長月の夜に
細かく降り注ぐ秋の雨
人も街も月でさえも
水煙で霞んでいる
そんな中
大地を真っ赤にできそうな
目一杯の彼岸花の花の群れに
小さな
水滴が
つく
時 ....
昨日コイというものを釣り上げた
捕まえたときは随分と暴れたものだが
家に着くころにはすっかりおとなしくなった
改めてよく見ると
キラキラ輝いていてとても綺麗だった
オパールのように ....
青い空
うろこ雲
空の端で
太陽はオレンジ色に染まり
今日にさよならを
告げる
歌を口ずさむ
随分冷たくなった空気と混ざり
微かに香る
金木犀を辿って
道路沿いの並木道
....
夜の帳がおり
夕焼けが冷めて
世界が暗くなってゆく
傾きかけた三日月の
先端のあまりの鋭さが
薄い刃のようで
闇をちぎっている
今宵もまた新しい夜が誕生したのだ
やがて月はビル群に紛れ ....
スモーキーカラーの空の中
手探りで引き寄せたのは
淡い溜め息
苦みの走った粒を
マグカップに3杯ほうり込んで
沸騰前に止めたケトルの体液とドッキング
こんな不愉快な ....
そうでもない時だけさ
不意に泣きだして どうしたの?
けたたましい その朝は
最近お気に入りの BGM
一端慰めに走って
また ほったらかしで睡眠世界へ
充電器に繋がれたま ....
海の仕事に憧れる、
俺は初恋を望みます。
女子高生の、
紺のハイソックスの
それで隠しきれなかった
スカートの下
を
不思議な気持ちで
目線を上げて ....
あなたの遠ざかるうしろ姿
を見つめたまま立ちつくす僕
が遠ざかる曇り空の下
の駅前が遠ざかる
あなたの遠ざかるうしろ姿
を見つめたまま
立ちつくす僕
をう ....
キミと築いてきた時間も、
キミと紡いできた想いも、
すべて泡のように溶けて、消えて。
この腕の中には温もりのない虚像だけがあって。
もう二度と交わる ....
割られようとしていた
ひとつの陶器を盗み
よくわからない生きものを大量に殺し
自分で自分の頭皮を傷つけ
蜘蛛をひとり救った
今日も自分は
わがままだった
....
背後の鏡を
窓を割りたい
何かが映る
ただそのことが許せないから
頭のうしろのお偉方を
何度も何度も叩いている
右で左で
平手で拳で
目の前に浮かぶひと ....
派閥は形成できないの?
ひょっとして肝胆相照らすのもダメ?
なに、
抜け道は必ず
ある。
夕刻の列車
窓に頬を寄せて
待ち合わせの停車駅で
夕陽を眺める
ほんの九分間
たとえば
一日を振り返ってみると
夕食の献立が
浮かぶ
なんて、便利でいいのに
どんなときも
....
在り合わせにかえって思いやりを感じる
わざわざ捻り出さなくても
無ければそれで誰も責めやしないのに
お節介なのは今に始まったことではないので
いつもの舌打ちに心を込めた
昼間の月を見 ....
何度もあなたを殺していた
言えなかった言葉を尖らせたナイフで
いつの間にか覚えてしまった
人格者の微笑をまとったまま
何度もあなたを殺していた
愛憎の糸がこんがらがったロープで
い ....
最近 喉の調子が
めっぽうよろしくないのは
僕の満足いく唄を
歌わせてあげていないから
天に向かって放つ
祈りに似たただのワガママ
地から離れない二本足
踏みしめてるのに不安定
....
たくさんある言葉
ないと不安だったから言葉が
たくさん
あると不安だった言葉が
たくさんあった
言葉だったから不安だった
あった言葉が
たくさんある
不安だったから言葉があった
ない ....
スライドする
夜の窓辺
あかい灯が
高速に乗って流れていく
ひかりの背に乗った
過去と未来
一秒先の遠い未来より
今があることが
今であることが
こんなにもあたた ....
夜明け前、一本の道を歩いている
ほの暗い中、歩みに合わせて
さまざまなものが流れ来て
そして去っていく
どうしても分からなかった
いさかいの理由
あの時、君が呑みこんだ言葉
失くした ....
冨のある 海が運んで来てくれた
柔らかく 温もりのある
大きな桃を大事に育ててる
いつか、新たな芽生えがある事を信じて
アレ。
名前なんていうのかわからないなんとなく通称で呼んでしまうものってありますよね。
絨毯のコロコロとかトイレのキュッポンとか。
で、プチプチありますよね。
あの、潰すと ....
石材屋の看板が光る
とぎ汁を固めたような色だ
熱帯魚みたいにきれいで
とても暗い
郵便受が口を閉ざす
瑞々しく歪んだ切り口
手のひらを右に傾けたら
パンクの修理に屈む男の背が
....
私の勤めているキャバクラ店は明日おでんデーらしい
ボーイの寺田君と内緒でつきあってるレナさんが
おでん作んのダルイ、と
セッターの煙と一緒にはきだした瞬間
明日の昼に私服にノーメイクで ....
ほっといてほっといてほっといて
なんでそんなにだらしがないのか
なんでがんばれないのか
なんでやくそくをまもらないのか
どうしようもない奴だおまえは
そうなん ....
鎖骨のくぼみにわずかに溜まる
水を求めて鳥が来る
町が沈む
のを、眺めていた
ついばまれながら
むき出しの乳房には、どの子も手を触れなかった
割れたくちばし
こわばった翼
....
秋風が心を浚う 冷たい風の行方を追う
ポケットに入れた携帯電話 着信音はメールマガジン
気付いたらあなたとは疎遠になって
気付いたら学生で居られるのは残り僅かで
借りっぱなしの漫画 伝えたかっ ....
拝啓から敬具まで。
保険会社のプラットフォームは、
全人類の安全は保障できません。
殺すことが目的となった戦争を、
ボトル・オブ・ブリテンの前身は、
惨敗で糾弾する。
戦いの結果、 ....
文字ということばと
手紙ということばは
どうしてどちらもletterなのか
この国でも
それはやはり文と呼ばれていましたが
すべての文は/文字は
もともと
ひとに宛てて書かれて
....
{引用=
約束したのに
やっぱりあなたが
来ない日は、
ばかな女でいることが、
ひどくつらいから… 》》》》》
さびしい秋色の街に
つよがって つくりわらいを
....
らんぷの灯の下で
古書を開く深夜のひと時
遠い過去から
著者のたましいが
私にそっと、語りかける。
いのちの宿る一行に
無心で引いてゆく線は
宇宙を貫く、流星です
....
3597 3598 3599 3600 3601 3602 3603 3604 3605 3606 3607 3608 3609 3610 3611 3612 3613 3614 3615 3616 3617 3618 3619 3620 3621 3622 3623 3624 3625 3626 3627 3628 3629 3630 3631 3632 3633 3634 3635 3636 3637
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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