瞬きをおくる
遠い夜明け 君が字を覚えるより前の
低く響き渡る クラリネットの音楽
土の下から緑色の そして嫌な匂いのする
濃い霧のようなも ....
愛されないと知りつつも
無視できなかった愚かな私を
貴方は許してくれますか?
貴方と出逢ってしまった事、
後悔なんてしていません
決して
好きで、好 ....
愛していた
私は確かに、あなただけを
嗚呼
あなたは愛していた?
何かを
誰かを
世界を
あの人を
―――・・・私を
....
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