仕事を終えて 
草臥れた足を引きずっていった 
夜の職場の食堂に 
巨きな鮭のお頭達が 
どっさり、皿に盛られていた。 

たじろいだまま 
ぼうっと手を出せない僕に 
焼かれた白い目 ....
{引用=



波に揺られているのがあたりまえでした
足が地に着いていたことなど稀で
たくさんのしあわせに濡れては
なんて、寒いんだろうって思っていた

あなたがとてもかなしそうで
 ....
小学校にはいって間もないころだ
ぼくは母と兄とで電車に乗った
扉が開いて母が座った席の左隣を
すばやく兄が占領した
母の右隣の席は空いていない
ぼくは兄の隣に座るしかなかった

母は電車 ....
{引用=



滲んできた雨が
ぽつりと靴に刺さる白い真昼
耳の寂しいわたしは
(あぁ ピアスがほしい)

なだらかな耳朶に
ひそやかな穴をあけてしまうことは
どうしようもなく哀 ....
全寮制の中学に通っていた

六時から十時までは

途中休憩をはさんで学習室で勉強だった

中間試験が終わった十月の土曜日

その日だけは自習時間がなかった

テレビ室には二十人くら ....
入口だけでは
わからない
ひとの気持ちは
わからない
上辺を撫でる間柄
いつになったら変わるのよ

たとえ傷ついたとしても
汚れたとしても
炎症を起こしたとしても
わたしはまったく ....
自販機の隣で鎖に繋がれ
目隠しされて上半身だけ
針と見紛う腕には咬み傷
たぐりよせるような手付きしている

殴れ 殴れ 殴れよ

打てばくたびれた乳房が涙を流し
満腹になるまで飲むこと ....
{引用=off



部屋の明かりを消しても
真っ暗にはならないんだね。
夜たちからは、もうとっくに
ほんとうの夜なんて
消え去ってしまったみたい。

街灯の光がカーテンを透かし
 ....
それは八〇年代に現れたバンドで、知ったのはオールナイトニッポンというAMラジオの深夜番組だった 当時十五歳だった僕はその音と詞と声に夢中になった CDプレイヤーも持っておらず、レコード店というものが縁 .... 軽トラックの後ろから
眺めたあなたの姿が
あまりに女だったから
私はこわくなった
へだてたガラスを殴って
振り向かせたかったけど
バックミラーで私の顔を見られたくなかったから
寝転んだ
 ....
オレンジの皮をむいて
水平線のことを考える
世界が丸いことの隠喩
果実が丸いという現象

恋人が好んだマーラー
引越しのときに紛失し
あれから探しているが
どうしてもアナログは

 ....
『蜻蛉の髪飾り』

茜日差しの風に消えていく羽根、透きとおる空気。

柳都長屋の白壁に痕跡はまだ、残っている。

(微漣は鳴り、斜日の浜)

足首辺りに、冷たさ。

斜日の浜から、 ....
やっと他所まで来れたようだよ
世話焼いてくれんなよ
ずっと先が消えてるんだ
なにもかも最初から

風邪引きの窓にも
ちょうちょはとまる
すべて台無しでも
憂鬱ぐらいなら世界はほっと ....
もっと息子と向き合えよ
と 夫は言う

筋ジストロフィーの息子は
23才になった
もう 完全に大人の男だ

あの頃
あの6年弱は
わたしにとって格闘の時代だった

小6の担任から ....
宇宙のどこかに
僕に都合のいい星があって
ただで旅行できたら
きっとつまんないだろう
にっこり笑って
ごめんだよって
逃げ出せる強さが欲しい

歌ぐらいなら唄えそう
そばぐらいならい ....
中島みゆきの『悪女』の次シド・ヴィシャスの『マイ・ウェイ』
を大音量で聴きながら唄いながら国道50号をぶっ飛ばす貴女に
びびりつつも県境越える前に早くもあたし嘔吐感、信号待ちで
ラッキーストライ ....
君が夕陽の下で無邪気に跳ねる
君が近づいて 微笑みながらはしゃぐ

その一瞬が 詩へと向かっていく
遠い遠く いつか君が言葉になる日に 向かっていく

言葉と言葉の間で祈りがゆらめき
 ....
死んでしまった女の子から手紙を貰ったことがある
もうおよそ二十年近くも昔の話だ
勿論その手紙は亡くなる前に貰ったもので
彼女はその手紙を書いてから三年後に自殺をした

手紙の消印は十二月十八 ....
 ぜんまいが壊れたから、神様が代わりに心をくださったの。祖母は私だけに、内緒でそう教えてくれた。昔ね、おばあちゃん、お人形だったのよ。とってもきれいな、きれいなお人形……。私の手を握る祖母はそう呟くと .... 定時を3時間過ぎて、本日の業務終了。

ロッカーから鞄を取り出して肩にかけて、更衣室を後にした。

「ちょっと変わってるね。その鞄」

話しかけてきた彼と、一緒に飲み屋に行き、彼の部屋 ....
木漏れ日から漏れたような
あなたを愛してみたい
ヒヤシンスの花のように
あなたを信じていたい
画家が描く睡蓮は光りに包まれて
沼の底まで生きている
そこは何処にあるの
額に収められたあな ....
いつの夜かに冷凍した食パンの事を覚えてる
柔らかいままでは持て余す愛しい食パン
あたしが冷凍した張本人だから
忘れたことすら無いってことも覚えてる

忘れることができなくて
とうとう解凍も ....
あの頃の私には
人と違う ということが恐ろしくてならなかった
生まれ持ったカラダのどこもが
他のみんなと違ってはならないと思っていた
思っていたのに違っていた
わずかにカタチを違えて備わって ....
鳥たちは彼方より
不吉な報せ嘴に
たずさえ飛び来る
死の匂い羽根に含んで

闇が白んでいく都心の
明けの空に深いインディゴの
融解してゆくさまひたひたと
薄気味悪く清澄に

二重国 ....
きらきらしたゆめの中で、あなたたちはいつも輝いている。

どんなに苦しくても、どんなに辛くても、

あなたたちはいつでも、輝いている。



どうしたらあなたたちみたいにな ....
「またね、今日はホントにありがとう」と言ってわかれました

最後は握手で

あのとき抱き締めてたらどうだったかな

違っていたのかな

手を伸ばせば良かった


ぎゅっとすれば良 ....
髪を切った
胸元まであった黒髪が
次々切り落とされて床に落ちた

首を晒した
丸く整えられた黒髪が
物珍しくて頭を振った

肩が軽くなって
心も軽くなった
美容師さんの魔法にかけら ....
光のぬくもりは
私の頬をななめに撫でて
ゆっくり後退していった

津山駅ゆきの
この乗り物は
私をぐらぐら揺らしながら
こっそり古代へ連れてゆく


あの頃は
ママに叱られそうだ ....
手紙には宛名を書かず
飲み込んで
飲み込んで
喉の奥でうずめかす
吐き出さず
吐き出さず
私の口に雨が降る

終いの時と知りながら
それでも春になればと信じず
祈る事は諦めであると ....
例えこの世界が嘘だとしても
私の頬を包んだ
貴方の手の温もりは
真実だと泣いた

波が打ち寄せる岸壁に
叫んだ
私の人生は終わりだと
何故貴方達は言うのか
自らの人生でさえ
危うい ....
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
鮭の頭 服部 剛409/11/2 22:18
せめてあぐり4*09/11/2 21:01
わからないまま殿岡秀秋309/11/2 20:59
雨粒が耳にあける穴にたまるあぐり2*09/11/2 20:53
中二の秋吉岡ペペロ509/11/2 20:30
奥まで愛して花形新次1*09/11/2 20:16
生贄のヴィーナスゼロスケ009/11/2 17:22
off夏嶋 真子3009/11/2 16:28
Welcome To The Lost Child Clubwithin2*09/11/2 15:38
軽トラ家族朧月309/11/2 14:40
中間試験[group]瀬崎 虎彦309/11/2 12:57
秋の種。おっぱでちゅ...109/11/2 12:51
オーバー ザ ウィンドウ(95)竜門勇気009/11/2 6:45
時代森の猫12*09/11/2 6:11
ユートピアのためのあらかじめ書かれた訴状竜門勇気0*09/11/2 5:52
スピーディン・ロマンサ(the speeding roman ...都志雄3*09/11/2 3:46
君は希望へと紡がれたポエムセキラボ!009/11/2 1:51
死んでしまった女の子から貰った手紙あらら609/11/2 1:35
発条と心臓古月109/11/2 1:12
創書日和「鞄」 こころのカタチ[group]逢坂桜309/11/2 0:25
何処乱太郎9*09/11/2 0:02
冷凍食パンの行方智哉109/11/1 23:08
ひとと違うこと朧月509/11/1 22:47
二重国籍の悲しみ瀬崎 虎彦4*09/11/1 22:45
感嘆と哀切の意を籠めて、謝々。aokage2*09/11/1 22:20
残像つゆ2*09/11/1 22:12
重みの重さMélodi...109/11/1 21:55
紀元前のぬくもりみぞるる409/11/1 21:29
閉じる日テシノ309/11/1 21:16
温もりミツバチ7*09/11/1 20:55

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