もしかして人間は欠陥品かもしれない
逃れようない自分の
ひとつサスライ
穏やかな日も
どこかで切り落とされる日も
よくあった光景
見上げる空は
広く高く あまりに高く
世界を間 ....
「僕は生まれるまえから窓のない部屋に住みたかった。
落日の骨は終わらない記号のなかに消えてしまった光の海へとかえってしまう。」
君は自分を求めない問いが何番目にあるのかを知っていたの ....
横断歩道をわたる秋の風
黄色いフラッグが揺れる
報われない悲しみなんて
この宇宙にあるのだろうか
この悲しみは
かつて宇宙が通りし道
横断歩道をわたる秋の風 ....
日焼けしたノートを化粧水に浮かべたら
ゆっくりとしずみまして
鉛筆がしみこみケシゴムでは消せなくなっていた
輪郭だけが浮かんでいる
二年ぶりに再会した人の印象は違っていて
化粧が変わった ....
のびやかな風の指先が
大地のたてがみを
慈しむように撫でつけると
さわさわと歓声をあげて
きんいろのうねりが
遥かな山の麓まで駈けていく
約束は果たされた
澱みない自然の ....
{引用=
産院で生まれた赤ん坊の毛はやわらかいです
その傍らでは、生まれない子を待つ若い夫婦がいて
さらに外では破産した親たちが立ちすくんでいます
銀のスプーンをくわえた少女の色褪せたリボンを ....
8時35分の朝
○年○組はいつものように
入口も出口もなくなって
わたしたちは起立したまま
おそらく昨日分のあいさつを忘却している
いくつかの数式を
ため息の代わりに吐き出していたので ....
赤信号は点滅していた。
注意して渡れ。
アルカディア盆地、縦断する自転車。
調子は、やや右ふくろはぎに張りがありとの事。
わずかに灯す、自転車のヘッドライト。
直線で ....
晩夏がこっそりと
私にかけた、風邪
現実と現実じゃないところを行き来する間
畳から忍び寄る
蚊取り線香と、い草の
ほんのり甘い、苦い匂いを飲み込む
日が沈むにつれて
赤みを増 ....
今日の僕に僕は出会わず、明日に向かおうとしていた。
目を覚ましても、布団から出ずに。目を明けないから、眼鏡もせずに。
締め切ったカーテンで、何時かは詳しくは判らなくて。静かな部屋はそれを助 ....
僕は反芻させられる
声を 手にとって
腕に書こうと思う 働くことから
ペンを取って
あるいは僕は虹を描くように
手放すように
本で見たことのある文字は
言葉を書き付ける 逃げていかな ....
鉄柵の中には日々が誰のものでもない 保健室を通過したのは陸上部員のガラスの瓶を消毒液の向こうが 溶け出されたものの外に出て 手が窓からグラウンドの初夏のわりには 張られたまだ円形の少し靄がかかって手か ....
暗闇の数珠を巻いて歩きゆく
白装束を、残る、
黒色の、自分の目に
中に、紅色の
消えていく、葬列の、
水上スキーヤー
僕ら、水面下には正しかった、
脱いで、正しかったのだろうか
足 ....
JR秋葉原駅の構内の一角に
それはあった
構内といっても
線路の外側のはずれの空き地
駅員も踏み込まない
忘れられた場所
三十年前
ボクは上京したての新入社員
飛び込み営業の話をす ....
呼吸ばかりしていると部屋の中が夜になった。わずかに浮かんだ思考が次々と途切れていった。モノたちのほうから視界に飛び込んでくる。現象を信じられずに、目を閉じる。閉じるたんびに頭の中で、何度もシャ ....
かならず
抜け出してみせる
それが
やすぼったい紙ひこうだろうと
この手で とばすだけ
歯をくいしばって立ちすくんでいた
こんな街から それしかなかった
脱出/逃亡/降参/妥協…
....
精神の欠片の中に迷い込んだ羽虫が悪いものを喰って死んだ、そいつの死骸がだんだんと腐って嫌な臭いをそこらに立ち上らせ…朝を二度迎えた後でなにもなかったみたいにそれは消えた
臭い ....
{引用=人類は、まだ生まれたばかり}
時の口がガラスの乳房にぶら下がり
刻々と私の砂丘は完成されてゆく
埋もれゆくさなぎは薔薇の衣を纏って眠る
彼が(もしくは彼女が)飛び立つのを目にす ....
3ヶ月前
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入社した会社に慣れてきた
しかしクーラーにはす ....
君は彼女じゃない
そう自分にいいきかせても
彼女の欠片を
そこかしこに見つけてしまう
喜んだ顔とか
ふとした仕草とか
そんなことから
7,8年前の
ほろ苦い思い出が甦る
....
普段のわたしは
ほとんど笑わない 笑えない
そんな自分に気づいて久しい
だが!
好きなお酒が入ると変!
楽しい。
何がなんでも楽しくなる
耳に痛い言葉でもスルーできてしまう
....
爪を噛んでいる
きらいなむらさきいろの風が足元に巣食う、ね
お風呂に入れないよ
早く帰ってきてよ
(ずぅっと。ずぅっと。待っているのなんて。)
言えない
かしづいて
すいとればいい
わたしの夢なん ....
あのね
とりあえず声に出してみた
答えなんかでた訳じゃ無いし
そんなものはなから無かったりする
えっとさぁ
次のことば続かなくて
それでも携帯の画面へ逃げ込むのだけはぐっと堪え ....
銭にもならない我が儘な奴は
はやいうちに見限るにかぎる
銭にならない奴に
銭の成木を任せていてはならない
銭の成木には
銭を稼ぐ奴を張り付かせておくべきだ
銭にもならない奴とは ....
「コシヒカリ」の袋を抱え
{ルビ米櫃=こめびつ}の入口へ、ざああああ
と無数の米粒を流しこむ
その音を聞いてるうちに
無数の米粒の一つ一つに
無数の顔が浮かび上がり
ふたつ ....
たとえば僕が
真っ白なキャンパスなら
アンリ・マティスのような
柔らかな曲線と
ほんのり暖かな色彩で
いっぱいに満たされたい
たとえば僕が
一枚の当たり馬券なら
ファンタストのよう ....
空といふ空からお前が堕ちてくる
海といふ海にお前がひるがへる
そのときぼくは椅子をひとつ用意しよう
もちろんお前と話しあふための椅子だ
その椅子は木でできてゐて と ....
故郷の坂道を曲がりくねって下る途中で
あの日の野球少年達が歓声を上げていた
懐かしい公園が、見えて来る。
場所取りで他校の生徒と
取っ組みあいの喧嘩になった
乱闘事件を思い出す ....
夕暮れの食品売場で
偶然、2年前に他界した
認知症の婆ちゃんの、嫁さんに会った。
「あの・・・デイサービスのはっとりです」
「あら・・・私達とっても感謝してますよ」
「いえいえ ....
カインツホーム
ぼくたちは
ある晴れた
空白が青く
平屋の建物に
くり抜かれた
にちように
ポカリと口を開け
まぶしいと
顔をしかめながら
柱から斜めに切れ込む
影に半身を切り取 ....
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