見わたすかぎり
あおあおと
海原
さみしげに
小舟が一艘
のどがかわいて
哀しくなった
水はこんなにあるじゃあないか
いのちによく似た絶望が
きらきらと
世界の途切れる ....
君の声が好き 君の顔が好きというひとは
沢山いるだろうけれど
君が一生懸命だから好きだと言ってくれるひとは
あなたしかいなかった
僕の手にしているものと 僕が抱えているものを
遠巻きに ....
真夜中。
ふと眼を覚ます瞬間がある。
見慣れた天井が、
突然偽者めいて僕を吸い込もうとする。
暗闇と静寂の中、
その木目を宙で擬えて、
負けないように息をする。
冷たい空気に、
肺 ....
ずいぶん冷たくなった
雨粒が窓を打ち付ける
暗闇の部屋に響く
貴方の笑顔のように
ぱちぱちと
私の心に染み込んでくる
肩と肩が触れた瞬間から
手を取り合って
些細なことにも
一喜 ....
君の素肌に触れた日は
忘れもしない
君が十九の秋でした。
僕の心は君だけを
思い焦がれて
千々となり
集めて鈍く燃えたのです。
誰にも言わず
誰にも知れず
躊躇する手を最初 ....
呼吸を実感したくて
息を止めると
きみはどうしたのと笑った
どうもしてないよ
ただ
死んでみたくなっただけ
そう言って僕も笑った
昨日僕が鍵を閉めた
空調の整った部屋
まるい天井 ....
スノビスムの撃鉄を起こし
シャルル・ド・ゴールに降り立った
着陸までは青空だった
雲の上だから当然だ
愛やその他の悪意を捨てて
身一つで旅に出るならば
そのような悪意から逃れられず
....
すずめのお宿はきょうもにぎやか。
夜をまえに、温かな場所をめぐって
くりひろげられる場所とりの争奪戦
茂みのおくで、ひとときのおしゃべりがつづく
おしゃべりは、一羽一羽が
それぞれの位置にお ....
私達が生まれながらに持っているコレは、とてつもなく重い。
ソレは最初、両親が支えてくれる。
私達が一人で歩き出せるその時まで、
ずっと抱え続けてく ....
常連扱いに戸惑うも 茹で上げて
試供されたからには品評しないわけにもゆかない
まだ幟のくすんでいないラーメン屋の
一皿候補としての酒のおつまみ
淡泊な色合いだから
盛りつけの器は黒め ....
ひしゃげたわらの一筋に
薄い雲から来る太陽光の残滓と
飛び交う電子の温度がこもっていた
温かい立体だった
わたしは妹の手に
秋の暮れ方の軽さを載せた
それが十年の
記憶だった
....
夕暮に
放射線が
ジグザグに
切り付けにやってくるんだ
赤いビル
灰色カビた
臭いのする
壁、壁が息苦しいな
それが頭重くして
....
量子力学のパラドックスに「シュレーディンガーの猫」というものがある
じつは原子爆弾もコンピュータも
シュレーディンガーさんの方程式で動いているらしい(多分)
入門書を何度読み返してみても
一向 ....
息をするのも 罪に思うのは
許されない 嘘をついたから
いつも通り 心を閉じて 目を開けた
まだ 悲しみが足りないと 笑う僕
ほら 優しさが足りないと 包む君
綴る生物になりたい ....
この世界は水没します
誰ともなくそう言い出して
だから、逃げよう
あの電車に乗って
そう言われたわたしは
貴方のことをしらないのだけど
きっと 愛していたらしい
真夏は去ったのに ....
その後のこの期
夢のなかで
私はまだ
逃げも隠れも
している
この期に
およんで
い ....
空を見上げたら
お月さまはもうなくて
見えないとかそういうんじゃなく
お月さまはもうなくて
誰の消しゴムのせいか知らないけど
とにかくもう、なくて
夜、何を見上げればいいか途方に暮れた ....
言いたい放題
言われてしまった
でも、
自分は
たしかに
大した器じゃない
けれど、
大した関わりもない人が
たぶんに狭い了見で
よくもまあ
あんなに細々
あんな ....
わたしには、きっと
読まれることのない
手紙を書いている
わたしには、きっと
云われることのない
ことばを書いている
進む指の感覚がもどかしい
ひかりを知らない子どものように ....
.
わたしがそこから生まれた大気圏よ
雨よ 雲よ
いつもわたしを天蓋のように包む
大いなる父よ 母よ
.
わずか十分の一、ニ度体温が上がっただけで
世界中の人間が ....
それを説明した古い言葉がそれ自体を説明する
時間の限界のなかを赤子に送り返す
棺のささやきは隠喩の中に自由を得
それが存在の完全な証言に他ならぬ時に
おれとおまえのアリ ....
自分が自分であるための確かさ
未来に向かい立ち向かえる確かさ
こんなもん どこにも自分にはない
人間は くだらない人間も生きさせる
こんな僕に死をください
切り取られたあの日が
フィルムの中で
少しだけ色褪せる
あの日、君と過ごした青空は
二人の笑い声を吸い込んで
どこまでも広がっていた
それは ....
会う人誰彼かまわず「一青窈キック!」と言いながら
蹴ることで有名な一青窈。
ある日隣人を蹴ろうとしたら、かわされたばかりか
「一青窈キック!」と言いながら蹴られてしまう。
「お前が一青窈キック ....
山の奥にアンデス。
川の辺にインダス。
元広島東洋カープ、ロペスの村は。
いろんなロペスがいます。
一生懸命木を切って働くロペスもいれば、
切り株に腰掛けてニンテンドーDSをやるロペ ....
いのしし見張り師の朝は早い。
いのししより先に目覚めなければいのししは
逃げてしまうからだ。。
まだ薄暗い山麓の傾斜地をいのししの柵めがけて
歩き始めるいのしし見張り師。
いのししの柵は5メ ....
「書く」とは
肉体があげる悲鳴かもしれない
そこに僕はいない
ただ体だけがあり
悲鳴をあげている
苦しくて悲鳴をあげている
僕はいない
ペンがすべっている
勝手にすべってい ....
僕は君を救ってあげたいなんて
だいそれたことを言ったりしたのだけれど
本当は僕が救って欲しかったんだ
君に頼られることで僕が救われたかった
君の手を取ろうと伸ばした僕の手は
本当は僕の手 ....
人生はゲームだ
このステージに産まれた瞬間に
ゲームはスタートする
プレイヤーは自分自身を操作して
攻略を開始する
プレイヤーによってエンディグはバラバラ
けして同 ....
時計の振り子
あなたの寝息
輝く星
冷たい空気
夜の静寂
私の時間
幸せになりたかった私
この一瞬を
こうして残しながら
幸せをかみしめる
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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