思いでをつくる
まずは目
動物なんだよ こんな時
迫りくる灰色の展開の前で
ふくらんで見えるあんたの目
つぎに声
これがたぶん一番 思いで深いよ
弦はやわらかめ
冬の午後は木の根が ....
ぼく達が 猫にするように
猫もぼく達をアイコンにするとしたら
吹きこぼれそうな世界にも
意外と芯がやわらかい
救いが見つかるかも知れないね
そんな風にしのび
ひと粒のみかん 皮ごとほお ....
あの覚めた感覚は味わいたく無い、心が高振らず醜い自画像でも見ているような気分を数時間過ごすのは全く詰まらない それより昼過ぎた後、空気が沈み出し未完成の音楽流れる まだ正気に戻っていない頭に少し風が入 ....
女は3ヶ月の子供がいるわ、と話し始めた
薄暗い室内灯が小さな女の顔を照らしていたせいか幼く思われた
主人とは別居しているの、と私が返事をする間も無く続けた
どこか一点を見つめながら暗誦するように ....
魔女はパーティーをする
おとこもおんなも関係なく
みんな赤い靴をはいて
死ぬまで輪になって踊る
叫ぶような歌声
かなしい歓び
輪のそとは
危険だから
出ていけない
手を離さな ....
有刺鉄線をナイロン弦に張りかえて
ビヤン、ビヤンと音を奏でる
音を聴いて目覚めた鳥が飛び立った
丘の向こうの仲間に知らせる
警笛ではない、静かな寿ぎ
地下室ではテーブルを囲んで作戦を立て ....
ヨランは、すぐさま、この地下室の燭台に向かって矢を放った。
ぱちん、ぱちんという音を立てて、燭台は破壊されていく。
しかし、視界を奪われたのは、味方だけではなかった。
「おのれ、ガージェス。俺は ....
「わたしはあなたを見くびっていましたが、
あなたもわたしを見くびっていましたね、騎士殿」
ガージェスが、不敵な笑みをもたらしながら、言った。
「わたしは、ここに来るまでに三つのことを考えていま ....
その時だった。一つの声が響いた。
「助けてください! グーリガン様! アイソニアの騎士様!」
それは、イリアス・ナディの声だと思われた。
「イリアス? 無事なのか? まだ生きているのだな!」
....
○「ありのままを認める
これこそ愛なり」
○「多様性の時代
夫婦食い違ってあたりまえ」
○「小言は
自分への不平不満を
まわりに向ける行為である」
○「加害者は
被害者をよ ....
この先に何があるのかなんて
かけっこには関係ないんだ
気になるあの子に
先頭でゴールする姿を見せたいだけ
鬼になっても
ボールを追っかけても
スタ ....
他者と共に
住むことの孤独
ひとり
住むことの
孤独
結局、
それだけなのか
人と人は
出逢い寄り添った
ときの、熱
敵は誰?なのかも
もはやわからない
洗練され尽くし ....
漆黒の
闇の静かさに
潜むもの
余白、一拍
風吹き抜け
傘がない
貴女に逢いに行かなくちゃ*
街はイルミネーション
降りしきる
雨、冬の
開ける海
初めてみた
その広漠 ....
リアルな打合せの
ホワイトノイズで
トイレでサボれた職場
リモート会議で
抜け出せない
エンジン音の
ホワイトノイズで
無言でも平気だったが
アイドリングストップで
コミュニケー ....
{引用=鬱蒼}
鉈で枝をはらう
雑木林に入口をつくる
入ったからといってなにもない
暗く鬱蒼としたそこに
誰を招くわけでもないが
時おりもの好きな通行人が
ちょっと覗いては去ってゆく
....
心がとっても嬉しくて
笑いたくなる帰り道、
夕暮れ時の家々に
あたたかい灯(ひ)がともるころ、
体は少し寒いけど
すぐに我が家へ辿り着く。
悲しみなんて世界には ....
「具体的な考えを聞かせてもらおうか? いや、まずお前の名前だ」
「わたしは、ガージェス・ノルディア。オーバ・ニーチェのナンバー2です」
「オーバ・ニーチェは、祭祀クーラスの作った密偵網だと言ったな ....
事態というのは、刻々と移り変わっていくものである。
しかし、長い間平和な時代が続いたライランテ大陸では、
今回の戦争は、痛手と悲痛とをもたらすものだった。
「戦争というものは、誰が勝ってもおかし ....
「それは出来ません。彼女は大事な人質、いいえ、交渉の{ルビ緒=いとぐち}です。
あなたから、最善の道を引き出すためのね」ガージェスの口は滑らかだった。
「わたしはあなたに一つの提案があります。こ ....
午前八時、
朝の散歩に出る
アパート二階の戸口にて、
冷気、顔面を刺し
意識、ハッと
覚醒し
見上げる
空、
あおくあおく
ただ青く
ふぅと息吐き
この世界の一角、
....
静かさ、束の間
病む身を包み
虚脱、ただ受け容れ
穿たれた時の窪みに
静観し疼く肉、埋める
ケープを纏うような針葉樹林の奥に棲んでいる
刺青を着るここは、ビー玉の空がありますか
鈍色の四肢を投げ出し、もがく姿態のかぎりに
視界いっぱいに、息を吹き返すだけの
ラウンドフレームサング ....
あけるよる
べろんとかがやくたいようの
まなざしにとけ
のまれゆく
ししゃふるししゃふるひかりのうみ
およいでおぼれてすっぽんぽん
むきみでうちゅうをわたっていく
さいはてのちにていみう ....
理科の授業で実験のある時に限って
やたら目を輝かせていた小林くんは
セイタカアワダチソウの
蹂躙する広場で消息を絶った
缶けり鬼の高く蹴り上げられた缶は
とうとう落ちて来なかった
少し遅れ ....
自分の中に芽生えたこの仄かな希望を
大切に大切にしよう
いろんな事を乗り越える事が出来たのも
希望がいつも自分を守ってくれたから
希望よ こんにちは
勇気よ こんにちは
太陽光線よ こんに ....
黄昏の
駅に降り立つ、その瞬間、
瞳にきらめく夕陽の残光
昔から
闇へと向かう道が好き
あゝ、そんな癖、だけが抜けない
棄てるのは
昔を想い出す癖と
....
紅葉は終わりかけ
枯葉となり落ちていく
今日は風が強くて
寒さが増す感じで
冬の入口付近を彷徨っている
枯葉を踏んだ音がいい
何度も踏んでみたくなる
綺麗だった紅葉
寂しく ....
白い巨人、大股で
光の天空、過ります
ゆっくり流れ
両手を開き
夢の形象、生動し
この世界は形象で充ち溢れ
僕らはそれらを嬉々と読み取る
この世の未知なる顕れに
次々時の輪郭、浮き ....
アイソニアの騎士とヨランとは、指定された場所へと赴いた。
そこで待っていたのは、イリアスを攫ったガージェスである。
「ようこそ、騎士様。わたしは、あなたがお逃げになるのでは、
と思っておりまし ....
時刻は、イェルバの時を回っていた。
街は、薄闇のなかに包まれている。密談には適した時間である。
アイソニアの騎士は、ヨランだけを連れて行くことにし、
ハザック・アザンに対しては、屋敷で待機をする ....
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