まほらの幻影を見て
自我を誰かに押し付けて
僕は僕に酔うのです
君が僕を裏切ることも
許容範囲内だったはずなのに
ひとりぼっちになることも
覚悟していたはずなのに
突きつ ....
彼の帰りに、お見送りします
玄関先には
私の部屋の灯りだけがか薄く見
えるだけ
ほんのすこし自転車を漕ぐと
すぐに彼の姿は暗く消えてしま
います
しばらくしてブレーキの音がす ....
秋の風がふとく吹いた
東京のしたの方に台風はあった
商店街は黄金いろで
人間の顔をしたひとびとが
ふとい風に吹かれて
黄金いろになじんでいるのだった
親を大切に ....
殺される前に殺せ
ほんとにやるのか
やわらかい生活
はねっかえるからむずかしいんだよ
敷布団は固めがよい
腰によい
君が隣に寝ているはずなのに
ちがう人の顔に見える
友 ....
長いあいだ
気づくことがありませんでした
そう それは、旅人たちのしごとなのですね
忘れそうになれば 時にさそわれてくる
軒先に落ちてくる雨色の
無定期の知らせは、
空を裂く
雷 ....
雨を乞うて
孤独を満たすの
暗闇に押し黙った私には
この空はあんまりにも
明るすぎる
最近貴方の口から
愛しているが聞こえない
不安定な二人の関係
とても曖昧で
このままじゃ悲し ....
黄昏時
万世橋から昌平橋
煉瓦造りのガード下
ぼーっと浮かぶその灯かり
なぜか涙があふれ出す。
移転した交通博や
やたらモダーンな秋葉の街並に
ヤッチャバの名残を想い出し
なぜ ....
弄び過ぎたライターの火は
煙草を近づけると消え
明日は
昨日の中に終わっていた
何か伝えなくては と思いながら
言葉が壊れていくのを見つめ
会話はいつも
始める前に途切れていた
....
私の脱ぎ捨てた靴を
整理するその手を
一人で黙々と
料理するその手を
じっくりと眺めてみたよ
涙が溢れて
崩れ落ちてきました
思い出したよ
いつかの砂時計
何処か ....
私たちは独房だ
私たちはセルロースの
薄い被膜で隔てたままの
私たちが抱き合ったり
やわらかな場所
探し当てたり
セル
私たちは独房だ
世界は私を番号で呼ぶ
間違いではなく
....
がたがたになった
コンクリートに
濁った赤が染みこんでいく
粘度は高く
糸をひいている
海水で洗い流す
呼吸できずに
目を白黒させている
有機物が
外装を傷つけながら
外装をはがし ....
秋のゲシュタルト
ミニチュアローズの五つ子姫
早く咲いてね
咲いたらすぐ引っ越ししてもらわなきゃ
遅い剪定と挿し芽の準備
アサガオはさっさか結実してね
君って強制終了しないと
一 ....
この季節になると思い出します
行きも帰りもバスでした
山奥の芋煮会場に着くと
澄んだ風が吹いていました
肌が乾いてなつかしい気がしました
網目になった体を
すうすう吹き抜けてい ....
比べるものでなく、
善し悪しが在るでなく。
僕には僕の、
君には君の。
誰のも否定出来ない、
誰にも否定されない。
愛の形。
巨きな木箱は赤杉の
爪をたてるように 水をそそぐ
息をふく焼け石を投げ入れ 囂々
貝を煮る
牙をとぐ 原始からの導きは
何をも与えられていながら、
選ばず それだからこそ月明の
静謐な ....
ゴミ箱のように
それに入れる手が楽しいので 俺は
屍をゴミ箱にするから
吐きだしても
それが何でも チーズケーキに
セントラルホテルなど思う
森永のセラミンパウダーなのかと
体じゅうの苦 ....
マミが笑って ユウコが溶けて
窓からの日差しで
宙に舞っているわたぼこりがよく見えた
溶けたというのは
消えたとか 死んだという意味ではなく
とても細かく分散され
地球に散らばったとい ....
たわし二十歳 竹ざおの思い出をどうにかして
夜になると また青くて白い森の少女の姿 わたしたち
これから先もずっとエンドレス円 重い肩にはのしかかる
涙のあとの肌ざわ
りがいいときにかぎっ ....
両の手で耳を塞いで
これまでにない大声で私は
叫びながらしゃがんだ
いつからいつまでが子供で
いつから私たちは大人になる
心残りは山ほどある
だけど進まなきゃならない
いつだって ....
結合因子が重なって
「私」という包みが生まれた
誰かに閉じられやがて誰かに解かれてゆく
「私」という包みが生まれた
前世では一瞬にして死を知ったとか
来年の八月にはひとつ数字を増やす ....
祈りが終わった午後
少年が誰もいない浜辺の砂の中を這い回り
内側から絞りだされるヌメヌメした粘液の放つ臭いと
舌触りだけをたよりに彼のお気に入りを探し出すとき
遠くで波は小さな奇跡が起こるのを ....
「ここに、500円の道具があります。
これを使うとあなたは幸せになれます」
とあったときに、
「ただし、少しの代償を伴います」
として、
「ここに、1000円の道具もあります ....
明日はお見舞いに行くのだ
末期がんで抗がん剤投与も止めてしまった
半年か一年に一度くらいの頻度で会ってた
親戚のおばさん
会いにきてほしいと
おばさんの家族から連絡があって
それはたぶ ....
俺がどんなに愛していても
おまえをしあわせにはできないのさ
この不器用な渡り鳥
おまえの聴きたい音なぞ出せない
松脂だらけの指板と弦と
おまえの尻にもう一鞭
雪が溶けたら迎えにゆくさ
雲 ....
鬼界ヶ島へ(ニシン)を満たす、転生ぶった{ルビ炒胡麻=いりごま}。
「タウリンでも良いかな」って、いまさら明朝体ほどにも
懲罰しない、 (目を剥いて)
リンゴ樹を網棚に植えつける・「出来たての高 ....
黒板には白いチョークで円が書かれていた。
その上には12グラムと。
この丸い西瓜を3人で分けるとどうなる?と教師は質問した。
手を上げた女子は、3グラムずつになります、と答える。
小学校6年の ....
お風呂から上がると
生き返ります
そのあと水を飲むと
もっと生き返ります
ひだまりで昼寝をすると
生き返ります
そのとき誰かとぎゅっとすると
もっと生き返ります
美味し ....
本に挟んでおいた
しおりの行方はまだ分からずにいた
どうしてかな
簡単に人を裏切るのに慣れてしまったのは
有効期限まではまだまだだけど
速めに使っていよう
自分さえ ....
よく見知った鳥たちの
生まれる音が遠くから
ここまで
骨がぶつかり合っているようにも思える
低い腰つきと
正確な手さばきで
つぎつぎと収穫されていった
ばんざい 収穫だ
ばんざい 越冬 ....
テレパシーが使えるなら誰も苦労しない、だなんて
痛烈な意見にお腹が痛くなっても
やり場のなさはだいぶ楽になった
初めは鑑賞で良かったのになと
泡がどんどん膨れ上がっていく様を自嘲する
....
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