夜、汽笛の音が
遠くから伸びてきて
それが合図だった
(ぼう ぼう
(ぼう ぼう……
鳴り終えた音楽の残滓が
静止した街に滴る
も ....
いつから芋焼酎飲むようなったんかなあ
(あたしはどきっとした)
おまえにもうたんやっけ
(そうや)
(あのとき付き合うとった彼にもろたんや)
四五年まえおまえにもうたんや
(いまさ ....
ゆうがた 河川敷でキャッチボールをする
おじさんとの日課だった
しばしば深い草むらにボールを見失う
ボールは地球の卵だからな
すぐに地球のふところに帰りたがるのさ
おじさんの口ぐせだった
....
場所はないのだろう
誰のいう言葉もない 帰る ここは
戦場だけ そのようだ
積み上げられた石が 遠く
あるのは 離れた 高くそびえている
フランスでは教会を そうして石にして 人の
....
汚れることができなくて
白いムクドリないたとき
歌と涙がきょうだいで
母はこころと知りました
嗚呼 父はだれ 父はだれ
さあ わかりません わかりません
わからなくてもよいのです
知 ....
誰かに呼ばれた気がして
振り向くと
イチョウの木が灰色に
ざわめいている
その名前で呼ぶ人は
もういない
私は誰にも
愛されていない
駆けっぱなしのパーマは
....
人に愛される事
人に誉められる事
人の役に立つ事
人に必要とされる事
全てを兼ね備えている
むしろ休日が無い
会社ではベタ誉め状態
こそばゆい。
地獄の塩を舐めてきた
ものに ....
僕の人生を埋めてくれるものはなんだろう
何かを愛したい
愛しつくしたい
心から!
足りないものは何だろう
見つけたい
探したい
どこまでも
....
余韻に浸ることもせず
整理整頓に勤しんだ
空になったスチール缶はまるで
私に代わって愚痴を溢してくれそうな気がして
現在、机の隅で待機中
誰も尋ねやしないだろうから
ここぞとば ....
ほんとうにすぐ、
いちばんだいすきなものだって
すてられてしまうんだ
わかっていたんだ
だからこわいの
ぼくはぼくをすきになれない
きらいになれるじゆうがこわい
きみもいつだ ....
ねぇ 和尚
いくら頭をひねってみても
片手に音は鳴りませぬ
無辺なる{ルビ零=ゼロ}が「ある」ばかり
だから人は繰り返すのでしょうか
妙なる音を探し求めて
....
赤メロンに つららみたいにシタたル
籠もれ陽ふかした 浴びる月香をタくル
むろん 黒眼がしめきったのどかな風には
違いなく 色を歌う無実の草の
なじみの春が ころころと 吹雪いて
横 ....
重いばかりが先にたって
パソコンを立ち上げたものの言葉が思うようにでてこない。
言葉はいつも
世界にあふれているというのに
この身体には
流れていない ....
すくらんぶる交差点の信号機は
恋をする瞳の奥みたいに
ふと止まるときがある
いつか愛の記憶を出発する
終電を逃して
おしゃべりをしながら
取り残された恋人たちは
再びくちづけをする
....
粉々に砕けた星屑の海で、
一人ぼっちで船を漕ぐ。
宙をゆく旅は、
叶わなかった夢たちの残骸が放つ光で溢れ、
ひどく温かい。
波間から時折のぞく、
きらきら輝 ....
空気が薄かったのだろうか
衝撃はいかなる抵抗を受ける事もなく私の身に届いた
不意の一撃に驚き振り返って
第二波を正面で受け止める
滑稽な私がまるで喜劇映画のように
白黒無声フィルムの中を ....
神はいないって
言うけどさ、実は
いるんだろう?
いったい何を
見たことがないんだ?
神を見たって
あなたは言うけど
いないんだろう?
ほんとは 自分を
救いたい、そうだろ ....
電車のなかで
どこかの赤子
顔にシワよせた老婆が
母の眼差し
一点を見つめたまま
気づかぬ赤子は
老婆が十数年前に
タイムトラベルしたことなど
知る由もない
今を生きること ....
最初のT字路を右折して下さい
私は言われた通りT字路を目指した
でも、どこまで行っても
T字路なんかなかった
もう少し先なのかな
まだなのかな
どこまで行っても
この道は終わりなんか ....
静かな湖を見ていると
不意に
あなたを突き落としたくなりました
アナタガ
チュキダカラ!
手取り14万で都内のアパートぐらしじゃ
刹那的に生きる以外のライフスタイルなんて
望めないよねと
黄色い電車の中で、話していた女子がいた
おきまりのように「いい人いないかね」と
相づちをうつ ....
{引用=疲弊を逃れるための読書の
薄くなったアイス珈琲の
ひと雫がおちる
または
五本目のホープの
味気ない六mgの
崩壊して灰が
おちる
または}
椅子の下へ目をや ....
ふたりの蛇が絡みあい
とぐろを巻いてぼたっと置かれている
私たちは睨みあう
舌をちょろちょろさせ
鎌首をシュパッと突きあわせ
私たちは今、威嚇しあっていた
私は ....
貴方のいうことが、私にはわからない。
・・・のと同じように、
私のいうことが、貴方には伝わらない。
どんどん不満は溜まっていって、
この距離は縮まることを知らない。
ねぇ、貴方が私に ....
私の質の悪い悲しみを
ひとつかみ小鍋にぶちこんで
英雄気取りというスパイスひとふり
偽善者というスープを加え
一生懸命というだしを足して
永遠で煮ました
出来たものは
なんであれ極上 ....
苔むした
石段をのぼっていく
息遣いを見守る
樹陰を、切るのは
ひからびた花を背負うおもい出した耳
頭髪も
白く(みずからの足音を聞きながら、
零れる光の中を冷えていく舌が
しず ....
そういふ老化的 毛づくろいの消耗するプレッシャーがあることは良いことだ。良いことかもしれない。
ああ、網状の裁定が事務的ハンコを無意味に押すのである。
家には輪ゴムがない。
輪ゴムが自己主張 ....
人形と メールをし合う 人形と
絵画と 踊り明かす 絵画と
入ってる 入ってないと 気のはなし
嘘世界 ま ....
翔びたい、と叫んでる人の背中には、綺麗な羽根が生えてました。
あまりにも綺麗過ぎて、動かせないのでしょう。
屋上から、その羽根を羽ばたかせずに、その人は墜ちました。
翔べたのでしょう ....
探し当てたいとかけらに
眠りにつくのか 知らずに眠りの
この手につかされていく
騙されているようなものを手にする
破片のような 手を
黒い、とも 言葉にさせられている
そんなものたちを ....
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